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また新たなドーナツブーム!今度は、ブリオッシュ系やカラフルなグレーズ流行中!?

ドーナツブーム再来!

みなさん、ドーナツはお好きですか? これまでも何度か「ドーナツブーム」なるものがありましたが、今また新たなドーナツブームがやってきているというんです。今回は、作家で生活史研究家の阿古真理さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※6月1日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

牧野:今またドーナツブームが来ているそうですね。

阿古:2000年代以降だけで、今回が3回目のブームです。

2006年アメリカの「クリスピークリームドーナツ」上陸

阿古:1回目、一番インパクトが大きかったのが、2006年にアメリカの「クリスピークリームドーナツ」が日本へ上陸してきたことです。

牧野:そうでしたね! 静岡には2013年にきました。

阿古:東京で行列ができて、全国に広がりました。このブームのときに、東京以外から始まったお店もありました。奈良発の「フロレスタ」、神戸の豆腐屋の豆乳やおからが原料という「はらドーナッツ」などが関西から全国に広がりました。あと東京では、今なお人気なのですが、2006年に代々木上原に「ハリッツ」ができて、行列ができるようになりました。

牧野:人気店が次々と開業しましたが、今も続いているんですか?

阿古:今挙げたお店はすべてありますね。

2015年頃、コンビニで販売開始

阿古:2回目は2015年頃、今度は静岡の人にも関係があるコンビニ発のブームです。まずセブンイレブン、それからローソン、ファミリーマートなど大手コンビニがドーナツ販売を始め、一気に広がりました。

牧野:カウンターの横で売っていましたね。そして3回目が今回ですか?

阿古:そうです。コロナ禍に入ったくらいから、次々と東京に新しいお店ができました。またブームになってきていて、人気のお店には行列ができています。

2022年はパン屋発のブリオッシュ系ドーナツ

牧野:今回は、どのようなドーナツが流行っているのしょうか?

阿古:パン屋さんが始めたドーナツ屋さんで人気のお店があります。福岡発の人気ベーカリー「アマムダコタン」が東京・青山にドーナツの店「アイムドーナツ?(I'm donut ?)」を出して行列ができています。パン屋さん発ということで、ブリオッシュの発酵生地を使って揚げているんです。今までのドーナツは、ホットケーキみたいな生地を揚げるのが中心でしたが、これだとふわふわの食感になります。

牧野:食感が違うんですね!

阿古:他にもいろんなドーナツ屋さんがあるのですが、「クリスピークリームドーナツ」のときも人気だった、グレーズという、砂糖のシロップのようなものをかけるのが人気で、それがまたカラフルなんです。例えば、フランボワーズなら濃い赤に、レモンなら黄色になります。いろんな食材の色でカラフルになるので映えますね。

牧野:コロナ禍が要因で広がってきているのでしょうか?

阿古:そういう要素もあります。コロナ禍でテイクアウトできることが非常に注目されて人気になりました。ドーナツは、テイクアウトできるスイーツの代表的なものなので。

SDGsを意識したドーナツ

牧野:ドーナツも時代を反映しているのか、SDGsを意識した商品も出てきていますよね?

阿古:食材ロスをなくそうと、「ラシーヌ」というフランス料理のお店は、もともと食材ロスをほとんど出さないお店ですが、コロナ禍で窮地に陥る果物農家を救おう!と、ドーナツにかけるグレーズにそこの果物を使用しました。他にも、ヴィーガンを売りにするドーナツ屋さんがあったり、北海道食材を使いましょうと、国産のものを大切にすることを打ち出しているお店があったりします。

ドーナツが定期的にブームになる理由

牧野:ドーナツ業界がトレンドを作っているのかもしれませんが、どうしてドーナツは定期的にブームになってくるのでしょうか?

阿古:やはり、ドーナツは手軽で敷居が低いスイーツなんです。手で持って食べながら歩くこともできるし、シェアもできる。おもたせで持っていっても大仰になりません。

牧野:差し入れで使いやすいですね。

阿古:みんながよく知っている味なので、老若男女を選ばないのも、新しいブランドが出てきたときに「おっ、ドーナツ!」と見直される要因ではないかと思います。

日本のドーナツの歴史を変えるきっかけとは

牧野:日本のドーナツの歴史を変える「きっかけ」になったものって何かあるんですか?

阿古:きっかけは、やはり「ミスタードーナツ」ですね。洋菓子の場合はオーブンを使わないといけないものが多いですが、ドーナツは油とコンロがあればできるので、家庭で作られたり、お店で出されるものもありました。それらはシンプルに揚げただけだったり、砂糖をかけただけだったんです。

それが、1971年にミスタードーナツが日本に上陸すると、中にクリームを入れたり、グレーズをかけたり、生地が凝っていたりと「ドーナツって、こんなにバリエーションがあるのね!」と発見があったんです。グレーズが今はオシャレということで流行っていますが、そもそもはミスタードーナツが教えてくれたものです。

牧野:功績は大きいですね。まだまだ進化しつづけているドーナツですが、阿古さんが好きなドーナツはどんなものですか?

阿古:新しいドーナツも好きですが、実は、私自身はこういう流行とはあまり関係がなく......(笑)。豆腐屋さんが作っているおからが入ったシンプルなドーナツが好きです。

牧野:分かります!それはそれで美味しいですよね。

阿古:おからを使っているので、よく考えたらこれもSDGsなんですよね。

牧野:捨てていたものが再利用されていると。ドーナツも和とあう要素があるんですね。まだここから進化していくのでしょうか、ここから先どのように見ていますか?

阿古:それこそ静岡発の新しいお店が流行になり、全国に広がる可能性だってあると思います。

牧野:ブームになる食べものって、その時にお店がバーッと増えたりするじゃないですか。で、ブームが終わると撤退したりなくなったりしますが、ドーナツは2000年以降3回もブームがきてるので、店を閉めるまでもなくずっとお店も続いている印象があって、意外と堅い商売ですよね。

阿古:クリスピークリームドーナツは一度危機に陥っているので、チェーンを広げるときにはいろいろリスクがありますが、手堅い商売をしていれば、そのお店は飽きられることはないと思います。

牧野:確かに! ドーナツブームの歴史を語っていただきました。ありがとうございました!
今回お話をうかがったのは……阿古真理さん
作家、生活史研究家。1968年兵庫県生まれ。食を中心にした生活史、ジェンダーなどをテーマに執筆。東洋経済オンラインなどで連載。主な著書に『ラクしておいしい令和のごはん革命』(主婦の友社)、『日本外食全史』(亜紀書房)、『平成・令和食ブーム総ざらい』(集英社インターナショナル)『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』(NHK出版)など。

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