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韓国ファッションが日本で人気! 冬ソナからの韓流ブーム20年

ヨン様、K-POP、メイクやコスメ、チーズたっぷりグルメ、ドラマ…

今回は、韓国発ファッションの人気の理由について、ファッションビジネス・コンサルタントの磯部孝さんに、SBSアナウンサー原口大輝がお話をうかがいました。
※2023年2月24日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。
磯部:今は第4次韓流ブームと言われています。

最初の韓流ブームは、2003年から日本で放送されたドラマ『冬のソナタ』の爆発的なヒットがきっかけだと言われています。主役の俳優ペ・ヨンジュンは「ヨン様」と呼ばれて中高年女性のアイドル的存在になり、「韓流」という言葉が日本中に広まりました。第2次韓流ブームはK-POPグループが続々と日本に進出した2010年ごろです。KARA、少女時代、BIGBANGなどの人気グループが日本のメディアに出るようになり、K-POPが大衆化し始めました。

原口:私が高校生の頃ですね。

磯部:第3次韓流ブームは2016~2017年ごろで、10~20代の若い層を中心に巻き起こりました。今や世界的グループとなったBTSやTWICEが日本でも有名になり、SNSでオルチャンメイクと呼ばれる韓国風メイクが広まり、韓国コスメも注目されました。また、チーズタッカルビやチーズハットグなど、チーズたっぷりの韓国グルメが流行り、東京の新大久保に若い女性が集まるようになりました。

そして、第4次韓流ブームは2020年のことです。コロナ禍でステイホームを余儀なくされ、自宅で楽しめる動画配信サービスの需要が高まり、ドラマ『愛の不時着』『梨泰院クラス』などがブームとなりました。自宅でタルゴナコーヒーや韓国ラーメンを作って楽しむなど、韓国発のグルメもブームとなりました。

韓国ファッションの流行は2017年ごろから

原口:韓国ファッションが日本で人気となったのはいつごろからでしょうか。

磯部:2017年ごろです。BTS人気が影響したと思いますね。LINE FRIENDSとコラボしたキャラクターブランドBT21(イシビル)も生まれました。BTSのファッションにも注目が集まり、ルイ・ヴィトンの正式なアンバサダーに就任。第63回グラミー賞授賞式でBTSはルイ・ヴィトンのコレクションアイテムを身にまといました。また、BTSが私服や練習着として身に着けたために人気となった韓国ブランドも多数出ました。

原口:具体的にはどんなブランドですか?

磯部:2014年にソウルで誕生したアーダーエラー(ADER ERROR)、これはファッション、建築、金融など各界から集められた約20人の“クルー”と呼ばれるデザイナー集団によって作られているブランドで、カルト的人気を誇ります。それからマークエム(MARK M)です。国内外の若者から人気を集める、ゆったりとしたシルエットのストリートウェアブランドです。

エーナッシング(A NOTHING)はジェンダーレスを掲げ、ゆったりしたナチュラルなシルエットを特徴とする韓国ブランドです。この他にも人気となったジュエリーブランドやファッションブランドがあります。BTSのメンバーは7人いますから、愛用ブランドも多くなります。

BTSのDynamiteが世界的な大ヒット曲になったのも、ドラマ『愛の不時着』のヒットも2020年のことです。コロナ禍で世界中がステイホームしていた時と重なるんですよね。『愛の不時着』は裕福な2人が主人公ということで、ハイブランドを身につけることが多かったのですが、ヒョンビン、 ソン・イェジンのキレイめなスタイリングとフェミニンなデザインは、ファッショントレンドとしても注目されました。

グローバルワーク(GLOBAL WORK)やニコアンド(niko and ...)といったファッションブランドを展開しているアダストリアが、韓国発セレクトショップ「ALAND」を渋谷にオープンさせたのも2020年です。

背格好が一緒だから通販でも安心

原口:韓国ファッションの特徴を教えて下さい。

磯部:ひとことで言うと、大胆な色とデザインです。

原口:日本で人気となっている理由はなんでしょうか。

磯部:親しみやすさだと思います。同じ東アジア系で背格好が一緒だから「ネット通販で買っても安心」という声はよく耳にします。

まずはカラートップスに挑戦!

原口:私のような20代後半から30代の男性が韓国ファッションを取り入れるとしたら、どんなアイテムがおすすめですか?

磯部:原口さん、今日のお洋服は?

原口:グレーのチェックっぽいトップスと、黒のスラックスです。

磯部:手始めにカラートップスを合わせてみてはいかがでしょうか。特に日本の男性は、ここ数年のトレンドから黒の着用率が高いんですよ。黒×黒、黒×白、黒×グレーなど、無彩色を中心とした着こなしですね。原口さん、いきなりオレンジやイエローといったカラートップスには手を出しにくいと思いませんか?

原口:そうなんですよ。自分の色が固まっていて、カラートップスは似合わないんじゃないかと思ってしまいます。

磯部:まずお持ちのジーンズを履いてみましょう。そして、トップスに春らしくはっきりとした色のパーカーやトレーナー、ニットを合わせてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。いきなりインナーアイテムに手を出すと、手持ちのアウターと合わなくなるので、最初はアウターやパンツからチャレンジするのがおすすめです。気を付けてほしいのは、全体の大きさよりアームホール(腕まわり)部分がしっかり広くないと、重ね着しにくくなるということです。

原口:アドバイスありがとうございます。今後も韓国ファッションのブームは続きそうですか。

磯部:これまでの韓国ブームの流れをみていくと、3~6年くらいで大きな波が来ている感じがします。もう第4次ブームまで来ていますので、これからはひとつの有力なコンテンツとして定着しそうですね。

原口:磯部さん、ありがとうございました。
今回、お話をうかがったのは……磯部孝さん
1967年生まれ。アパレルにて企画、生産、営業の実務を経験後、2003年ココベイ株式会社にて大手流通チェーンや、ブランド、商社、アパレルメーカー向けにビジネス・コンサルティングを手掛ける。現在は、ITメディアビジネス内に連載「磯部孝のアパレル最前線」、講談社の『マネー現代』などで特集記事などの執筆活動もしている。

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