リニア開業後まちづくり中間報告 静岡駅に立地の優位性
静岡市は２２日、リニア中央新幹線開業後のまちづくりの在り方を検討するため実施した調査研究の中間報告を示した。東京や名古屋への交通利便性をリニア停車駅とＪＲ静岡駅とで比較したところ、東海道新幹線の停車本数の増加などを見込んだ場合、待ち時間などを含めると「静岡駅はリニアのどの中間駅と比べても相対的にアクセスが良い」とし、市の立地優位性を強調した。
中間報告は同日に静岡市内で開いたリニア開業による市の社会経済への影響を予測する調査研究委員会（委員長・村山顕人東京大大学院准教授）の第２回会合で示した。事務局の市と地方自治研究機構などは新型コロナウイルス感染拡大に伴う企業活動の変化、東海道新幹線静岡駅の利用実態、リニア開通後に同駅に停車する新幹線本数の予測などのデータを報告した。駅へのアクセスや電車の待ち時間を合計した東京や名古屋への移動時間についてはリニア沿線駅と比べ静岡駅が最もバランスが良いとした。
市経済局や市内企業、大学に対して行ったヒアリングの内容も併せて公表した。
市のまちづくりの方向性としては「地域人材の育成・企業の個性化の促進」「ＤＸ・スマート化による効率化」「自治体連携のよる体験創出」など６項目を提案。これに対し、委員からは「どの自治体でも共通する課題。静岡らしいキーワードを残すべき」と指摘する意見や「スケジュール感を持ち、体系的に整理を」と求める声が上がった。
市などは委員１０人の意見を踏まえ、来年開催予定の次回会合までに報告書をまとめる。
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