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テーマ : スポーツしずおか

井上尚 5月ネリと防衛戦 ボクシング 4団体王者 タイソン以来の東京ドーム

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が5月6日に東京ドームで元世界王者のルイス・ネリ(メキシコ)と対戦すると6日、主催者が発表した。東京都内で記者会見した井上尚は「すごくモチベーションが高い。何もさせずに勝つことを目指して調整する」と防衛戦へ意気込んだ。

ルイス・ネリ(右)との対戦が発表され、写真に納まるボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥=都内
ルイス・ネリ(右)との対戦が発表され、写真に納まるボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥=都内

 30歳の井上尚は昨年7月、スーパーバンタム級初戦で4階級制覇を達成。12月に史上2人目となる2階級での4団体王座統一を果たした。29歳のネリは2018年、山中慎介とのバンタム級世界戦の計量で体重超過し、王座剝奪。日本での活動が停止となったが、日本ボクシングコミッションがライセンス資格回復を認めた。
 同じ興行では、井上尚の弟で、世界ボクシング協会(WBA)バンタム級王者の井上拓真(大橋)が2度目の防衛を懸けて同級1位の石田匠(井岡)の挑戦を受ける。WBAフライ級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は同級3位の桑原拓(大橋)が相手の初防衛戦。格闘技K-1で活躍した世界ボクシング機構(WBO)バンタム級10位の武居由樹(大橋)は王者のジェーソン・モロニー(オーストラリア)に挑戦する。
 東京ドームではヘビー級王者のマイク・タイソン(米国)が1988年と90年に世界戦を闘った。
「悪童」との対決 激闘の期待 ドーピング、体重超過…日本と因縁  5万人規模の集客が可能な東京ドームで井上尚が難敵を迎える。26戦全勝(23KO)の4団体王者に対し、キャリアで1敗のネリは35勝(27KO)。激闘への期待は高まる。
 ネリは、2017年に行われた山中との世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトルマッチでは、4回TKOで王座獲得。大橋ジムの大橋会長は「怖さは過去一番。これまで井上尚を倒しにくる相手はいなかったが、今回は初めて」と警戒している。
 ネリは新王者となったものの、ドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示したことが判明。意図的な摂取の証拠がないとしてWBCに王座保持は認められたが、18年の再戦では体重超過で王座を剝奪される失態。日本のボクシングファンの間に「悪童」という呼び名が定着してしまった。
 過去の経緯があり、周囲は神経をとがらせている。大橋会長は今回、体重超過があった場合は試合を行わないことを明言。今後は試合の30日前、15日前、7日前の事前計量を実施し、抜き打ちを含むドーピング検査も行われる。ネリは134ポンド(60.7キロ)で試合60日前の計量をクリア。リミット(55.3キロ)へ減量は順調の様子だ。
山中さんに謝罪  記者会見に出席したネリは冒頭で過去に日本で行われた世界戦での失態を謝罪した。「2度みなさんを裏切ったが、今回は節制をして、きちんと調整している」と神妙な表情で話した。ネリに連敗し、現役を退いた山中さんとは記者会見後に再会。「私の間違いで山中さんのキャリアを終わらせてしまったことは申し訳ない」と謝った。
 四つの王座奪取が懸かる大一番へは「井上選手は最強と言われている。モチベーションは高い」と意気込んだ。

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