
創業から50年以上、楽器部品を製造する静岡県湖西市の町工場が癒やしのオリジナルブランドを立ち上げました。コロナ禍で直面したピンチをチャンスに。真鍮を加工する技術が新たな道を切り拓きました。

金色に光る箱からゆらゆらと立ち上る炎が心に安らぎを与えます。室内でも安全に焚火ができるBRASSCENEの「バイオエタノールランプ」。開発したのは湖西市の楽器部品下請けメーカーです。
<山本工業 山本哲也社長>
「サックスという楽器の朝顔管を支える朝顔つなぎという部品をロウ付けしています。真鍮と真鍮を銀のワイヤーを使ってロウ付けをしています」
山本工業は、創業から50年以上にわたって世界的な楽器メーカーに約2000種類の部品を提供しています。
着実に歩みを進めてきたこの会社をピンチに追い込んだのがコロナ禍でした。
<山本工業 山本社長>
「従業員に対しては努めて明るくふるまっていましたけど、ずっと心には不安がある状況でした」
新型コロナの世界的なまん延で吹奏楽の活動の機会が奪われ、楽器の需要は激減。2020年春ごろから部品の発注が止まり、売り上げが7割減に。工場の稼働も週に1度だけになりました。
創業以来最大のピンチを救ったのは
創業以来最大のピンチを救ったのは、ひとりの研磨職人でした。
<山本工業 木下力要さん>
「炎のゆらぎが人にリラックス効果を与えるということで、楽器の音色もリラックス効果があるので、通じるものがあると思いました」
コロナ禍で流行したソロキャンプの焚火。
ぼーっと火を眺めて得られる癒やし効果を自社製品に取り入れようと、社内のメンバーが集まって討論や試作を重ねました。
<山本工業 木下さん>
「楽器と同じ技術を使ってロウ付けをしている作業になります。つなぎ目が分からないぐらいにキレイに仕上げることです」
こうして生まれたのがブラシーネ。真鍮の一枚板を加工し、外面は継ぎ目のないデザインです。火消しのふたの形はサックスのキーをモチーフに、楽器同様の研磨技術=鏡面仕上げで輝きをそえました。
逆境を乗り越え商品を生み出した経験は、社員の意識を劇的に変えたと社長は感じています。
<山本工業 山本社長>
「下請けの町工場だったところから、自社商品を持っている。自分のブランドがある。これが従業員にとってその誇りに少しでもつながっていると感じてますので、それが一番の成果と思う」
世界の音楽シーンを支える技術から生まれたランプは人の心を優しく照らします。










































































