
2026年1月6日、山陰地方を最大で震度5強の強い揺れが相次いで襲いました。こうした緊急時には落ち着いた素早い対応が求められますが、静岡県の若い世代は全国と比較して「津波避難の呼びかけに敏感である」という調査結果が発表されました。
背景にあるのは、静岡県民にとっては“当たり前”の地域の防災訓練です。
受付は「子どもが主体」

「訓練、訓練、海岸付近の方は、ただちに避難してください」
2025年12月7日、静岡県内の各地で行われた地域防災訓練。清水港に面した静岡市の横砂地区では、小学校、中学校と連携し、子どもたちが主体的に訓練に取り組みました。
<受付担当の中学生>
「名前とどこに住んでいるかと学年を書いてください」
避難所の受付や会場のアナウンス、展示ブースの運営などを担うのは、地域の大人ではなく子どもたちです。
<発表する小学生>
「防災頭巾を作った理由は、必要なものだけを持って簡単に避難ができるからです。例えば、服やズボン、下着や靴下です」
小学生は非常持ち出し品を縫い付けたオリジナルの防災頭巾を作り、地域の人たちに紹介しました。
<地域住民>
「すごいですね、最近みんな子どもが中心になっているから安心しています」
「災害が起きたときは中学生とか高校生の力が絶対必要だと思うので、色々考えてくれていることはすごいうれしいですね」
<横砂自治会 杉山宏会長>
「子どものときに覚えた災害知識は大人まで続いていくと考えていますので、これからも地域と学校と連携してやっていきたい」
静岡の若者は「避難の呼びかけ」に敏感
こうした訓練の成果なのか、静岡の若い世代は全国と比較して防災への意識が高い――そんな調査結果が2025年に発表されました。
<人と防災未来センター 福本晋悟特別研究調査員>
「静岡県では、地域での防災訓練への学生の参加率が非常に高いという結果になっている」
兵庫県の「人と防災未来センター」特別研究調査員で、MBS毎日放送(大阪)の記者でもある福本晋悟(ふくもと・しんご)さんです。
福本さんは、津波警報や大津波警報が発表された際に、テレビなどで適切な行動を呼びかける「津波避難キャスターコメント」を研究しています。
どの言葉で避難しようと思ったか?13種類の言葉を5段階で調査
東日本大震災以降に放送で使われたコメントなどから「サンプル音源」を作り、今回、静岡市と浜松市の約500人を対象にアンケート調査を実施しました。
「大津波警報」
「静岡県」
「東日本大震災クラスの巨大な津波」
「非常事態」
「今すぐ逃げて」
「高台」
「津波避難ビル」
「津波避難タワー」
「ただちに避難」
「命を守るために」
「ためらわずに」
「今すぐ避難」
「まわりにも呼びかけながら率先して避難」
音源には13種類の言葉があり、それぞれの言葉で避難しようと思ったかその度合を5段階で聞きました。

<福本特別研究調査員>
「私が以前に調査をした関西などの他地域と比べて、静岡の皆さんは男女、年代を問わず非常に津波避難の呼びかけに対して高い受け止め方(危機感)を示しました。
さらに言いますと、10代から20代の若い皆さんが、30代や40代、もっと上の層と比べて、避難の呼びかけの言葉に対してより高い危機感を持っていることが分かりました」
「逃げる意識」教育の成果・言葉を知る機会を増やすことが重要
静岡の若い世代は避難の呼びかけに対して敏感に反応する。学校と連携し地域の防災訓練に多くの子どもたちが参加していることが、成果になって表れていると分析します。
<福本特別研究調査員>
「防災教育の中でも東日本大震災以降、特に『津波から逃げる』という意識が高まっている。そういった影響を直接受けているのが今の10代から20代の若い皆さんだと思う。
そういった言葉を知る機会を増やす、つまり訓練や学校の防災教育を発展させていくことが、これからも重要だと思います」
訓練に参加した子どもたちの感想は...
<中学生>
「真剣に、本当に地震があったらどういう行動をするか、しっかり確認してやりたいです」
「実際やるのは大変だと思うけれど今回見て、生かして、もし津波が来たときに生かせると思います」
<静岡市立清水袖師小学校 柴田聖士教諭>
「今学んでいることは、子どもたちの中では強く残るのではないかと思うので、だんだん大人になって自分たちがリーダーになってという風になればいいなと思っています」
訓練を経験した若い世代が育つことで、地域の防災力は確実に高まっていきます。
防災訓練は若い世代にとっては新たな経験である一方で、ベテラン世代にとっては当たり前でマンネリ化する傾向があります。しかし、防災対策の知見や教訓は日々、新しくなっていて、それを知ってもらう場としても防災訓練は重要です。








































































