
2025年7月30日に静岡県内に発表された津波警報では一時、4500人以上が避難しました。静岡市の沿岸部にある子育て支援センターでは長時間の避難を教訓に備えを見直しました。
静岡市の清水港のすぐ近くにある「清水中央子育て支援センター」です。施設では「一時預かり」のサポートとして生後2か月から就学前の子どもたちを預かっています。
7月30日のロシア・カムチャツカ半島付近の地震では、津波警報により静岡県内では、一時4500人以上が避難しました。清水中央子育て支援センターでも津波警報が出てすぐに5階の部屋に避難したといいます。
<清水中央子育て支援センター 坪内和美所長>
「こちらのリハーサル室をお借りして、こちらで過ごしました」
当時は、0歳の赤ちゃんを含む計6人の子どもがいて、食事やオムツなどを職員が運びました。長い子では、8時間以上も避難場所で過ごしたといいます。
<坪内所長>
「ヨガマットをたくさん持ってきていただいて、こちらに敷き詰めまして、その上で子ども達が遊ぶようにして、お昼寝もこちらでさせていただきました」
施設では、建物6階に避難生活で必要なものを備蓄しています。
<坪内所長>
「おむつ替えシートとか、こちらが使い捨ての哺乳瓶ですね」
非常食や水、紙コップなど基本的なものは揃っていましたが、長時間の避難により必要なものがみえてきたといいます。
<坪内所長>
「1リットルのお湯を入れる保温水筒。ミルクがね、0歳児がいたのでね、お湯っていうのが、結局1階に取りに来たんだけど」
<坪内明美記者>
「入れておく水筒ですね」
<坪内所長>
「そうそう、電気が使えない想定もあるので」
避難時に書き留めたメモを精査したところ、連絡手段の確保や必要な備品など20項目以上の改善点がみつかりました。
<坪内所長>
「ゴミ袋をこうやって引っかけることが必要だったので、その時にはS字フック、いろんなところに掛けられる。あと、こういう洗濯バサミも何でも挟むことができる。実際に、こういうのが必要だねっていう(意見が)出ました」
このほか▼コップなどを入れる持ち手付きのカゴや、▼ビニール製の大きめのバッグなども避難用品に加えました。
「お願いします」
「立った状態じゃないと無理ですね」
さらに、素早く避難するために子どもの抱っことおんぶが同時にできる「避難用キャリー」を導入し、初動訓練を強化しています。
<職員>
「ずっしりですけど、なんとか歩いて頑張って階段を登れそう。落ち着いて(装着の)順序を思い出して、できたらいいなと思う」
津波警報で浮き彫りになった子どもを連れての長時間避難の課題。施設では、今回の教訓を他の支援センターなどと共有していく方針です。
<坪内所長>
「(避難生活を)過ごしてみないと分からないことがいっぱい出てきたので。なかなか経験できることではないので、次の時には活かせていくのではないかなと思う」