「バスも電車も止まってしまって帰れなくて」ロシアの地震で静岡県にも大きな影響 日頃の備えを再確認するきっかけに

カムチャツカ半島付近を震源とする地震の影響により、静岡県内の沿岸部に発表されていた津波注意報は、7月31日午前、解除されました。海岸線の長い静岡県内では、各地で津波への警戒と対応に追われました。

7月30日に発生したロシア・カムチャツカ半島付近を震源とする地震の影響で、気象庁は県内沿岸部に津波警報、その後、注意報を発表しましたが、31日の午前10時45分に解除しました。気象庁によりますと県内で津波は、31日朝までに▼下田市の港で60センチ、▼南伊豆町手石港で50センチ、▼沼津市内浦と御前崎市で40センチ、▼焼津市で30センチ、▼伊東市で20センチなどを観測しました。

<社会部 大西晴季記者>
「午前9時前です。地震発生から丸1日が経過しましたが、こちらJR静岡駅前は、目立った混乱はみられません」

JR東海道線は30日に県内の一部区間で運転を見合わせましたが、31日は通常通り運行しました。道路も、国道1号や150号など沿岸部の一部区間で通行止めとなりました。

<焼津市から通学の大学生>
「あのとき大学にいて、バスも電車も止まってしまって、帰れなくて、親が迎えに来てくれました」

県内では、今回の津波でピーク時には19市町、229の避難所に計4547人が避難しました。下田市の下田中学校には360人が訪れ、14人が図書室で宿泊したということです。観光地だけに避難した人の中には、外国の人もいたということです。

<下田市の担当職員>
「避難所の運営職員が、英語が達者ではなかったので、英語がしゃべれる人に協力していただいて、対応しました」

沼津市の観光地・沼津港では、夏休みに人気の遊覧船も影響を受けました。

<千鳥観光汽船 山本佳彦船長>
「注意報が出た段階で、安全確認と情報収集をして、船の安全を確保して、スタッフは高台に退避した」

沼津港の商店街も7月30日は、多くの店が営業を取りやめました。

<ぬまづみなと商店街協同組合 望月伸一副理事>
「自然災害ばかりはどうしようもないですから、これから失った1日分を挽回できるように頑張ります」

静岡市清水区の沿岸部にある「清水中央子育て支援センター」です。生後2か月から就学前の子どもたちを建物1階で預かっていますが、30日に津波警報が出てすぐに5階に避難したといいます。

<清水中央子育て支援センター 坪内和美所長>
「こちらのリハーサル室をお借りして、こちらで過ごしました」

床にマットを敷いて6人の子どもたちと食事や昼寝をして長時間すごしたということです。30日の避難は、日頃の備えを再確認するきっかけになったといいます。

<坪内所長>
「長くいるということで、ミルクを持ってこないといけない、お布団を持ってこないといけない、オムツが足りないなど、想定はしていたんですけど、想定以上のものが必要だったな」

県によりますと、今回の津波でこれまでに人的、物的な被害は確認されていないということです。

海岸線の長い静岡県。私たちは、今回の津波警報発表を教訓に、南海トラフ地震への備えを再確認したいものです。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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