「生活できる利益出すのが難しい」米価は過去最高水準なのに…燃料費高騰で苦しむコメ農家の現実=静岡

静岡県内でも新米の収穫が本格化していますが、コメの店頭価格は過去最高水準に迫る勢いです。コメ作りに励む生産者を苦しめているのが、燃料費などさまざまなコストの上昇です。

静岡市の「お米農家のおにぎり屋 らいすぼうる」。土鍋で炊いたご飯は一粒一粒が際立ち、ふわふわな食感と豊かな香りが特徴です。ご飯に合ったおかずが選べ、このコメは静岡県で作っています。

<お米農家のおにぎり屋 らいすぼうる 志村真美さん>
「富士山の近くの白糸地区で作っている。白糸地区は朝晩の寒暖差があり、甘みの強い米がとれる」

静岡県富士宮市の富士山白糸ファーム。約8ヘクタールの田んぼで「コシヒカリ」や「ミルキークイーン」などを作っています。

<富士山白糸ファーム 小野隼人さん>
Q. 2025年の新米、出来栄えはいかがですか?
「今年は気温が高かった影響で収穫量が多くてすごいいい感じなんですけど、暑さの影響でもみ殻が厚くなって粒が小さくなっているのではないか」

2024年と比べ収穫量は約2割増えましたが、暑さの影響でもみ殻が厚くなったため、精米すると2024年と同じくらいの生産量にとどまる見込みです。

コメの価格は高値が続いています。全国のスーパーの平均価格は5キロあたり税込4275円と、これまでの最高値に迫る水準です。農水省は要因について新米の販売が本格化していることや備蓄米の販売を終えた店舗があることなどをあげています。生産の現場では燃料費などのコストの上昇が重くのしかかります。

<富士山白糸ファーム 渡邉亜子社長>
「軽油も昔に比べると倍近く値上がりしているので燃料は費用がかかってしまう」

この時期、渡邉さんの田んぼでは機械の燃料だけで1日約7、8千円かかるといいます。

全国の農家でも燃料費に加え、機械の維持費や肥料代など、コストの上昇に農家は頭を悩ませています。

<渡邉社長>
「お米を作るのも3月から10月まで付きっ切りでやっているが、生活していけるだけの利益を出すのが難しい」

販売価格の高止まりが続く中、生産者は不安を抱えながら米作りに向き合っています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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