
静岡市清水区に住む高齢女性を特殊詐欺の被害から救ったとして、清水銀行の女性行員らに警察から感謝状が贈られました。顧客の家を訪問した際、そこで直面したのは詐欺電話に震える高齢女性。女性行員がとった行動とは?
清水警察署から感謝状を贈られたのは清水銀行興津支店に勤務する30歳の女性行員と、上司の40代男性行員です。
女性行員が詐欺の現場に出くわしたのは4月21日。新たな定期預金の商品を案内する目的で静岡市清水区内の高齢女性が住む家を訪問した時です。リビングで話をしていると、女性宅の固定電話が鳴りました。
リビングの電話をとった高齢女性。話が進むにつれ、明らかに動揺していました。
女性が動揺 電話の相手は…

電話を切った女性に女性行員が声をかけると「俺だけど」と名乗る男が「10万円ほど入ったカバンを無くした」などと話してきたそうです。「俺だけど」としか名乗らなかった電話の向こうの相手を高齢女性は息子だと認識したそうですが、女性行員はピンときたそうです。
「息子さん本人に確認した方が良いんじゃないですか?」
清水銀行では特殊詐欺の被害を防ぐため、定期的に最新の犯行の手口などを情報共有しています。学んでいた詐欺の手口が形式通りに目の前で進んでいる…女性は最初、信じられない光景だなと感じたそうです。
うろたえる高齢女性に女性行員はなだめるように話しかけ、息子の携帯電話に連絡したところ、固定電話にかかってきた通話は別人のものと発覚しました。
警察官が家に来るかも…2度目の電話

一旦、支店に戻った女性行員は上司の男性行員に状況を報告。警察に連絡し、改めて2人で高齢女性宅を訪ねました。すると、なんと同じ人物から2度目の電話がきたそうです。「警察に連絡したから家に来るかも」と。まさしく静岡県内で最近増加している「警察官騙り」の手口でした。
その際、男性行員は高齢女性に「かかってきてもすぐ切っていいですよ」とアドバイス。これで事なきを得たそうです。
「まさに、という内容にびっくりした」とは女性行員の弁。男性行員は「本当に電話が来るんだ…」と学んでいた通りの状況が繰り広げられたことに驚いたそうです。
銀行員の機転で防がれた特殊詐欺事件。警察は警察官を騙る手口には注意して欲しいと呼びかけています。