
原発が立地する御前崎市は脱炭素社会などの実現に向けて「GX(グリーントランスフォーメーション)推進の観点から安全性の確保を大前提に原発活用は意義がある」と評価した。
一方、原発立地市の周辺からは再稼働に厳しい見方が目立った。牧之原市と菊川市は原子力災害時の広域避難計画の実効性が確保できていないことから、再稼働の是非を判断する状況にはないと指摘。森町などは原発稼働で出た使用済み核燃料の処分や再利用に道筋が付いていない点を課題に挙げた。「浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域の真上に位置していて安全性に疑問を感じる」(吉田町)との意見もあった。
再稼働を目指す浜岡3、4号機を巡っては昨年12月、審査の後半戦となるプラント審査が始まった。審査の先行他原発の事例を見ると、浜岡と同じ炉型の場合は約2年で合格にたどり着いているが、中電は再稼働の目標時期を示していない。