廃炉作業を進める静岡県御前崎市の浜岡原発2号機について、中部電力は原子炉本体の解体作業を2025年3月から進めています。作業から約1か月。商業用の原子炉として国内で初めて行われる解体作業の現場が4月22日、報道陣に公開されました。
<浜松総局 伊豆川洋輔記者>
「報道陣とは違う黄色の色の服を着た作業員が中で活動している。実際に作業員の方が入り、作業を進めている」
今回、報道陣のカメラが入ったのは、廃炉作業が進む浜岡原発2号機の原子炉建屋内。2024年12月、原子力規制委員会によって解体作業の「第3段階」への移行を認められたことで、2025年3月から「廃炉作業の本丸」とされる原子炉圧力容器の解体作業に入っています。
全国では、24の原子炉の廃炉が決まっています。商業用で、第3段階に入ったのは浜岡2号機が初めてです。
<伊豆川記者>
「先月から始まった第3段階だが、原子炉本体から上蓋を取り外し、現在、解体作業が行われている。原子炉本体など放射線量が高いものは機会を使い遠隔で行うとのこと」
開始から1か月が経過した現場では、直径6メートルの原子炉圧力容器の上蓋が解体されていました。上蓋は、大型の切断機で23個に解体されますが、3分の1ほど進んだということです。
今後行われる放射線量が高い原子炉圧力容器内の解体は、機械を使い遠隔作業で行い、水中で切断したのち、取り外す予定です。
<中部電力浜岡原子力発電所 堀正義廃止措置専門部長>
「日本で初めての原子炉圧力容器の解体となるので、作業者の被ばくも含めて、作業安全には十分な配慮が必要になっている。今後も具体的な計画を積んでいる途中ではあるものの、しっかりやっていきたい」
本格化する「廃炉作業」ですが、解体に伴い発生する低レベル放射性廃棄物については、移送先が決まっておらず、今後も建物内に保管されるということです。
<堀部長>
「(低レベル放射性廃棄物の処分先は)電気事業連合会のなかで検討を進めている段階で、我々が先陣を切っているが、まずは中部電力の実績をもとにそういうところの展開もしっかりしていきたい」
中部電力は、1号機についても年内から作業に入り、2042年度には廃炉作業を完了させる予定です。