トランプ関税、静岡の製造業へ影響は? 回答企業の半数超「マイナス」 10%乗り越えても24%は厳しいとの声も

 静岡経済研究所が実施した米国トランプ政権の関税政策による県内製造業への影響調査(速報)は、現時点で「マイナス影響がある」とした企業が計53・7%に上った。受注・販売量の減少が懸念され、工作機械などの一般機器や輸送機器関連を中心に危機感が強まる。影響を「分からない」と様子見する企業も多く、計24%の追加関税発動は企業業績にさらなる打撃となる可能性が高い。
 調査は4月中~下旬、県内に本社や事業所を置く製造業1037社を対象に実施し、299社(28・8%)から回答を得た。自動車、鉄鋼・アルミニウム製品25%、その他10%を前提とし、5月3日に発動された自動車部品への関税25%は織り込んでいない。
 関税の影響を製品別に見ると、「大いにマイナス」「ややマイナス」の合計が一般機器で82・4%と最も高く、輸送機器73・6%、金属製品65・8%が続いた。想定される影響(複数回答)は「生産体制見直しに伴う受注・販売量の減少」が63・2%、「米国内の消費減退による受注・販売量の減少」が47・4%。飲食料品、パルプ・紙製品など内需系の産業は影響が比較的少なく、為替が円高に触れることでプラス影響を見込む企業もあった。
 売り上げに「影響なし」は現時点で27・3%だが、追加関税24%が課された場合は17・0%となった。売り上げの減少幅も「1割未満」が29・8%から22・4%に下降した一方、「2割減少」は16・1%から25・3%、「3割減少」は4・1%から11・6%に上昇した。「関税10%は乗り越えられても24%は厳しい」との声が多いという。
 サプライチェーン(供給網)の見直しは「考えていない」が83・7%、「何らかの見直しが必要」が16・3%だった。

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