「高すぎて手が出せないとなってしまうのは怖い」現場は戦々恐々…『トランプショック』で海外輸出に不安の声【静岡】

『トランプショック』の余波が止まりません。4月7日、日経平均株価は一時、2900円を超える大幅な下落となりました。トランプ政権による「相互関税」は、静岡が誇る特産品にも影響を与える可能性があり、生産者からは不安の声が広がっています。

<おさだ製茶 長田夏海社長>
「こちらは石臼の部屋で、高級な抹茶に関しては全部この石臼で引いてます。ここで引いている抹茶はほとんど海外向けです」

静岡県森町で茶業を営む長田さんです。10年ほど前からお茶の海外輸出に力を入れています。

<長田社長>
「かなり下がってますね」

長田さんが気を揉んでいたのは、トランプショックによる株価の動向です。4月7日の東京株式市場では、日経平均株価が一時、2900円を超える大幅な下落となり、約1年半ぶりの安値を記録しました。

<トランプアメリカ大統領>
「我々はアメリカを再び豊かで良い国にします」

トランプ大統領は、貿易相手国と同じ水準の関税を課す「相互関税」で日本には24%の関税を課すと表明しました。相互関税は2段階で導入され、第一段階として、4月5日から10%分の関税が発動しています。

<長田社長>
「輸出の中でもアメリカが一番多くて、半分以上はアメリカ向け。トランプ政権になった時に関税のことは言われたのでいずれ来るかなと思っていたが、額的に相当大きいので少なからず影響がある」

長田さんは、海外の日本食ブームで、お茶の需要が高まっている現状に変化が生じるのではないかと懸念しています。

<長田社長>
「(アメリカの)消費者の方に割高なものを手に取っていただいて、飲み続けていただけるかが心配」

トランプ関税は、その他の名産品にも波紋を広げています。

<温室農協クラウンメロン支所 鈴木陽介事務長>
「こちらがクラウンメロンを栽培している温室です。もうまもなく収穫になるクラウンメロンです」

袋井市を中心に栽培している高級ブランドのクラウンメロンは、2021年から、長年の夢であったアメリカへの輸出を開始。現地の販路を拡大しながら、右肩上がりに需要を伸ばしてきましたが、今回の逆風により「ぜいたく品」とされるクラウンメロンの売上げが左右されるのではないかと不安を漏らします。

<鈴木事務長>
「元々高い商品ですし、それがさらに値上げになると、ファンになってくれた方が、高すぎてこれじゃ手が出せないとなってしまうのは怖い部分もある」

余波が広がる『トランプショック』。静岡県内経済への影響も懸念される中、政府の粘り強い交渉と産業への支援策が求められています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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