「働きやすい環境イコール良い仕事ができていく」静岡・沼津市役所が4月1日から「選択的週休3日制」導入

4月1日から新年度、働き方が変わる自治体があります。静岡県沼津市では、静岡県内の自治体では初めて「選択的週休3日制」が導入され、子育てや介護と仕事のバランスに期待が高まります。

<沼津市介護保険課 古川直哉主任>
「こんにちは、きょうはどうされました?」
「申請で伺いました」
「はい、どうぞ」

沼津市で介護保険の給付などの業務を担当する古川直哉さんです。2024年5月から試験的に導入された「選択的週休3日制」を活用しています。

<古川主任>
「自分の仕事も進めなきゃいけない中で、仕事の時間の確保と休みの確保という点で言えば、使いやすい制度かなと思う」
Q. お休みになった1日は何に?
「基本的には趣味に使っている」
Q.趣味は?
「登山」

毎週のように山を登るという古川さんは、業務や他の職員の都合も踏まえて、月に約1、2回週休3日制を取り入れています。

沼津市が4月1日から導入する「選択的週休3日制」は全職員が対象で、希望すれば週に3日間、休みを取ることができます。

沼津市職員の一般的な勤務スケジュールです。1日「7時間45分」を5日間、合計「38時間45分」働き、週に2日休んでいます。

一方、週休3日を活用する古川さんのスケジュールです。1日休みにした分、他の日に勤務を「分散」することで、トータルの労働時間や給料は従来通りのままになります。

<古川主任>
「有給を使うこともあったが、1週間の中で仕事が立て込んでいるときに、なかなか有給は取りづらいというのがあり、1週間の働く時間は変わらないで、休みが1日取れるという形で精神的にもストレスが少なかったりとか」

市がアンケートを行った結果、「ワークライフバランスが改善された」と答えた人が89%と好評でした。

<沼津市人事課 増田明也主任>
「働きやすい環境ができるということは、イコール職員が良い仕事ができていく。そうすると市民サービスの向上にもなるのかと思う」

働き方を多様化することで公務員の志望者を増やし、優秀な人材の確保にもつなげたい考えです。

<沼津市 賴重秀一市長>
「なかなか前例がないという形になるので、暗中模索の部分もあるとは思うが、ブラッシュアップして、より良き制度にしていきたい」

<東部総局 竹川知佳記者>
業務の時間は変えずに休日を増やせるということでより有効的に時間を使える制度です。一方で、全国的に見ると導入を断念した自治体もあります。群馬県の前橋市役所です。2023年、1か月間、「週休3日制」を試験的に導入しましたが、その後、アンケートをとると、その3割が業務に「支障があった」と回答しました。

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
業務への影響というと具体的にどのような声があったのでしょうか。

<竹川記者>
個別の意見では「会議や打ち合わせなど職員間のやり取りがしづらい」「窓口業務が回らない」などの意見があったということです。

「週休3日」の活用に向けては、部署内でのコミュニケーションや窓口のDX化などもカギになってきそうです。

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