
超党派の国会議員連盟が今国会での改正を目指して活動する一方、鈴木馨祐法相は28日に法制審議会(法相の諮問機関)に見直しを諮問する。集会では、かつて法制審の特別部会で委員を務めた映画監督の周防正行さんが講演。法務省刑事局を構成するのは検察からの出向者だと説明し、経験を踏まえて「検察官が立法の一翼を担い、捜査官も務めるという二面性に大きな問題がある。刑事司法に関する法令こそ、立法府がイニシアチブを」と訴えた。
与野党の議員約20人があいさつに立った。自民党の稲田朋美衆院議員は「改正しなければ、立法不作為。立法府の責務であり、(この問題は)党派もイデオロギーも関係ない」と意気込み、他の議員からも「今国会で実現できなければ国会の〝敗訴〟」「制度の欠陥が続けば国会の責任が問われる」との声が上がった。
■「自民党内 手続きに滞り…」 超党派議連総会で会長
再審法の改正を目指す超党派の国会議員連盟(柴山昌彦会長)は25日、国会内で総会を開き、改正要綱案を了承した。各党の実務担当者らが党内への説明を同時並行で進める中、自民党所属の柴山氏が総会冒頭のあいさつで「実は、自民党ではちょっと手続きが滞っている。申し訳なく思う」と口にする場面があった。
自民党内には「基本法制(の刑訴法)は法制審に任せるべき」との考えを持つ議員もいるとされる。総会終了後に取材に応じた柴山氏らによると、今月開かれた党の司法制度調査会に法務省の担当者が出席。同じ場で再審法改正について議連の考え方を伝えたいと求めたが、会長から断られたという。
柴山氏は、党内手続きが通らずに今国会での議員立法が困難になれば「自民党の責任になりかねない」と危惧。党内の理解を得るために尽力していくとした。
議連の総会では、今国会で改正を実現する方針を改めて確認した。事務局によると、4月末の大型連休開始前までに条文を固め、法案の提出時期を見極める。