袴田巌さんの「反骨」を劇に 25年夏、故郷の浜松市で上演へ 東京の劇団が寄付募る

袴田さんの地元公演に向け、協力を呼びかける「グループK」主宰者の香川耕二さん=静岡県庁 東京の演劇ユニット「グループK」が今夏、死刑確定後にやり直しの裁判(再審)で無罪となった袴田巌さん(89)の闘いを描いた作品「反骨」を浜松市浜北文化センター(浜名区)で上演する。昨年11月の東京公演で好評を得て、「袴田さんの故郷で地元の人に見てもらいたい」と企画。クラウドファンディング(CF)で寄付を募っている。
 苛烈な取り調べを受け、無実を訴えながらも死刑が確定した袴田さん。再審無罪までに58年の月日が流れた。脚本・演出を手がけ、取調官役として出演する主宰者の香川耕二さん(66)は「苦悩と正義の歴史をたどる芝居」と捉える。袴田さんと姉ひで子さん(92)だけでなく、弁護士や支援者ら「携わった人たちの愛情の物語」とも表現する。
 袴田さんの地元での再演を望む声が寄せられ、計画した。袴田さんのことをあまり知らない若い人たちにも来場してほしい、と価格を抑えた学生チケットも用意する。会場費や機材費、演者・スタッフの滞在費などを賄うため、4月末までCFサイト「レディーフォー」で協力を求めている。
 香川さんは「いまだ再審が認められず、苦悩する人たちがいる。再審法の改正に向け、演劇が一つの力になれば」と期待を込める。
 上演時間は2時間ほど。7月30、31日と8月1日に計4公演を予定している。

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