
苛烈な取り調べを受け、無実を訴えながらも死刑が確定した袴田さん。再審無罪までに58年の月日が流れた。脚本・演出を手がけ、取調官役として出演する主宰者の香川耕二さん(66)は「苦悩と正義の歴史をたどる芝居」と捉える。袴田さんと姉ひで子さん(92)だけでなく、弁護士や支援者ら「携わった人たちの愛情の物語」とも表現する。
袴田さんの地元での再演を望む声が寄せられ、計画した。袴田さんのことをあまり知らない若い人たちにも来場してほしい、と価格を抑えた学生チケットも用意する。会場費や機材費、演者・スタッフの滞在費などを賄うため、4月末までCFサイト「レディーフォー」で協力を求めている。
香川さんは「いまだ再審が認められず、苦悩する人たちがいる。再審法の改正に向け、演劇が一つの力になれば」と期待を込める。
上演時間は2時間ほど。7月30、31日と8月1日に計4公演を予定している。