袴田さんは66年の8月18日に逮捕され、47年7カ月に及んだ身体拘束が始まった。弁護団は泊まりがけの合宿を開くなどして訴状を完成させる。ただ、状況次第で日程にずれが生じる可能性があるとしている。
また、畝本直美検事総長が無罪判決への控訴断念に際して公表した談話について、袴田さんの名誉を毀損(きそん)しているとして別途、損害賠償を求めて国を提訴する考え。冤罪(えんざい)の責任を問う国賠訴訟よりも先に提起する方向で検討を進めている。
一方、弁護団として捜査や公判、再審請求審や再審公判について総括する報告書をまとめることも確認。県警や検察、裁判所だけでなく弁護活動への自己批判を盛り込む。逮捕後の接見が3回計37分にとどまり、不当な取り調べに抗議しなかったほか、第1次再審請求審で最終意見書を静岡地裁に提出するまで証拠の捏造(ねつぞう)を明確に主張していなかったことなどに言及するとみられる。
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