【くるら戸田 壱の湯】地元・沼津を楽しむ、お散歩気分の風呂めぐり

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無色無臭で泉質やわらかな天然温泉かけ流し!

沼津市南部に位置する戸田は古くから深海漁業で栄え、御浜海水浴場や諸口神社などもあり、美しい海と山のある観光地だ。昭和をしのばせる風情が残り、特産のタカアシガニを食わせる食堂があったり、リヤカーの置かれた路地の先にケーキ店が潜んでいたりで、ぶらり歩きに魅力的なエリアだ。その戸田に交流と観光拠点の天然温泉『壱の湯』があると聞き、訪ねた。

地域の観光拠点『道の駅 くるら戸田』

壱の湯は『道の駅 くるら戸田』に併設した日帰り天然温泉だ。戸田漁港に続く県道18号線沿いにある。車で行く場合、新東名の長泉・沼津ICから伊豆縦貫道経由のルートや狩野川放水路の口野橋経由の行き方もある。

入浴料は中学生以上500円、小学生250円、未就学児童無料。ボディーソープなどは備え付けのためタオルだけを持参し、10時の営業開始後に入浴を開始。男湯の脱衣所にはバイク乗りらしき3人組、旅館並みの清潔な内風呂と露天風呂にシニアの先客。夕方よりもこの時間帯が空いていて狙い目のようだ。

保湿力が高く美人の湯とも称される『壱の湯』

 内風呂には天窓があり、無色無臭の湯の上で採光がゆらいでいた。戸田温泉にはナトリウムやカルシウムほかの健康に有効な成分が含まれ、美肌効果、肩こり、腰痛などに効くという。同行した妻によると、肩まで沈まずに半身浴をして、女性は特に腰から下を温めることで夜よく眠れ、そうすることで翌日の朝には美人になっている、という話を女湯に湯温チェックに来た女性スタッフから聞いたそうだ。泉質がやわらかで、肌がしっとりする湯だと妻は感じたそうだから、まさに女性にうれしい美人の湯だろう。
 
その美人の湯が満ちた露天風呂にシニア男性の私も入浴した。雨天でも入れる屋根付きの露天風呂もほどよい湯加減で、入浴していると、これまで忘れていた呼吸を取り戻す思いがした。入浴後は広々した畳敷きの休憩所でうたた寝をしてくつろいだ。同湯は道の駅に併設しているから売店をのぞくと、産直野菜や地元の戸田塩を使った塩パン、各種伊豆土産が並んでいた。ご当地グルメの金目鯛みそ汁のほか、深海魚をプリントしたマグカップなども目を引いた。

深海魚を使ったお土産も

戸田漁港は日本一深い駿河湾に面しており、深海トロール漁が盛んだ。漁港には季節によりメギス、とろぼっち、金目鯛などが水揚げされ、新鮮な深海魚を使った戸田とろはんぺん、天ぷら、刺身などが名物だ。軽食コーナーではそうした深海魚メニューのとろぼっち丼や深海魚ホットドッグなどが味わえる。

無料の足湯もある。また歴史文化の紹介、沼津市が舞台のアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』のアイドルをデザインしたマンホールが展示され、2階は地区センターで地域住民の交流拠点だった。

足湯を楽しむ家族は旅の途中か、帰りに駐車場を歩くと県外ナンバーの車やバイクが目立った。受付の女性スタッフによると、入浴に時間制限がないため、ゆっくりしていく人が多いそうだ。同館の秋元駅長は「地域の特産品・観光情報の提供、イベント開催などを通じて皆様と交流を深めたいと思っています。道の駅でも数少ない温泉併設の施設です。ぜひごゆっくりとご入浴をしに来てください」とコメントを寄せてくれた。

富士宮地区の朝霧高原と同じく沼津地区の戸田も広く周知され、外国人観光客の姿も見かけた。余談ながら、地元の食堂で特産のタカアシガニを食べていたカップルのほほえましい輪郭が消えずにいる。

諸口神社の鳥居と小舟ヶ浜


(ライター/佐野一好)
※ 記事内にある各金額は取材時のもの
※ 浴場の映像は施設より提供

道の駅 くるら戸田『壱の湯』
沼津市戸田1294-3TEL:0558-94-5151

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