ジュビロ磐田、次節は磐田市内の小学生が観戦に来る特別な一戦。森岡陸選手と三浦龍輝選手がコメント

ジュビロ磐田は5月17日、ホームのヤマハスタジアムでいわきFCと対戦します。この試合はホームタウンの磐田市が同市内全22校の小学5、6年生と、市内在住の特別支援学校に在籍する5、6年生の希望者を招待します。

地域のプロスポーツチームの試合を体感し、応援することでスポーツに関心を持ってもらおうと、2011年から続けている事業で、これまでのチームの戦績は10勝3敗。コロナ禍で中止となった2020年を挟み、19年から24年まで5連勝中と、児童の後押しが選手の励みになっています。今年は約3千人の児童が訪れる予定です。

森岡陸選手


-けがが続いていましたが、5月6日のコンサドーレ札幌戦で途中から今季初出場を果たすなど、試合に絡むようになってきました。

今年は練習試合を含めてまだ90分出ていないですけど、そういう中でも試合に出してもらえて、自分のやれることはある程度できたと思います。ここから試合に出ていく上ではもっとコンディションを上げていかなければいけません。まだまだ自分の中で100%ではないですし、ここから上げていけるようにしていかなければいけないなと思います。

-ハッチンソン監督は積極的に選手を入れ替えてきます。
俺は多分、まだその枠には入っていないと思っています。今出ている2人に足りないものもあるし、2人にないものも僕は持っていると思うので、自分の良さを生かしつつも、監督が求めているのはビルドアップ能力だと思うので、そこはもっと練習からやっていかないと。

例えば左(のセンターバック)をやれと言われても、左足でフィードできたり無難にできるようになったらもっと幅が広がると思うので、僕自身ももう少しそこをやっていきたいなと思います。

-練習を見ていても、そうした意欲は伝わってきます。
意識してはやっているんですけど、意識だけではどうにもなんないので。もちろんここから上げていけるようにしますけど、今日の練習も全然まだまだだなと思っていて。もっと相手を最後まで見たり、もちろん技術的なところはあれですけど、意識で変えるとこは絶対あると思うので、そこもしっかりやっていかなきゃなと思いました。

-これまでのキャリアの中で繋ぐサッカーの経験は少なかったんですか。
彰さん(伊藤元監督)のときは結構繋ごうとしていたんですけど、J1の舞台だとやっぱり前から来られて、繋げないという部分がありました。結局勝つサッカーになっちゃって、ロングボールが多くなっちゃったりしてたんですけど。

自分はそんなに繋ぐサッカーは今までやってなかったので、これだけしっかり下から繋いでというサッカーはJ2ではある程度できているんですけど。今度(ルヴァン杯で)ガンバ(大阪)とやりますけど、どんな相手でもできるように、自分もしっかりやっていかないといけないなと思います。

-森岡選手は磐田市のどの小学校出身ですか。
-元々は東部小で、転校して富士見小学校です。4年のときに。5、6年が富士見小です。

-一斉観戦のスタンドにいたんですか。
そうですね、もう見ていましたね、ずっと。

-そのときの対戦相手は。
それはちょっと。(ジュビロの試合を)見過ぎていて覚えていないんですよね。いつも特別でしたから。

-一斉観戦の試合はこれまで勝率がいいのを知っていましたか。
そうらしいですね。僕が入ってからも全部勝っているのかな。ちょうど僕が入ったぐらいから勝っていたので、次も小学生のパワーを借りて勝ちたいなと思います。

-雰囲気などは違いますか。
そうですね、なんかやっぱりあっちの方(児童が座っているスタンド側)にボールが行ったときはワーッって沸いて、(相手が)ボールを持っているときも嫌かもしれないけど、守備してるときも多分嫌だと思うので、(磐田が)パワーをもらえますし、いいと思います。

-いわきFCはフィジカルが強く肉弾戦が予想されます。
そうですね、スタメンで出ることは多分ないと思うんですけど(笑)交代で出たら、監督は僕に来たボールを跳ね返すのを求めていると思います。跳ね返すのももちろんそうですが、自分の課題に挙げているビルドアップの部分でも、もし試合終盤で勝っていたりしてもロングボールを蹴らずに繫いでいくのを意識したいです。

-手術した後の足の状態は。
復帰したときはまだ結構(違和感が)残っていたけど、徐々に良くなっている。時間(経過)でどんどん良くなってくると思うんですけど。今ちょうど試合に出ていないので、いい感じに調節できているというか(笑)。逆に出たらまたちょっと痛めてしまうかもしれないので。今のうちに(笑)。

でも練習前後毎日ケアして、やれることはやっているので、どんどん良くなってくると思います。食事面もかなり気を使っています。かなりクラブハウスに来るのも早くて、いろいろ済まして、まず風呂に入ってからケアもするし、練習が終わった後も。家にいっぱいトレーニングの器具もあって、足首を鍛えたりしています。今こうやってサッカーをやれているのも、そういうのがあったからだと思うので。あとリハビリセンターによく行ってやってもらったりしています。

-クラブハウスは練習開始の何時間前くらい前に来ますか。
2時間前ぐらいですね。でもみんな一緒ぐらいで、早い人はそれぐらいに来ます。

-意識が高いですね。
俺は別に意識が高いというか、本当にけがしたくないから。やれることは全部やった上で、けがしてもしょうがないって感じですけど。5年しかいないですけど、僕が見た中では私生活というか、サッカーをやっているとき以外に、ジムでやっている人が長続きするというのは感じるので、そういうところは見習っています。

健太郎さん(大井選手)とかも含めて、見てきた人たちが今もやれているので。僕はそこを見習っていかなければいけないなと思います。

-遠藤保仁さん(現G大阪コーチ)もそんな感じでしたか。
ヤットさん(遠藤さん)は見せないだけでやってるんですよ。毎日練習終わった後、ジョグしたりとか。ああいうのを欠かさずやっているし、多分見られると逆に恥ずかしいと思うので。絶対やってますよ、なんだかんだで。

-森岡選手はこれまでけがが多く、もどかしさを感じていましたか。
けがしているとき、ずっとスタンドで見ていたり、入院しながら病院で見ていたりしていました。自分がこのチームに必要だと自分では思っているし、他の選手にはない唯一無二のものを持っていると思います。絶対必要な時が来るときは来ると思うのでそのときに向けてしっかり準備して、出たときには3試合5試合でいなくならないように出続けられることが必要です。

-一緒にリハビリをしていた三浦龍輝選手の存在も励みになっているのでは。
そうですね。この前の試合(5月11日の藤枝MYFC戦)も「お前が出てこないか、ヒヤヒヤしたよ」って冗談で言ってくれたり(笑)いい関係ができていると思いますし、龍輝くんがいることによってビルドアップのところもチームを助けられているというのは、僕は感じます。まさしく前の試合とかも助けられたと思うので、一緒に出ていい結果を出せたらと思います。

三浦龍輝選手


-今季初出場した5月3日のFC今治戦から2勝1分けと負けなしです。

今のところは負けなしですが、勝ち負け関係なく1試合ずつチームとして積み上げているものがあれば、いい結果にはなると思います。勝っても負けても積み上げていきたいですね。

-今治戦で意識したことは。
この間の試合の後も言ったと思うんですけど、今年のチームは前の意識、ボール保持することだけではなくて、ゴールを目指すためにビルドアップをするというのがあります。自分たちのボールをどこで保持したいのかというのは、もっと明確に後ろが伝えるべきだと思っていたので、そこが一番気を付けて入ったところです。

-三浦選手の縦への意識はチームの悪かった流れを変えました。
相手の状況を見て、相手が前から来るんだったら背後が空くし、相手が下がるんだったら自分たちの前が開くので、一度状況を見ながらサッカーを変えるというか、狙いを変えるところは意識しました。

-三浦選手のパスを起点に複数点が生まれています。
それは偶然じゃないですか。偶然だと思うけど、自分としてもキーパー人としても狙い通りでした。特に札幌戦は狙っていたところだったので出来すぎですけど、点が入らなくても効果的な攻撃ができてきているのは良かったです。

-サイドだけでなく、真ん中へのパスも効いています。
この間もその話をずっとしていたし、昂志郎(角選手)だけじゃなくて、途中から入る凌我(佐藤選手)にもずっと言っているし。そういうところがもっと効果的に使えればいいかなと思います。

-藤枝MYFC戦でPKを取ったところも絡みました。
イメージ通りはイメージ通りですけど、出来すぎですよね。ボールが繋がらなくても、それを見せることによって相手が警戒するから他が開くっていうのが僕のイメージなので。僕から1本で繋がるのが一番いいけど、繋がらなくても次に繋がるようなパスだったり、フィードをしていきたいというのはあります。

-0-0のアディショナルタイムは他の選手が焦りも出てきている中、冷静でした。
前半あれだけチャンスがあって、なかなか点が入らなくて、いつもの流れだと失点したりバタバタしたりするところなので、とにかく後ろは落ち着いて焦らずにやるというのは心がけていました。

-次節5月17日のいわきFC当日は誕生です。今まで経験はありましたか。
2年前かな。藤枝戦が誕生日で、それが(誕生日の)初出場だったのかな。確か勝ちました。アウェーの藤枝でやった試合です。

-一つ年を重ねることについては。
特に何も変わらないですけど、33歳らしくじゃなくて、もっと若く、元気よく。だけど冷静にチームを見て、的確なことを言っていきたいなと思います。

-今まで以上にチームのことを考えていますよね。
考えないといけないなというのもあるし、みんな真面目な人が多いので、そうじゃないところも見せていった方がいいんじゃないかなとは思いますね。もう今年(磐田に来て)9年目ですけど、最初の頃はワイワイやってたような気もするので。

そういうのもジュビロのカラーとしてはあったから、いいものは続けていきたいし、逆に練習で軽くなる部分もあるのでそういうときは締めていきたいです。いいものを続けて、悪いものは変えていきたいですね。J1で6位になったとき(2017年)はやっている僕らも楽しかったし、サッカーをやっているときも楽しかったし、一つになっているというのは感じていました。いい雰囲気やいい時のところは覚えておいた方がいいと思います。

-いわきFCのイメージは
ハードワークはすごいし、球際も強いし、したたかなというのはあるので、この間の試合以上にこっちも基本的な球際だったり、運動量だったり、1対1のバトルというところは意識しないといけません。とにかく僕は(味方に)言うことを本当に気を付けています。どんどん言わなければいけないし、フィールドの選手は分かっていると思うけど、もっと強調して言わないといけないというのは気を付けてます。

-磐田市内の多くの小学生も見に来る日です。
勝率いいですからね。これを続けるのも僕ら次第なので。あの雰囲気もすごくいいですし、毎年。小学生に夢を与えるような(笑)あとは来れば勝てるよっていうのをもっと意識付けられればいいかなと思いますね。

-小学生のハッピーバースデーの大合唱も期待できますか。
いや、そういうのは自分は…ちょっと(笑)そおっとで。
シズサカ シズサカ

静岡新聞社編集局運動部がサッカーや野球、バスケットボール、ラグビー、バレーボールなど、さまざまなスポーツの話題をお届けします。紙面では紹介しきれない選手たちの表情や、ちょっとしたこぼれ話をお楽しみに。最新情報は運動部の公式X(旧Twitter)でチェックを!

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