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SBSテレビ 静岡市歴史めぐりまち噺し

片平信明と杉山報徳社のお噺し

2023年5月7日放送の「静岡市歴史めぐり まち噺し」は、片平信明と杉山報徳社のお噺しです。
語り:春風亭昇太

現在の清水区杉山、ここにかつて庵原郡杉山村がありました。幕末の杉山村では、油を取ることができるドクエの木の栽培が盛んでしたが、開国によって、海外から安い油が輸入されるようになり、需要が大きく減少してしまいました。村は困窮し、杉山村は“貧乏の代名詞”とまで言われるようになったといいます。

村の窮状を救うために、お茶の栽培を広めたのが、杉山村の名主であった、片平信明でした。片平は、明治2年、杉山青年夜学校を開いて、若者に読み書きそろばんから教え、人材育成に力を注ぎました。明治9年には杉山報徳社を結成し、二宮尊徳が説く報徳の精神を広め、資金難の村人への貸付も行いました。お茶を栽培する村人は徐々に増えていき、更に、ミカン、筍の栽培を導入したことで、村人たちの生活は安定していきました。

やがて、青年教育の成果を評価された、杉山青年夜学校は、日本で最初の「実業補習学校」として認可され、杉山村は、経済再生の模範として日本全国に知られることになりました。今でも、この地区の会合では報徳訓と呼ばれるものを皆で読み上げてから会合が始まります。片平信明は、地元では、「しんめいさん」と呼ばれ、杉山村の偉人として、恩人としてこの地区の人々の中で生き続けています。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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