【SPACの「伊豆の踊子」】 芸術劇場で四つ打ち
横長のスクリーンに写る伊豆各地の映像を前に、俳優たちが歩く、歩く、歩く。右から左に、奥から手前に、手前から奥に。歩き方によっては集団がばらけたりまとまったり。物語の進行にも大きく関わる、この俳優の動かし方こそ多田演出の真骨頂なのだろう。一編のDJミックスを聴いているような切れ目ない音楽使いとドラァグクイーンのダンスも印象的。ビヨンセの声に鳥肌が立った。芸術劇場で聴く低音の四つ打ちは実に新鮮。心地良い。 (は)
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