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静岡新聞教育文化部

【人宿町やどりぎ座最終演目「For Encounters」】汗染みが演出の“キモ”では

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、7月15日に静岡市葵区の人宿町やどりぎ座で開かれた同劇場の最終演目「For Encounters」。劇作家・演出家の多田淳之介さんが4月に同劇場で行ったワークショップを基にしたパフォーマンス。劇団渡辺の蔭山ひさ枝さん、山崎馨さんに加え、ながいさやこさん、渡邊清楓さん、渡辺六三志さん(超サイファーZINE)、原野扶有美さん(MUNAーPOCKET COFFEEHOUSE)が出演。
6人が言葉を介さず動き続ける80分。一人一人がランダムな動きを繰り返す。ある者は舞台を横切り連続垂直ジャンプ。ある者は半円を描くように歩き、舞台上で三点倒立。ビートルズの名曲が何度も響くうちに、観客はそれがプログラムされたものだと気づく。俳優同士にもある種の「干渉」が漂う。この過程がスリリング。そして、俳優の肉体の強靱さが強烈に印象づけられる。演出の“キモ”は、衣装と額に浮かぶ「汗」だったのでは。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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