【やどりぎ座トランスフェスティバルのチームR「トランス」】 ABCの関係性、正解が見つからない

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、20日に人宿町やどりぎ座(静岡市葵区)で上演された「チームR」による鴻上尚史さん作「トランス」。10日から同劇場で開かれた「トランスフェスティバル」の千秋楽。同じ演目を全4チームが次々上演するという趣向。チームRは演劇ユニット「FOX WORKS」の狐野トシノリさん演出で出演者は木田博貴さん(劇団Z・A)、蔭山ひさ枝さん(劇団渡辺)、大石宣広さん(同)。

高校の同級生3人。精神科医の女(A)、そのクライアントで自身が天皇であるという妄想に取りつかれた男(B)、高校時代は男性だったが、長じて女性の心で生きることにした(かつての)男(C)。高校時代の屋上での記憶に立脚する3人の関係性が、ストーリーの進行とともにどんどん揺らいでいく。Bの妄想にA、Cが付き合っているのか。Aの妄想がB、Cを規定しているのか。はたまたCの妄想が…。観客の思考を激しく揺さぶる3人の演技が巧み。

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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