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自転車のヘルメット着用努力義務化!ヘルメットの選び方は?

2023年4月1日から対象が全年齢に広がった「自転車のヘルメット着用努力義務化」について、熱海と東京の2拠点で活躍されているスポーツ&自転車地理ジャーナリストの星野知大さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※2023年4月3日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

写真提供:星野知大さん

ヘルメットの種類

牧野:努力義務化ということで、まだヘルメットを持っていない人も多いかもしれません。ヘルメットはどれくらいの種類がありますか。

星野:大きく分けて3種類あります。軽くて、スピードを出したときヘルメットの中に風を取り込み蒸れを防ぐ機能のある「スポーツ向け」、通勤や買い物に使ってもおかしくない「街乗り向け」、そして「キッズ専用」です。

牧野:最近はそれぞれのタイプでオシャレなものも増えている印象があります。

星野:以前は被ると、きのこの頭のようになってしまう、大きくてダサいデザインのものがほとんどでした。しかし最近は、日本人の頭の形に合ったものも多くなってきました。日本のメーカー「OKG KABUTO」からは、帽子感覚で使えるようなデザインのものも販売されています。

牧野:ヘルメットの種類も増えているということですか。

星野:「街乗り向け」「スポーツ向け」ともに、いろいろなものが出ています。最近では、マイクやスピーカーがヘルメットに内蔵されていて、ワイヤレスでスマートフォンとつないで会話ができるものも登場しています。

選ぶ際の注意点

牧野:ヘルメットを選ぶ際に気をつけたい点を教えてください。

1.サイズ

サイズが一番重要です。サイズが合っていないヘルメットを使うと、頭を守る効果が低くなってしまいます。いろいろなモデルがお店に並んでいますが、ヘルメットの内側の形やサイズの感覚が異なるので、一度自転車店で試してから選ぶことをおすすめします。

2.自転車専用のヘルメットを選ぶこと

自転車専用ヘルメットは、転倒したときに衝撃を吸収しやすい設計がされているので、効果的に頭を守ることができます。

牧野:防災用との兼用は避けたほうがいいですか。

星野:頭のことを考えて、ぜひ自転車専用のものを選んでください。

あとは、ヘルメットの被り方にも気をつけてください。よく街中で浅く被る人を見かけます。しかしおでこが出る浅い被り方だと、転倒したときにヘルメットが脱げてしまい、役割を果たせません。眉毛の上まで深く被って、しっかり顎ひもを付けて被ってください。

牧野:こないだ自転車店で、ヘルメットはデリケートなので、落としただけで効果が落ちてしまうと聞きました。1回でも衝撃を受けると性能は落ちてしまいますか。

星野:だいぶ落ちてしまうというような結果も出ています。できれば落とさないようにしてください。万が一転倒したときのために、落としたときは買い換えることをおすすめしています。

牧野:意外と繊細なんですね。

用途別おすすめ

牧野:通勤や子どもの送り迎え、買い物など用途別でのおすすめを教えてください。

星野:大人であれば、「スポーツ向け」「街乗り向け」どちらでも好みで選んで使ってください。私は、どちらのタイプも持っていますが、走る場面やその日の気分で使い分けています。

「スポーツ向け」としては、米国のメーカーの「GIRO」の「ARIES SPHERICAL」というモデルがおすすめです。価格は非常に高価ですが、軽いです。またMIPSと呼ばれる機能で、ヘルメット内部が二重構造になっていて、衝撃が加わったときに内側と外側がずれて衝撃を吸収してくれます。

「街乗り向け」としては、「OGK KABUTO」の「KOOFU CS-1」というモデルが、帽子のような形状で、カラーが8色展開していて、ご自身の好みで選ぶことができます。

牧野:いろいろな選び方がありそうですね。自転車のヘルメットは、海外のほうが進んでいますか。

星野:規制という意味では、努力義務の規制を行っている国は海外では少ないようです。しかしロンドンやコペンハーゲンなどヨーロッパの都市に行ったときに、規制はしていないが多くの方が被っている姿を見かけます。

世界最大級の自転車ショー「ユーロバイク」では、バックパックの中から頭を守るエアバッグが飛び出すアイテムも展示されていて、自転車走行時の安全性を向上させる意識が高まっていることを感じます。

牧野:自転車でエアバックを使える時代が来るのでしょうか。

星野:まだあまり売れてはいませんが、将来的にエアバックの導入もあるかもしれませんね。

牧野:星野さんに質問が来ています!「スーパーへ買物に行ったときにヘルメットをどうしたらいいでしょうか。かごに入れておくと盗まれそうだし、持って買い物するには邪魔になってしまいそうです」とのことです。ヘルメットの置き場に困っている人が多いようです。

星野:短めのワイヤーロックを携帯して、ヘルメットを自転車のかごに入れたり、ハンドルなどに引っ掛けておいたりする場合は、施錠することをおすすめしています。

牧野:最後にラジオを聴いているリスナーのみなさんに一言お願いします。

星野:サイクリングや自転車通勤の気持ちいい季節になりましたが、ヘルメットを被って安全に楽しんでください。
今回お話をうかがったのは……星野知大さん
海外&国内の自転車を中心とした“前に進む”スポーツに関するツーリズム、都市開発をテーマに取材・情報発信・企画立案&実行を続けるスポーツ&自転車地理ジャーナリスト。2015年から日本最大級の自転車の祭典「サイクルモード」のMC兼ディレクター。現在「東京都観光まちづくりアドバイザー」も務め、国内外を旅する自転車ツアーの企画・同行も手がける。

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