
家庭用調理器具の使い分けや買い替え時を、プロの料理人に聞いてみた!

スライサーから手や指を守るには
鉄崎:今年、スライサーでキャベツを切っていたら両手の親指を切ってしまったんですよ。これ、よくあることなんでしょうか?増田:我々料理人も、若い頃はよくありますね。スライサーがちょっと当たるだけでも、けっこう切れるんですよね。力も入っていると思うので。
鉄崎:僕の場合、まず「右手痛っ!」となって、スライサーを落とした時に左手で受けようと思ったら、左手にも刃が当たって両方怪我してしまいました。どうしたらケガをしないですか?
増田:我々はスライサーを使う時に軍手をはめています。最近は、刃物が当たっても切れない軍手がありますよ。普通の軍手でもいいのですが、おそらく一生モノなので、スライサー用の軍手をひとつ持っておくといいですね。もし刃が当たっても全く切れないグローブがあります。
鉄崎:僕は釣りをするんですけど、釣りで魚をさばく時に左手だけ軍手するんですよ。魚が滑らないし、三枚におろす時に刃物が当たっても大丈夫だから、軍手をしてたほうがいいね。
フライパン・鍋・まな板・包丁、いくつ必要?
鉄崎:僕とやまかな(山﨑加奈)がどんな調理器具を使っているか、お互いに言っていきます!フライパン
山﨑:フライパンは3つです。大、中、卵焼き用。鉄崎:26センチのフライパンと四角い卵焼き用の2つです。増田さん、フライパンはいくつぐらい必要ですか?
増田:フライパンは2つ3つで十分だと思います。
鍋
山﨑:大きいおでん用と、お味噌汁用、使っていない古いお味噌汁用(笑)の3つ。鉄崎:大きめの鍋と、お湯を沸かしたりお茶を煮出したりする油を使わない時用の鍋の2種類。
増田:鉄崎さん大正解です。どうしても油が浮くから、分けたほうがいいですね。
まな板
鉄崎:まな板は2種類。大きさで分けています。山﨑:私は5枚。木の大きいまな板はあまり使ってないです。ほかにペラペラのまな板4つを、お魚・お野菜・お肉・フルーツで分けています。
鉄崎:増田さん、まな板の使い分けはいかがでしょう?
増田:大きく分けて3種類、魚用・肉用・野菜や果物用ですね。野菜と果物を分けてもいいと思います。
鉄崎:魚と肉も分けたほうがいいんですね。 やまかな正解でした。
包丁
鉄崎:僕、静岡では1種類しか使ってないんだけど、自宅では出刃包丁と普通の包丁と柳刃包丁。刺し身を作るから3種類持ってました。山﨑:包丁は2本。小さいのも持ってます!
増田:細かい作業するんだったら小さいもの、ペティナイフ1本あると使い勝手がいいのでおすすめです。大きい包丁と、小さい細かい作業するためにペティナイフがあるといいかもしれないですね。
みんな、包丁研いでる?
鉄崎:僕は包丁をちゃんと研いでます。自宅は砥石ですけど、静岡ではローラー式ですね。増田:切れない包丁は意味をなさないので、絶対に研いだほうがいいですよ。
山﨑:私、使ったことない。最近、ピーマン切りづらくなってるんですよ。
鉄崎:ピーマン切れなかったら終わりやって! 僕、鶏肉の皮の部分がスパッと切れないと嫌なんです。
増田:わかります。めちゃくちゃわかります!
鉄崎:鶏肉の皮が切れるか切れないかを判断基準にしています。
増田:プロみたいですね。
ザル選びは大事
鉄崎:100均の調理器具はお得だけど、ザルとラップだけは普通のものを買いたいなって思います。山﨑:ザルは取っ手がついているのがいいです。
増田:ザルはどういうものでもいいと思いますが、金具が外れて手や指に刺さったり、爪との間に入ったりするので、ちょっとでも外れてきたら買い替えたほうがいいです。
鉄崎:だから、ザルは高くてもいいからしっかりした物を使った方がいいと思います。プロからすると、食材選びと同じぐらい調理器具選びは大事だってことですね。
増田:僕らにとっては毎日仕事をする相方なので、ちゃんと選んだほうがいいです。
「買い替え時」のポイント
山﨑:調理器具は基本頑丈だし、何年も使っていると買い替えのタイミングがわからないんです。増田:フライパンなら、テフロンが剥がれて「お魚焼いた時くっつくなー」となったら、どんどん剥がれてくるので買い替えのタイミングです。鍋は取っ手が取れちゃうくらいまで大丈夫だと思うので、長く使えるものだと思います。まな板は、カビや汚れが目立ってきたら買い替えのタイミングですね。
鉄崎:あとは、プラスチックの安い食器を買っちゃったんだけど、ラップがピタッといかないし、プラスチックの皿にステーキをのせてナイフで切ると傷がつくから、そこに赤いソースの色がしみこんじゃう。
増田:ありますね。買い替えましょう! ただ、包丁は買い替える必要ないというか、ずっと使えるものを最初から選んだほうがいいです。
鉄崎:包丁は良いものを選んで、研げばいいんだもんね。
増田:気に入ったものを20年30年使えるので、包丁は買い替える必要はないと思います。
調理器具の上手な選び方
鉄崎:調理器具の買い替えは、値段もピンきり、種類もいろいろありますよね。上手な選び方はありますか?増田:昔は東京・浅草の合羽橋まで買いにいきました。今はインターネットが普及していますし、プロがYouTubeで調理器具の紹介をしているので、「これいいな」と思ったら買っちゃってます。
鉄崎:ネットでも買ってるんですね。個人的には、静岡の家は流し場が狭いから、フライパンを取っ手が取れるやつにすれば洗いやすくてよかったかなと思っています。包丁はどうやって選べばいいですか?
増田:包丁は刃物屋さんに行って、実際に手に取って、プロからアドバイスをいただいて選ぶのがおすすめです。
鉄崎:包丁はたしかにそうかもね。
増田:包丁が切れなくなったら、そのお店で買ったものでも、そうじゃなくても研いでくれるので、長いスパンで付き合ったほうが絶対いいです。
フライパンの保管方法
山﨑:私は、調理器具の保管方法が気になります。鉄崎:お手入れ方法などを教えてください。
増田:フライパンは表も裏もよく洗いましょう。お二人とも複数のフライパンを持っているそうなので、重ねて置いたりすると思うんです。よく洗ってふいた後、フライパンとフライパンの間に小さなタオルとか新聞紙とかはさむとよいです。テフロンは傷がついたところから剥がれていくので、持ちが変わってきます。
鉄崎:僕、カッコつけて、レストランの厨房みたいにフライパン裏返しにして、壁にかけてます。
増田:いいですね。傷つかないと思います。
山﨑:フライパンの裏もちゃんと洗ってるんだ。
鉄崎:裏向けで、S字フックでかけてます。葵区のボン・マスダって言われたいので(笑)。増田さん、まだまだ聞きたいことあるので、また調理器具やお料理のこと教えて下さい。ありがとうございました!
今回、お話をうかがったのは……増田慎一さん
1977年、神奈川県箱根生まれ。大学卒業後の勤務先で帝国ホテル出身のオーナーシェフと出会い、フランス料理の虜になる。8年の修行を経て静岡に転居。リニューアル店の店長として従事後、2016年に独立開店したボン・マスダは「予約の取れない店」として高い評価を得ている。H29年度静岡『ふのくに「食の都」づくり仕事人』受賞
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