俳優・渡辺裕之さん急逝。複数の出演映画公開を控え、なぜ、今…

ベテラン芸能リポーター川内天子さんに、旬な芸能ネタをご紹介いただくコーナー。今回は、俳優の渡辺裕之さんの突然死について、SBSアナウンサー牧野克彦がうかがいました。

俳優、渡辺裕之さんの死

川内：「ファイト！ 一発！」の栄養ドリンクのコマーシャルでもおなじみだった俳優、渡辺裕之さんが急逝されました。

牧野：ショックでしたね。

川内：本当にびっくりしたというか......。もうひとつびっくりしたのが所属事務所がホームページで、「弊社所属俳優、渡辺裕之（享年66歳）が自宅で縊死致しました。5月3日（火）昼頃に、ご家族により発見されました」と公表したことです。渡辺さんが発見された自宅のトレーニングルームというのは、豪邸の地下にあって、プロ並みの腕前を誇ったドラムセットや、趣味のもの、本格的な筋トレの器具が置いてあるプライベートルームなんです。当初マスコミの間では、ここで発見されたということは、ベンチプレスの重たいバーベルが落ちてきた事故ではないかとの憶測が流れたほどです。でも事務所側は、事故ではないと明確に説明していたんです。

牧野：渡辺さんというと本当に幸せそうなイメージだし、健康的なイメージもありますよね。

川内：いつもニコニコしていて、愛妻家で家族思いのイメージが強いですよね。この一報を聞いて思い出したのが、奥さんで女優の原日出子さんがある番組で話されていた夫婦仲円満の秘訣について。結婚してからずっと、スキンシップを欠かさない。キスやハグは当たり前。朝のいってらっしゃいのキスは毎日なんですよと嬉しそうに話されていました。ご夫婦でイベントに参加されたときも、さりげなく手をつないで会場内に入っていった姿を見て、いい夫婦なんだなと思ったことを覚えています。

出演映画が公開を控えていたのに……

そんな渡辺さんは、仕事も順調だと聞いていたのですが、少しずついろんなことが見えてきました。コロナ禍で仕事が少なくなってきたといっても、今年は少なくとも5本の映画に出演しているんです。3本は既に公開されていて、2本はこれから公開予定です。

ただ、ドラマのオファーが来てもワンクール通して出演するのではなく、1話のみのゲスト出演のオファーが多かったようです。渡辺さんというと「ファイト！ 一発！」のエネルギッシュな感じや、いいおじさん・お父さんというイメージがあるのですが、役者の幅みたいなところではイメージを超越できないというのがあり、なんとかしたいと悩んでいたという話も聞こえてきています。

牧野：渡辺さんがキャラも強くイケメンすぎて、脇役タイプではないということですよね。主役級となると競争率も高いですから、なかなか難しい面があったのかもしれないですけど。

川内：これは原さんサイドからも渡辺さんサイドからも発表されていませんが、精神的に不安定な部分もあったと。原さんが葬儀後にどんなコメントを発表されるのか分かりませんが、肉体的な衰え・柔軟性みたいなところを、ご自分で一生懸命トレーニングして、求められることに応えようしていた。その部分がうまくいかなかったのかなという気もします。

今年3月、2年ぶりにジャズライブに出演されているんですが、ドラマーとしてプロ級の腕前なのに、演奏前には十分すぎるほど練習したそうです。それなのにどうしても自信が持てないと、震えていたというんです。そんな話を聞いても、いろんな意味で自分自身との闘いがあまり上手くいかなかったのかなと。実際のところはわかりませんが、そんな気がしてしまいます。

牧野：現代社会のいろんな問題もはらんでいそうです。今回もありがとうございました。

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今回、お話をうかがったのは……川内天子さん
新潟県生まれ。亜細亜大学法学部卒業後、東京・虎の門病院で医療事務の仕事に就くが、司会の仕事への夢が捨てきれず、退職。ラジオたんぱ『ニューストゥデー』のリポーターになる。その後テレビに転向し、朝日放送『モーニングショー』で事件を担当。テレビリポーターとしての活動をスタートさせる。日本テレビ『ルックルックこんにちは』では、レギュラーリポーターとして芸能を担当。