一緒にNIE

「一緒にNIE」は静岡新聞の「教育」欄で2011年4月にスタートし、2015年4月から「月刊 一緒にNIE」で連載しています。 日本新聞協会認定の県内のNIEアドバイザーたちが教諭や保護者に NIEをやさしく解説し、授業活用のヒントを示しています。NIEへの理解を広げるため、ご活用ください。

月刊一緒にNIE@しずおか・第1日曜掲載=NIEアドバイザーのワンポイント講座(83)社会への関心 記事読み高く(伊藤大介教諭/静岡聖光学院中・高)

2024年09月01日(日)付 朝刊


■NIEアドバイザーのワンポイント講座(83)社会への関心 記事読み高く(伊藤大介教諭/静岡聖光学院中・高) 

 

 先日、東京への出張帰りに交通機関の乱れのため、東京駅で足止めされました。駅構内を歩いていると丸の内南口改札の出口の外で人だかりが見え、気になって外に出てみると、今までに見たことがないほどの老若男女が列をなしていました。
 この列は東京都知事選挙に立候補した人物の最終演説を聴こうとした人たちで、特に若い学生のような人たちが多いことが印象的でした。
 現在担任を務めている高校3年生のクラスでは、社会に対する多角的な視点を養うためにホームルーム(HR)で政治や経済、スポーツなどのさまざまな新聞記事を配布することがあります。この時HRの司会役の生徒が記事の内容に触れて自らの意見を表明することがあり、日常から生徒たちが主体的に社会への関心を高めていることが伝わってきます。若年層の投票率の低さが話題になることが多い昨今、先に述べた東京駅前の光景や身近な生徒たちの様子から、政治への関心が決して低いわけではないことが分かります。
 ある生徒が、5月に行われた静岡県知事選挙で初めて選挙権を行使してきたことをうれしそうに語る姿を見た時、NIEの実践の継続がこれからも社会への関心を高めるきっかけになると実感しました。
 (伊藤大介教諭・静岡聖光学院中・高)