2023年11月30日(木)付 朝刊
新聞を教材として活用するNIE実践指定校の藤枝市立広幡中で29日、研究発表会が開かれた。1~3年全10クラスの授業を公開し、数学や保健体育、英語などさまざまな教科での実践例を紹介した。
記事からキーワードを抜き出し、要約する生徒=29日午後、藤枝市上当間の市立広幡中
1年生の国語の授業では、26人が新聞記事を要約する作業に取り組んだ。イスラエルとイスラム組織ハマスの対立や米大リーグ大谷翔平選手に関する記事の内容をタブレット端末を用いてまとめた。グループごとに互いの文章を読み、感想を述べ合った。石橋直明教諭(27)は、文章の意味と発信する意図について考えたり接続語の役割を学んだりしたこれまでの授業を踏まえて「大切な事柄はキーワードを盛り込んだ短い文章で伝えると効果的」と説明した。
市内外の教員ら約20人が参観した。同校では全教職員がNIE実践に取り組み、同日以外も新聞を活用した事例を校内発表する。
2023年07月27日(木)付 朝刊
本年度から新聞を学校教育に活用するNIEの実践指定校となった静岡市清水区由比の由比小は26日、教員研修会に静岡新聞NIEコーディネーターの矢沢和宏さんを招いて新聞講座を開いた。同校の教員14人が児童の夏休み期間を活用し、よりよい授業を行えるようにと机に向かって学習に取り組んだ。
新聞紙を手に新聞の特性を学ぶ教員ら=静岡市清水区由比の由比小
講座ではまず何度でも読み返せる再読性や一目で内容が分かる見出しによる伝達性など、児童が学ぶ際に重視すべき特徴から紹介した。新聞紙面から拾った見出しでしりとりをしてみたり、自分で記事にオリジナルの見出しを付けてみたりと、子ども向けの新聞講座でも行われる新聞学習を実践し、新聞の特性や利便性について理解を深めた。そのほか、児童に新聞を利用してもらう際におすすめのページや国語や社会、理科などさまざまな教科に応用できる活用法も解説した。
矢沢さんは講義に際し「実践指定校に選ばれたからといって肩肘を張らず、使えるなと思った時、使いたいと感じた時に新聞を授業に活用してみてほしい」と呼びかけた。
2023年07月08日(土)付 朝刊
日本新聞協会は7日、学校の授業など教育現場で新聞を活用する「NIE(教育に新聞を)」の2023年度実践校530校を発表した。
内訳は、小学校219校、中学校168校、高校105校、小中連携9校、中高連携19校、特別支援学校10校。実践期間は原則2年間で、23年度からの新規校は206校、継続校は324校となる。協会と各新聞社が購読料を補助する。県内の実践校は14校。新規校は静岡由比小、浜松初生小、熱海泉小、袋井南小、静岡サレジオ中、浜松開誠館中・高、磐田北高、浜名高。
協会とは別に11道県のNIE推進協議会が小中高など47校を独自に認定した。
今年のNIE全国大会は8月3、4日に松山市で開かれる。
2023年06月19日(月)付 朝刊
県内の高校の新聞部に所属する1年生など85人を対象にした新聞講座が18日、富士市の富士高で開かれた。静岡新聞NIEコーディネーター矢沢和宏さんが紙面の作り方などを生徒に伝えた。
新聞紙面の作り方を紹介した講座=富士市の富士高
矢沢さんは、同じニュースの報じ方を新聞社別に比較し、見出しやレイアウトが読者に与える影響について紹介した。「伝えたいことを読み手に強調するつくりにしよう」と説いた。他のメディアと比べた際の新聞の利点についても解説した。さまざまな情報を一度に見られる一覧性を挙げ、「関心の無い分野に目を向けることで、新しい自分を見つけるきっかけになる」と伝えた。
参加した沼津東高の滝元慧さんは「教わったことを現在制作中の校内新聞に生かしたい」と意気込んだ。
県高文連新聞専門部が年に一度、各校の新入部員を集めて開く大会の一環で企画した。
2023年06月18日(日)付 朝刊
焼津市石津港町の港小で15日、元中学校長の矢沢和宏さん(静岡新聞NIEコーディネーター)を講師に招いた授業が行われた。4年生の児童が、15日付本紙などを活用しながら、SDGs(持続可能な開発目標)について学んだ。
SDGs関連の記事を探し出す児童=焼津市石津港町の港小
児童はそれぞれに配られた紙面や11日付「週刊YOMOっと静岡」から、10分間かけてSDGs関連の記事を探し出すことに挑戦した。見出しから「二酸化炭素(CO2)削減」「ジェンダー」「福祉」といったキーワードを拾い上げていった。「アフリカで食糧不足の現状を知った」など関連記事を選んだ理由や読んだ感想について述べた。海洋漂着ごみについての記事を題材にした新聞ワークシートにも挑戦した。
SDGsについて日ごろから学習しているという児童たちに、矢沢さんは自ら厳選したSDGs関連の本紙記事を紹介しながら、「関連する記事が載っていない日はない」と新聞の活用を呼びかけた。「読者のひろば」のコーナーに、関連投稿の掲載頻度が高いことも紹介した。
2023年05月27日(土)付 朝刊
2023年05月25日(木)付 朝刊
2023年02月01日(水)付 朝刊
御前崎市立浜岡北小(同市下朝比奈)で31日、新聞ワークシート活用講座「言葉の力」が開かれ、6年生が前向きな言葉を日常的に使う大切さを学んだ。
元中学校長で静岡新聞NIEコーディネーターの矢沢和宏さんが講師を務めた。矢沢さんは「言葉は自分の分身。使う言葉は自分の行動を決める」と訴え、「ありがとう」「大丈夫」といった"プラス言葉"を使うことで友達を思いやったり、自らを元気づけたりできると説いた。児童は実際の新聞記事を題材に、前向きな言葉を使って見出しを付けるワークシートにも取り組んだ。
矢沢さん(右)の問い掛けに考え込む児童ら=御前崎市下朝比奈の浜岡北小(写真の一部を加工しています)
増田徠多(らいた)君(12)は「マイナスな言葉を使うと倍になって自分に返ってくると聞いた。サッカーやキックボクシングの練習で諦めそうなときは『絶対できる』と自分に言い聞かせたい」と話した。
(御前崎支局・木村祐太)
2022年12月13日(火)付 朝刊
日本新聞協会は12日、家族や友人と新聞記事を読んだ感想や意見を募る第13回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の入賞者を発表した。奨励賞に沼津市立沼津高の宮崎隼乙さん(1年)と平野小雪さん(同)の2人、学校奨励賞には同校と浜松学芸中、静岡城北高の3校が選ばれた。
宮崎さんは裾野市が市立中5校の制服を来年度から統一するとした記事に注目し、母親や姉とメリットやデメリットを話し合った。「制服の統一が県内、全国に広がれば、転校時に家庭の費用負担が軽減され、再利用にもつながる。地域の問題や課題に関心を持ち、自分ができることを考えたい」と語った。
平野さんはニュージーランドで子どもが生涯たばこを吸えなくするための法改正案が国会に提出された記事を取り上げた。「喫煙を始めないようにしつつ、喫煙者を圧迫せず規制できて画期的。たばこを吸わない環境づくりが重要だと思った」としている。
沼津市立沼津高(同市)は授業で生徒同士が意見を交わす機会を多く導入し、学びを高める指導を進める。原崎貴教諭は「限りあるスペースで簡潔に書かれる新聞記事を読み、文章力や語彙(ごい)力を養うきっかけになっている」と述べた。
静岡城北高(静岡市葵区)は地学の授業で生徒が記事を選び、感想文を書いた。気象や火山、環境問題など幅広いニュースが注目を集めた。吉川契子教諭は「生徒の視点がユニークだった。地学の学びが社会に結び付いていると実感できたのでは」と振り返る。
浜松学芸中(浜松市中区)は気になる新聞記事を取り上げ、家族や友人から感想を聞いて自分と違う視点を探し、夏休みの課題としてまとめた。大場裕幸教諭は「多様な意見に触れ、表現力などのステップアップができれば」と話した。
コンクールには国内外から5万6998点が寄せられ、小中高の各部門で最優秀賞、優秀賞、奨励賞を選出。団体応募は475校あり、優秀学校賞、学校奨励賞を選んだ。
2022年10月29日(土)付 朝刊
NIE(教育に新聞を)実践指定校の静岡大成中(静岡市葵区)で28日、新聞記事を教材にタブレット端末を使った授業が公開された。県内の小中学校の教員ら約30人が参観し、教育現場での新聞の活用法について理解を深めた。
新聞記事に対する意見を英語でまとめた生徒=28日午後、静岡市葵区の静岡大成中
吉永光希教諭(48)は3年生約20人に対して、世界のニュースを紹介する英字新聞を活用した英語の授業を展開した。ペアになった生徒らはタブレット端末で「エリザベス女王国葬」「ロシアがウクライナ侵攻」などの記事を熟読。英語で関係代名詞を使うことを意識しながら意見をまとめた。
生徒は今後、学習ゲームアプリを使い、記事に関するクイズを英語で作成する。吉永教諭は「楽しみながら新聞を読み、長文を速く読み解く力を身に付けさせたい」と話した。
新聞の天気図と観測データを使った理科の授業も公開された。
2022年10月28日(金)付 朝刊
焼津市石津港町の港小で27日、元中学校長の矢沢和宏さん(静岡新聞NIEコーディネーター)を講師に招いた授業が行われた。4年生の児童約100人が、本紙27日付朝刊を活用しながら、SDGs(持続可能な開発目標)について学んだ。
朝刊からSDGs関連記事を探し出す児童たち=焼津市石津港町の港小
児童はそれぞれに配られた本紙朝刊からSDGs関連の記事を探し出すことに挑戦した。与えられた時間内に見出しや記事の文章から「再利用」「二酸化炭素(CO2)」といった関連しそうなキーワードを拾い上げていった。
矢沢さんは杉の木で作ったストローや古新聞を活用したエコバッグなどSDGs関連の取り組みを取り上げた本紙記事を紹介しながら「まず身近なところから始めてほしい」と呼びかけた。
児童は海岸の漂着ごみについての記事を題材にしたワークシートにも挑戦。見出しを付けたり、記事に出てくる言葉の意味を調べたりして、内容を理解した。
2022年10月27日(木)付 朝刊
牧之原市の菅山小で26日、言葉の大切さを学ぶ授業が行われた。元中学校長の矢沢和宏さん(静岡新聞NIEコーディネーター)が新聞記事を参考に友人との関係性を深めるコミュニケーション法を6年生25人に伝えた。
言葉の大切さを児童に伝える矢沢さん(左)=牧之原市の菅山小
矢沢さんは人との関わり合いの中で言葉の持つ力の重要性を力説し、誰もが前向きになれる言葉「プラス言葉」を積極的に使っていくことを呼びかけた。短い言葉で効果的に気持ちを伝える力を養ってもらおうと、新聞記事の見出しを付ける練習なども行った。
西川類菜さん(12)は「少し言い方を変えるだけでも、相手への伝わり方に違いが生まれるのだと知った」と話した。(榛原支局・足立健太郎)
2022年09月07日(水)付 朝刊
静岡市駿河区の西豊田小で6日、静岡新聞NIEコーディネーター矢沢和宏さんの新聞読み方講座が開かれた。5年生約140人が当日の本紙朝刊を開きながら、新聞の特徴や効率的な読み方について学んだ。
新聞の読み方を学ぶ児童=静岡市駿河区の西豊田小
矢沢さんは見出しや写真からニュースの内容を一目で読み取ることができると紹介した。「興味を広げるために、まずは新聞を眺めてみてほしい」と新聞の読み方のこつを伝えた。
児童は「大きなニュースが急に起きた時、どうするのですか」などと質問を投げかけた。ワークシートで見出しを付ける作業にも取り組んだ。
今後は学んだことを生かし、情報通信技術(ICT)を活用した新聞作りに挑戦する。鈴木愛美さん(10)は「見出しだけで内容が分かるように、力を入れて新聞を作りたい」と話した。
(社会部・島田莉菜)
2022年09月01日(木)付 朝刊
御前崎市立浜岡中(同市池新田)は31日、「新聞ワークシート活用講座」を同校で開いた。3年生約180人が読解力や思考力をつけるための新聞の読み方や、記事を題材に問題が設定されているワークシートの活用法を学んだ。
元中学校長で静岡新聞NIEコーディネーターの矢沢和宏さん(63)を講師に迎えた。矢沢さんは新聞記事の特徴として、冒頭に要点が書かれている「逆三角形」の構成を紹介。見出しと冒頭部分を読むだけで大まかな内容を把握できると説明した。文章を基に見出しを考えるワークシートなども紹介した。
殿岡弘一郎さん(14)は「新聞を読むことが国語の文章問題を解くことにつながると思った。普段はスポーツ欄を読んでいるが、他のページも読んでみたい」と話した。
(御前崎支局・木村祐太)
矢沢さん(左)の講話に聞き入る生徒たち=御前崎市池新田の浜岡中
2022年07月09日(土)付 朝刊
日本新聞協会は8日、学校の授業など教育現場で新聞を活用する「NIE(教育に新聞を)」の2022年度実践校534校を発表した。内訳は、小学校212校、中学校179校、高校108校、小中連携6校、中高連携19校、特別支援学校9校、高専1校。実践期間は原則2年間で、22年度からの新規校は239校、継続校は295校となる。協会と各新聞社が購読料を補助する。県内の実践校は14校。新規校は伊豆土肥小中一貫校、富士見中、静岡清水飯田中、藤枝広幡中、浜松春野中、静岡北特別支援学校南の丘分校。
協会とは別に、13県のNIE推進協議会が小中高校など56校を独自に認定した。
今年のNIE全国大会は8月4、5日に宮崎市で開かれる。