静岡県NIE推進協議会

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=読まれる新聞作り議論 各紙比較や記者の講座参考-静岡井宮小・公開授業

2017年12月02日(土)付 朝刊


 NIE実践指定校の静岡市立井宮小(同市葵区)でこのほど、新聞記事を活用した公開授業が行われた。5年生36人が取り組むのは、興味のある問題をテーマにした新聞制作。記事の内容を分かりやすく伝える見出しの付け方などを熱心に議論した。
 

 新聞制作を通じ、自分と社会とのつながりを実感したり、コミュニケーション力を向上させたりすることが狙い。児童は、授業を受けたり新聞を読んだりすることを通して、交通事故や地球温暖化、犬や猫の殺処分など関心を持ったテーマを絞り込み、テーマごと3、4人のグループに分かれて、最終的に地域の人に読んでもらう新聞作りを進めている。今回の授業では、テーマについてそれぞれ課題や意見を400字以内にまとめ、その見出しを考えた。
 西田亮子教諭は授業の前半、上野動物園のジャイアントパンダの子ども「シャンシャン」について書かれた複数紙の記事を紹介。各紙の見出しの違いを示し、記事をより読みたいと思わせる言葉の選び方を考えさせた。同校で9月に開かれた本紙記者による出前講座の内容も振り返り、「見出しは短い言葉で分かりやすく」「文章の第一段落に大事な内容が含まれている」と学んだポイントを確認すると、児童は盛んにうなずいた。
 後半は、各自の原稿を持ち寄り、グループごとに「編成会議」を開いた。互いの原稿を読み合い、「これは分かりにくいかな」「この言葉の方が伝わると思う」など、適切な見出しについて話し合いは盛り上がった。
 次回以降はグループ内で記事を組み合わせ、ニュース価値を踏まえたレイアウトを検討し紙面を仕上げるという。
 児童の議論を見守った西田教諭は「新聞を題材にすると、子どもたちは楽しそうに夢中になって学ぶ。相手に分かりやすく情報や意見を伝えるという今回の趣旨も理解できていたと思う」と感想を話した。清水一磨校長は「出前講座で実際の記者の話を聞いたことで、子どもにいろいろな『はてな』が生まれた。教科書以外の経験も大切」と語った。

 

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適切な見出しの付け方を話し合う児童ら

 

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各紙の見出しの違いを紹介する西田亮子教諭(右)=静岡市葵区の市立井宮小

 

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 ■紙面授業=数学-新しい世界 挑戦を 浜松学芸中・高 松島義徳先生
 11月3日に文化勲章の親授式が行われ、光化学研究の東京理科大学長、藤嶋昭さんが受章されました。これに先立ち静岡新聞に掲載された記事の中で、藤嶋さんは「新しい原理の発見からしか(応用の)新しい芽は出てこない」と、基礎研究の重要性を主張しておられました。
 「新しい原理の発見」。これは決して簡単なことではありません。でも、未来を担う中高生の皆さんには、ぜひ将来チャレンジしてほしいと思います。なぜって、楽しいからですよ。固い常識の殻を破って新しい世界をのぞき見た瞬間の快感、これは何物にも代えがたいものです。ちょっと試してみましょうか。
 「0と1しか存在しない数の世界」というものをつくってみましょう。これは、普段何げなく使っている数の計算規則に「1+1=0」という新しい決まりを加えるだけで、簡単にできてしまうものです。まずは、足し算から。0+0=0、0+1=1、1+0=1、そして「1+1=0」。少なくとも、足し算については0と1だけで数の世界が完結できています。
 次に、1や0同士の掛け算や割り算ですが、(÷0は通常通り除外するとして)これはもともと答えが0か1にしかなりませんから、この時点で、数の世界が足し算と掛け算、割り算について0と1だけで完結していることが分かります。
 最後に、引き算について。1―1=0、1―0=1、0―0=0。ここまでは問題ないでしょう。では、0―1はどうなると思いますか? ポイントは、「1+1=0」であることです。言い換えれば「0=1+1」ですから、0―1=(1+1)―1=1となります。これで、0と1以外の数をいっさい用いることなく、足し算、引き算、掛け算、割り算を全て完結させることができました。「1+1=0」という新しい決まり事だけでできる「0と1しか存在しない数の世界」の完成です。
 見たことのない新しい世界に出合う楽しさ。一人でも多くの中高生がその楽しさに目覚め、将来「新しい原理の発見」に挑戦してくれることを期待しています。

 ※県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。
 

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 ■NIEアドバイザーのワンポイント講座(9)=知るために考える
 新聞スクラップはNIEを進めていく上での基盤となる部分になりますが、「考える」ことの素地を作る場でもあります。
 哲学者・池田晶子氏は著書「知ることより考えること」の中で、「考えるとは、本当のことを知るために考えるという以外ではあり得ない。しかし、きょうび『知る』とは、外的情報を(できるだけたくさん)取得することだとしか思われていない。取得するばかりで、誰も自ら考えていない」と現在の情報化社会に警鐘を鳴らしています。
 新聞スクラップはまさしく「知るために考える」活動であり、主体性を育む手段なのです。自分自身が新聞と対話し、どの記事を選ぶかということが課題設定のスタートとなるでしょう。そして、答え探しのために試行錯誤する過程の繰り返しが、「考える」という行為につながるのです。
 11月に本校で行ったNIE公開授業の5年生も、日々の新聞スクラップから自ら課題を見いだし、友達と交流する中でさらに深い学びにしていきました。
 皆さんもぜひ新聞スクラップに挑戦してみてください。
 (静岡井宮小・中村都)

松下さん(中央特別支援学校高等部3)優秀賞 県内3人と1校入賞-新聞記事感想コンクール

2017年11月24日(金)付 朝刊


 日本新聞協会は23日、第8回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の入賞者を発表した。県内からは優秀賞に松下星矢さん(県立中央特別支援学校高等部3年)、奨励賞に鈴木冴香さん(同)、山北裕介さん(静岡聖光学院高2年)、学校奨励賞に静岡市立城山中が選ばれた。
 全国の小中高生が家族や友人と記事を読み、感想や意見を寄せた。47都道府県から4万7699点の応募があり、小中高各部門ごとに最優秀賞1点、優秀賞10点、奨励賞120点などを選定した。団体応募386校からは優秀学校賞15校、学校奨励賞143校を決めた。
 松下さんは静岡新聞に掲載された「障害者の教育を受ける権利」に関する記事を題材に選んだ。生まれつき脳性まひがある松下さんは記事を読み、「自分と同じように普通学校で学びたい障害者がいることを知った。障害の有無にかかわらず、本人が行きたいと思った学校へ行けることが大切」と意見を記した。

見出しの付け方を議論-静岡・井宮小で公開授業

2017年11月23日(木)付 朝刊


 NIE実践指定校の静岡市立井宮小(同市葵区)で22日、新聞記事を活用した公開授業が行われた。5年生36人が興味のある問題をテーマにした新聞の制作に向け、読者に内容を分かりやすく伝える見出しの付け方などを議論した。
 西田亮子教諭はジャイアントパンダの子ども「シャンシャン」について書かれた複数の記事を示し、各紙の見出しの違いを紹介。「どのような見出しだと記事を読もうと思うか」と児童に質問した。児童からは「気を引くような言葉を入れる」「短い言葉で分かりやすく」「見出しだけで記事の内容が想像できるように」などの意見が上がった。
 児童は交通事故や地球温暖化、犬や猫の殺処分などそれぞれ関心のあるテーマで書いた記事に見出しを付けるため、グループを作り「編成会議」を開いた。100~400字にまとめた互いの記事を読み合い、見出しを検討した。西田教諭は「記事内容のキーワードを組み合わせてもいい」と助言し、議論を見守った。

 

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適切な見出しの付け方を話し合う児童ら=22日午後、静岡市葵区の市立井宮小

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=主体性育む「新聞タイム」 手話で議論、互いに理解-静岡聴覚特別支援学校(静岡市駿河区) 

2017年11月04日(土)付 朝刊


 2017年度からNIE実践指定校に選ばれた静岡聴覚特別支援学校(静岡市駿河区)。耳の聞こえにくい生徒らが、視覚で情報を得られる新聞を活用して主体的に社会を知ろうと、取り組みを始めた。中学部の「新聞タイム」を訪ねた。

 

 同校中学部の1年から3年までの生徒が共有スペースに設置されたNIEコーナーから好みの新聞を選び、各紙の回し読みを始めた。9月から始めた「新聞タイム」は週2回、朝8時15分からの15分間を設定している。
 「見て。ドライブレコーダーの広告が大きい」と1人の生徒が声を上げると、池谷尚美教諭(51)は「なんでこんなに大きいと思う」と問題を投げ掛けた。生徒が「急に子どもが飛び出すと危ないから」「事故が多いから」と発言したり手話で示したりすると、池谷教諭は「あおり運転って聞いたことあるかな」と続け、6月に神奈川県の東名高速道で起こった追突死亡事故のニュースを解説した。
 本紙の県製茶指導取締条例に関する連載に関心を持った生徒がいると、山根渉教諭(28)が条例を簡潔に説明し、生徒は笑顔でうなずいた。
 耳から入る情報が限られると、情報を得ることに受け身の姿勢になりやすい傾向がある中、「テレビニュースで字幕を追うのは大変だけど、新聞は自分のペースで読めることが魅力」と3年の杉山実沙さん(15)。新聞を手に取る機会が増え、小さなニュースも知るようになった。1年の山野海斗君(12)は「言葉を知る機会になるし、分からないことは先生に教えてもらえる」と楽しそうにめくる。
 社会の動きにより関心を持てるように、新聞タイム以外にも、授業前の朝の会では毎日、当番の生徒や教諭が気になったニュースを紹介し合う。いつ、どこで、誰がなどニュースの要素を記したボードを見せながら説明や質問をして、お互いに理解を深める。一部の生徒には新聞記事をスクラップする宿題も課している。要約や感想をまとめるだけでなく、分からない言葉を抜き出して、語彙[ごい]力の向上や理解につなげるのが目的だ。
 山根教諭は、これまで主体的に情報を求める姿勢が薄かったことで語彙も増えにくかったと指摘。「生徒が記事の要素を整理できるようになってきた。社会の一般常識を知ることで、学習上の理解も高まるはず。新聞活用は主体性を磨く訓練になる」と手応えを感じている。一方、池谷教諭は、目から入ってきた一部の情報が全てになってしまう難しさにも触れ、「各紙を読み比べることで情報の取捨選択ができるようになっていけたら」と今後に期待し、「生徒に言葉の種まきをしたい」と意欲をみせた。

 

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新聞タイムで各紙を読み比べる生徒=10月31日、静岡市駿河区の静岡聴覚特別支援学校

 

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朝の会でニュ―スを紹介する生徒=31日午前、静岡市駿河区の静岡聴覚特別支援学校

 

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 ■紙面授業=社会-「食品ロス」やめよう 浜松開誠館中・高 杉山光輝先生
 読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋...秋を形容する言葉はさまざまあります。「味覚の秋」もその一つ。秋は食欲をそそられる季節なのです。温暖な気候の静岡県は、一年を通して多くの農産物が生産されています。
 5月30日に2016年度版「食育白書」が公表され、新聞紙面でも大きく取り上げられました。その中で「食品ロス」(食べられる食品が廃棄されること)の実態と原因が報告され、食べないまま捨ててしまうことが「ある」と答えた人は33・1%でした。
 捨てた原因として最も多く挙げられたのが、「消費・賞味期限内に食べられなかった」で70・5%でした。
 日本では年間約1700万トンの食品が廃棄されており、そのうち食品ロスは年間約500万~800万トン。食品ロスの半分以上は家庭から出ており、1人当たりにすると年間約140キロになります。
 また、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されてから4年になります。海外でも和食は健康に良いとされ、日本食レストランが増えています。食事の仕方はその国の歴史や伝統によって異なりますが、日本では食材をできる限り最後まで使い切ることを大切にし、用意された食事は残さず食べることを良しとしてきました。
 世界で和食が注目される中、「もったいない」精神を大切な文化として継承してきた日本で、大量の「食品ロス」が出ることはとても残念なことであり、恥ずかしくも思います。
 11月23日は勤労感謝の日。「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日とされていますが、戦前までは「新嘗祭[にいなめさい]」と呼ばれる祭日で、農作物の収穫を神に感謝する大切な日でした。
 農家にとって新米が十分に収穫できるかどうかは死活問題でしたので、秋の収穫に感謝する風習はとても重要な意味を持っていました。
 実り豊かな秋、今年の勤労感謝の日は、食事ができることのありがたさや自分の食生活を改めて考えてみてもよいのではないでしょうか。

 ※県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

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 ■NIEアドバイザーのワンポイント講座(8)=新入試へ対応力を磨く
 筆者が担任する高校1年生は、センターテスト最終世代。浪人すると、記述式の導入など受験環境が激変する年代である。大学側も改革の流れを見据え、教科知識の深度以外の評価を模索し始めた。
 対応策として、記事の比較検証が最も有効と前回断言した。今回は、東京大学と京都大学を例にとり、二つの大学が求める能力を醸成するためのNIE活用法を紹介する。
 まず、両校とも「積極性」を重視とうたう。これは生徒が自ら新聞記事を比較しての論文執筆や、教員に添削を依頼する意欲の喚起で育成できる。
 次に「多様」と「俯瞰[ふかん]」。言わずもがな、NIEの最も得意とする分野だ。ひと目で紙面全体を把握するリテラシーは、視覚情報を不断に、マクロな視点から入手する努力により伸長されるのだ。
 3番目に、「コミュニケーション」能力。「表現」とも称されるが、つまりは発信・受容・共感・創造・深化による協働を意味すると考えてよい。
 以上のような能力を獲得するためにNIEに取り組む、という到達基準目標を生徒に示すこと。さすれば、NIEの効果絶大であること間違いなし。
 (静岡高・実石克巳)

11月22日、NIE公開授業 静岡・井宮小 参観者募集

2017年10月25日(水)付 朝刊


 県NIE推進協議会は11月22日午後1時55分から、静岡市葵区平和の市立井宮小で新聞活用の公開授業を行う。同校の西田亮子教諭が「井宮MKY(もっと環境豊かに)プロジェクト~よりよいくらしのために、自分たちのまわりの環境について考え、家や地域に発信しよう」をテーマに、5年生「国語と社会と総合的な学習の時間」の授業を披露する。授業後に意見交換会も開く。
 同校は日本新聞協会NIE実践校指定2年目。11月のNIE月間行事として行う。
 参観希望者は11月15日までに、県NIE推進協議会事務局<電054(284)9152>に申し込む。

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=新聞活用 学年ごと工夫 語彙、読解力 向上狙う-森小の取り組み

2017年10月07日(土)付 朝刊


 NIE実践指定校2年目の森町立森小では、学年ごとに趣向を凝らした新聞活用の取り組みが行われている。6年生を中心に同校の実践を紹介する。
 

 「日本と関わりある国の新聞記事や見出しを探して調べてみよう」。教室に、担任で同校NIE担当の兼子万紀郎教諭(32)の声が響いた。6年生は2017年度、総合的な学習の中で興味を持った国を調べ、文化などを学んでいる。
 児童は1人ずつ新聞を手にし、紙面から外国に関する情報を探し始めた。「沼津に住んでいるタイの女の人が囲碁のアマチュア6段になったんだって」「掛川でやった高校生のアーチェリーの全国大会に韓国の人たちも出場したみたいだよ」。本紙の記事中に国名を発見すると、互いに教え合って感想を発表した。
 「北朝鮮やアメリカのトランプ大統領のニュースが多い気がする」。ある児童の意見に、周囲もうなずいた。「新聞を見るといろんなことを知ることができる」と神田絢音さん。朝も自宅で新聞に時々目を通す。外国のニュースはもちろん、地元森町の話題も楽しみだ。
 兼子教諭がこの日の授業で新聞を使った理由に、国際や経済、地域欄など分野ごとに情報が整理されている点を挙げた。子どもたちが興味のある分野から読み始めるように促したいとの狙いもある。
 6年生では授業以外にも、担任の裁量で自由に使える昼休み直後の15分間の「スタディータイム」に、新聞記事や図表を8分間で読み解き、設問に回答する実践も。また、自宅では関心のある記事を探して要約し、独自の見出しづくりにも挑み、教室の壁に成果のプリントを張り出している。
 同様の取り組みは全校に広がる。16年度の3年生は総合学習で調査結果をまとめる際に新聞のレイアウトを参考にし、6年生は気になるニュースを毎朝当番が紹介、他の学年でも授業で新聞を取り入れた。本年度は5年生が図工で新聞紙面の写真を題材に絵画制作に挑戦するなどしている。
 これらの取り組みの背景には、児童の語彙[ごい]力や読解力の向上につなげる狙いがある。
 「日常の授業では児童が長い文章に慣れる機会が少ない」と兼子教諭。全国学力テストにおいても「そもそも問題で何が聞かれているか分からず、長文を目にしただけで抵抗を感じる子もいる」として、日常的に新聞を目にする有用性を強調し、分からない言葉があれば積極的に辞書で調べるよう呼び掛ける。
 児童には新聞を通じて知識を増やしながら興味の幅を広げてほしいと願っている。「自分たちの暮らすまちでどのようなことが起きているかも知ってほしい。新聞をどう使えば効果的なのか、私も考えていきたい」と兼子教諭は話した。
 

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本紙から外国に関する記事や見出しを探す6年生=森町立森小(写真の一部を加工しています)

 

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6年生の教室には興味を持った記事を児童が要約したプリントが並んでいる

 

 ■紙面授業=英語・家庭-モンゴルの食体験 城南静岡高・中 松下真弓先生
 歴史上、地続きで一番大きな国を造ったのはどこか分かりますか。モンゴルです。馬に乗って世界を席巻し、世界最強の帝国を造りました。紀元前から草原遊牧国家が建設され、人々は環境に適応した生活をしてきました。
 モンゴルの民の生活は馬と家畜に支えられ、それらの動物を育むのは大地の牧草であることから、モンゴル遊牧民は大地を尊重し、家を建てる時は地面に柱を刺さない、畑を耕さない、墓碑を立てる文化もないそうです。
 そのモンゴルをこの8月、川勝平太知事が訪れるのに合わせた訪問団に、私も私学教職員海外交流派遣事業の一員として参加しました。知事とモンゴル大統領との会談の内容などは新聞でも報じられましたが、ここでは「食」に絞ってモンゴルの様子を報告したいと思います。
 モンゴルの食の柱は、肉(赤い食)と乳製品(白い食)です。主食は19世紀末移住した中国人が自分用に栽培した小麦から作られた小麦粉です。
 「赤い食」は零下30度にもなるという冬の食で、私がモンゴルを訪れた8月は「白い食」が中心となります。モンゴル人は遺伝的に生乳を飲むとおなかをこわす「乳糖不耐性」ですから、生乳は飲まず加工されるのが特徴です。遊牧民のゲルを訪問した時に、朝搾りたての牛乳をまきストーブで沸かして、目の前でチーズを作って食べさせていただきました。
 また、夏の時期限定で作られる馬乳酒も頂戴しました。酒と言うもののアルコール度数は1~3%程度で、水分、エネルギー、ビタミンC補給源として赤ちゃんからお年寄りまで飲用され、ヨーグルトに近い乳飲料として1日0・5~3リットルくらい摂取しているそうです。結核やウイルス性肺炎、胃炎、胃潰瘍、さらには糖尿病や高血圧といった生活習慣病に対しても効果があるとされています。腸内環境の改善、老廃物の排せつといった効果もあり、私は馬乳酒を飲んでから約1週間、デトックス効果のためかほとんど飲食ができませんでした。農耕民族の日本人には、刺激が強すぎたのかもしれませんね。

 ※県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

 ■NIEアドバイザーのワンポイント講座(7)=ニュース発表 記事探しのこつ
 日々の社会の動きに興味を持たせ、自分が見つけたニュースを紹介することで情報活用の実践力を身に付けさせようと、多くの先生方が「ニュースの発表」に取り組んでいます。ぜひ気を付けて欲しいのが、次の2点です。
 1点目は、その日のニュースにこだわらないこと。先生方が、その日の新聞記事を授業に使おうとしても難しいと思います。「順番だから」と指名された子どもが戸惑うのも当然です。記事を探すのに数日余裕を持たせることで、「このニュースを皆に伝えたい」と意欲を高めることができます。
 2点目は、記事の一部の発表でも認めること。大きなニュースになると記事の量も膨大です。起承転結の文章表記に慣れた子どもは大切なことは最後だと信じ、文末に書かれているはずのまとめを探しがちです。新聞は、一番大切なことはリード文や第1段落に書かれています。見出しや写真、リード文などの紹介だけでも価値があることを教えましょう。
 1年を担任した時、切り抜き写真に一言添える取り組みをしたところ、子どもたちに好評で、成果も上がりました。
 (浜松与進北小・山崎章成)

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=名古屋・NIE全国大会 新聞から 広がる世界

2017年09月02日(土)付 朝刊


 名古屋市で8月3、4の両日、「第22回NIE全国大会」(日本新聞協会主催)が開かれた。「新聞を開く 世界をひらく」をスローガンに、教材としての新聞の活用に関する発表や意見交換を展開した。初日には2014年にノーベル物理学賞を受賞した天野浩・名古屋大教授=浜松市出身=の講演などが行われ、最終日には、県内からNIEアドバイザーの山崎章成・浜松市立与進北小教諭と、磐田市立城山中の萩田純子司書教諭がそれぞれ特別分科会に登壇し、NIEの裾野を広げる取り組みに向け意見を述べた。

 

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天野浩名古屋大教授も参加した「第22回NIE全国大会」=8月3日、名古屋市内

 

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 ■学校図書館 重要な役割 情報活用教育の中心に-萩田純子司書教諭(磐田・城山中)
 磐田市立城山中の萩田純子司書教諭は「学校図書館とNIE」に焦点を当てた特別分科会に登壇し、生徒の情報活用スキルを向上させる系統立てた指導法や、司書教諭の役割について考えを述べた。
 萩田教諭は「理想の学校図書館」として、各教科が関連し合い補い合いながら中心に図書館があるイメージを示した上で、互いの授業内容を知らない教科担任制、教科でばらばらに指導される情報活用スキルの学習-などをネックに挙げ、司書教諭が「つなぐ」ことの重要性を強調した。
 新聞について「社会で起こっている事実が載っている点で、それ自体が非常に重要な資料」と述べる一方、社説やコラムには意見が掲載されていることから「事実と主張のつながりを学習するのに適した教材」と語った。
 具体的実践として、世界遺産、AKB48、ディズニーランドの混雑度、地下鉄サリン事件-など知りたい情報の種類に応じ、図書、新聞、インターネットから最もふさわしいメディアを探る中学1年向けの授業を紹介。萩田教諭は「出来事の経過を詳しく知るには新聞」「概要を知りたいなら百科事典」など、指導内容を説明した。
 国語に関する世論調査の新聞記事を読み、自分の意見をまとめ、新聞各紙の社説や、友達が書いた意見文と比べる中学3年生向けの授業実践も紹介した。
 萩田教諭は「こうした実践は、現状では司書教諭である私が孤軍奮闘という感じ。全職員の共通理解としてできるようになったら、かなり変わってくると思う」と期待した。

 

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司書教諭の役割について語る磐田市立城山中の萩田純子司書教諭

 

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 ■販売店と連携 裾野広げて-山崎章成教諭(浜松・与進北小)
 NIEアドバイザーの山崎章成・浜松市立与進北小教諭がコーディネーターを務めた特別分科会「地域で支えるNIE-販売店との連携を考える」では、東海、関東地区の3人の新聞販売店主らが登壇し、地域や学校と協力したNIEの具体的取り組みを紹介した。
 店主の一人は、新聞を購読していない家庭が増加し学校の先生が新聞を使った宿題などを出しにくくなっている-などとNIE活動の障壁を挙げた上で、「学校と新聞社の2者によるNIEには限界があるのでは」と問題提起。別の店主は新聞記者との交流など地域に根差した活動として行っている「塾」の取り組みを挙げ、展開に期待を込めた。もう一人の店主は、オリジナルソングを使った新聞普及活動を紹介した。
 山崎教諭は「NIEを基盤として支えているのが新聞販売店だということを確認し、今後の実践に生かしてほしい」と呼び掛けた。
 

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 ■紙面授業=国語-駿遠線に願う平和 静清高 曽根正明先生
 郷土の作家、小川国夫の初期の作品に「動員時代」があります。戦時下に用宗の造船所に勤労動員された時の経験をもとに、暴力が肯定される時代と青年期の反抗的な感情を描いた短編小説で、その中に「駿遠線」が出てきます。駿遠線については今年3月、最後の駅舎跡「藤枝本町駅」の木材が万年筆やボールペンとしてよみがえった、とのニュースが新聞で報じられ、鉄道愛好家らの関心を集めたことが記憶に新しいところです。
 私は小学校まで千葉に住んでいましたが、夏休みになると親の実家のある相良まで電車を乗り継いで行きました。途中、藤枝駅を降りると、東側に静岡鉄道の新藤枝駅がありました。紺と黄色がかったクリーム色の小さな汽車。地元の人たちが「けーべん」と呼ぶ軽便鉄道。それが駿遠線でした。駅から左へ行くと「動員時代」に出てくる大手線方面。私たちが乗った小さな汽車は右の本線をゆっくりと約20キロ先の相良まで約1時間かけて進んで行きました。駿遠線は、1913年に前身の藤相鉄道の藤枝~大手間が開業し、スタート。その後、周辺鉄道との合併などにより48年には総延長64・6キロに及び、日本一長い軽便鉄道、駿遠線となりました。しかし、70年7月31日に最後に残った藤枝~大井川間が廃止となり、57年間の歴史に幕を下ろしました。
 本校では毎年8月に静岡新聞社の後援を得て、その廃線跡を訪ねる「駿遠線跡を辿ろう」という企画を催しています。私がバスの運転をし、「歴史に残す 静岡鉄道駿遠線-日本一の軽便鉄道」(静岡新聞社刊)の著者、御前崎市議の阿形昭さんにガイドをお願いして、廃線跡を巡って今年で10年となりました。当時を知る年配の方から、この企画で駿遠線を知ったという小学生まで毎年数々の出会いがあります。
 皆さんの街の近くにあった駿遠線を少しでも知っていただければと思います。また、戦後72年がたち、再び小川国夫の「動員時代」のような勤労動員がないように、平和な時代が続くことを願っています。

 ※県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

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 ■NIEアドバイザーのワンポイント講座(6)=記事から考える道徳授業
 学校の道徳授業が「考え、議論する道徳」に変わろうとしています。現実に起きている、答えが一つではない道徳的な課題に対して、子どもが自分の問題として向き合い、実践的に考え、議論し、生き方を深めていく道徳です。その際、社会の今を反映し、生きた課題を提示してくれる新聞は道徳の優れた教材として役立ちます。
 例えば、航空機に搭乗する際、車いすの男性が航空会社の人から「歩けないと乗れない」と言われ、タラップを腕だけではって上ったという記事。この記事をそのまま使って考えさせることもできますが、男性役、航空会社社員役、周囲の人の役などの役割を決めてロールプレイを行い、各立場から考えさせるのも効果的です。
 また、プロサッカー選手のなくした財布が中身もそのまま手元に戻ったという記事も使えそうです。
 他にも、新聞にはニュースだけでなく、魅力的な生き方をコンパクトにまとめたコラムもたくさん掲載されています。あまり難しく考えずに、新聞を教材にした道徳に挑戦してみませんか。
 (焼津大井川中・矢沢和宏)

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=新規実践校が意気込み 積み重ね、深い学びに

2017年08月05日(土)付 朝刊


 日本新聞協会はこのほど2017年度のNIE実践指定校を決定し、県内では県NIE推進協議会が推薦した14校に決まった。実践校には、県内で発行される7紙が一定期間無料で提供され、NIE活動に活用される。新規実践指定6校の担当教諭に活動の抱負を聞いた。

 

 【2017年度NIE実践指定校】 
 ■新規 浜松西都台小、富士宮西富士中、静岡観山中、川根本町本川根中、遠江総合高、静岡聴覚特別支援学校
 ■継続 富士宮上井出小、静岡井宮小、森小、裾野富岡中、浜松可美中、三島南高、静岡聖光学院中・高、東海大静岡翔洋小

 

 ■良い文章のお手本に-川根本町本川根中・羽入健太郎教諭
 中学生の頃、父親によく「新聞を読め」と言われていたことを思い出します。当時はインターネットも普及しており「なぜ大人は新聞を読ませるのだろう」と疑問を感じていました。その答えは自分が教壇に立ってやっと分かりました。
 国語の授業を担当する私は生徒たちの文章力に課題を感じています。文章の組み立てが破綻していて何を伝えたいのか分からない文章や、語彙[ごい]が少なく表現力に乏しい文章などを目にする中で、新聞記事(特にコラムや社説)は生徒にとって「良い文章のお手本」になると考えています。
 NIE教育を通して社会に対する見方や考え方を広げていくとともに、文章力を伸ばす取り組みも実践していきたいです。

 

 ■全職員が記事を紹介-静岡観山中・滝志保教諭
 観山中生の約3分の1の家庭は、新聞を購読していません。長い文章、難易度の高い言葉に、意欲を失う生徒が多いように感じます。
 昨年度より週1回「朝の新聞タイム」を設け、全職員交代で新聞記事を紹介し、一つの記事を全生徒で読む機会を持っています。
 職員が腐心している点は、記事の内容と難易度です。親しみやすく、分かりやすい内容で、思考を深め、新しい知識が得られる、そんな記事を取り上げようと心掛けてきました。これまで生態系、政治、情報化社会などさまざまな分野の記事が選ばれてきました。
 本校の研修テーマは「語彙[ごい]力の育成」です。新聞を楽しめる生徒を育てることで、語彙力の育成につなげていきたいと考えています。

 

 ■ひと手間掛け成長を-遠江総合高・小杉幸一教諭
 キャリア教育、生涯学習の観点から、毎週1回10分間「朝NIE」、毎日「スクラップノートリレー」を実施。1学期は3年生対象に取り組みました。2学期からは、1、2年生も実施予定です。
 「しずおか新聞感想文コンクール」には、全校生徒が参加予定。新聞を読んで記事にコメントできる力は、今日求められている能力です。国語科の協力も得て取り組みます。
 生徒も先生も多忙感から目の前のことにとらわれがちですが、NIEで、見えてくる世界が広がるに違いありません。「ひと手間掛ければ、ふた手間分育つ」「ひと手間掛ければ、ふた手間省ける」と関口修司氏(日本新聞協会NIEコーディネーター)。
 さあ今、NIEにひと手間掛ける時です。

 

 ■記事から共通点探す-富士宮西富士中・中嶋優貴教諭
 1年目の本年度は「NIE~新聞記事と自分を結ぶ~」をテーマとし、新聞記事から自分の体験や経験と比較したり共通点を見つけたりすることで自分の考えがもてるような実践に取り組んでいきます。
 本校では4年前から毎週金曜日を「新聞の日」と位置付け、朝の10分間で全校共通の記事を要約し、それに対する自分の考えを書く活動を行っています。また、新聞のコピーを校内各所に掲示したり、図書室に新聞コーナーを設けたりすることで、新聞がより身近に感じられる環境整備を行っています。
 新聞をきっかけとして自分の思いや考えを持ち、社会の動きを敏感に捉える生徒を育てるために、私たち教職員も新聞記事を生きた教材として活用させていきたいと思います。

 

 ■気軽に読める場作り-浜松西都台小・林裕一教諭
 インターネットが普及して、人々の情報を手に入れる手段が多様化している現在、子どもたちにとって新聞が遠い存在になっています。本校の児童も、新聞に目を通す習慣がある子が少なく、新聞をとっていない家庭も存在しています。
 まずは、子どもたちと新聞の距離を縮めたいと思いました。そこで、校内に新聞の立ち読み台を設置し、気軽に読める場を作りました。また、学年に応じて活用した活動を行っています。
 今後の実践を積み重ねることにより、新聞が子どもたちにとって身近な存在になるだけでなく、子どもたちが「気づく力」「調べる力」「伝える力」を成長させ、「深い学び」につながるように工夫していきたいと思います。

 

 ■情報に主体的な姿勢-静岡聴覚特別支援学校・山根渉教諭
 今回NIE実践指定校に選ばれたことで、NIE教育によって〝主体的に情報を求める姿勢〟を生徒に身に付けてほしいと願いました。耳の聴こえにくい幼児・児童・生徒には「受け身の姿勢になりやすい」という傾向があります。自ら気になったことを調べたり、情報を多角的に捉えたりすることが苦手です。それらの課題にNIEの実践によって取り組んでいきたいと思っています。
 まずは複数紙を読み比べることのできる環境を整えていただけるので、一つの記事について教室内で話し合う機会を設けることから始めようと思います。新聞という視覚情報を活用できるメディアを通して、社会を知ろうとする主体性が身に付くように尽力いたします。

 

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本年度の抱負を語る実践指定校の教諭=6月、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

 

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 ■紙面授業=国語-近づく「終戦の日」 桐陽高 小池太一先生
 かつてロンドンを訪れたとき、帝国戦争博物館というところを見学したことがあった。戦車や戦闘機が展示されているフロアを漫然と歩き回っていたが、ある展示物の前で思わず足を止めた。本物の原子爆弾だった。それは深緑色に鈍く光る鉄の構造物であったが、他のどの兵器とも違っていて、なにか異様で、不気味な感じがした。こんなものを投下された日本という国の歴史を考えた。
 今年も「終戦の日」が近づいている。2016年8月15日付「静岡新聞」朝刊の社説にはこうある。「『二度と戦争はごめんだ』。戦後日本の平和国家の歩みは、71年前に国民が抱いたこの思いが原点だろう。...筆舌に尽くしがたい惨禍の歴史を問い直し、思いを引き継ぐ。終わりがあろうはずのない取り組みが揺らいでいないか」。
 何年も新聞を読み続けている読者には、もうすっかり慣れてしまって、決まり文句のように思えるかもしれない。しかし、日本が太平洋戦争で経験した惨禍と、失敗を繰り返すまいという決意はリアルなものだ。そのリアリティーを実感するには、自分が住んでいる地域が、当時どのように太平洋戦争をくぐり抜けたのかを調べてみるとよいだろう。
 桐陽高の地元、沼津市を例にとってみると、何度も米軍の空爆を受けている。爆撃、機銃掃射、焼夷[しょうい]弾といった攻撃で、300人以上の市民が亡くなっている。特に1945年7月17日の空襲は大規模なものであり、御前崎方面から沼津上空に侵入したB29爆撃機130機が行った9千発以上の焼夷弾攻撃によって、沼津市街は焼け野原になっている。戦前から沼津に住んでいる方なら記憶しておられるだろう。
 また、海沿いの地域には特攻兵器(「人間魚雷」と言われる「回天」、モーターボート特攻の「震洋」など)の格納庫があった。桐陽高がよく体育祭をしている愛鷹山には、帝国陸軍が本土決戦を想定した陣地を構築した。JR沼津駅北側には、レーダーなどの製造を目的とした広大な海軍工廠[こうしょう]があった。
 今年の「終戦の日」、「静岡新聞」の社説は、何を伝えてくれるだろうか。

 ※県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

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 ■NIEアドバイザーのワンポイント講座(5)=習慣付ける題材選びを
 新聞を活用することで、子どもたちの学びが広がり、深まり、目標が効果的に達成される場合があります。そのために指導する側が、「新聞を活用して伝えたいこと」を明確にして指導することが大切です。
 子どもたちの実態に応じた適切な題材選びも大切です。最初から難易度の高い記事を取り扱うのではなく、新聞に慣れさせてから難易度を高めていくとよいでしょう。
 例えば写真には、多くの子どもたちが興味を示します。朝の学級活動や授業などの導入時に、その日取り上げたい新聞記事の見出しと写真を紹介して、一言添えます。「季節の写真」「行事の写真」「スポーツの写真」などは、さまざまな教科や特別活動の学習に関連づける展開が可能です。
 投書も使えます。静岡新聞の「ひろば」欄の10代の投書特集では、子どもたちに身に付けさせたいことが、同年代の子どもたちの素直な言葉で語られていることがあります。学級活動の時間に紹介すると、学校生活を考えて送るきっかけになります。
 最近は家庭でのNIEも注目されています。夏休みは取り組みのチャンスです。
 (清水西高・吉川契子)

新聞販売店 教育連携を 県内2教諭 分科会で意見-名古屋・全国大会閉幕

2017年08月05日(土)付 朝刊


 名古屋市で開かれた第22回NIE(教育に新聞を)全国大会は最終日の4日、テーマごとの分科会プログラムを行い、2日間の日程を終了した。県内からはNIEアドバイザーの山崎章成・浜松市立与進北小教諭と磐田市立城山中の萩田純子司書教諭がそれぞれ特別分科会に登壇し、NIEの裾野を広げる取り組みに向け、意見を述べた。

 新聞販売店との連携を考える分科会で、NIEに力を入れている販売店の代表者らが出前授業など学校と新聞社をつなぐ具体的な活動例を紹介した。コーディネーターを務めた山崎教諭は「学校側は全国津々浦々の新聞販売店が持っているノウハウを教育に生かしてほしい。新聞社も学校にアプローチするのは大変かもしれないが、間に入る販売店をいかに活用するかということ」と述べた。
 萩田司書教諭は「情報活用能力を育てる学校図書館活動とNIE」と題する分科会に登壇した。学校図書館を基盤に、情報収集や整理、分析を行う技術を系統的に指導する大切さを強調した。「各教科がそれぞれ補い関連し合い、中心に学校図書館がある姿」を理想とする一方で「互いの教科の授業内容を知らない教科担任制などがネック」と指摘し、仲立ちになる司書教諭の役割を重要視。出来事の経過を詳しく知ることができる新聞など複数媒体から情報収集することの意義や、授業の流れを説明した。
 閉会式で大会実行委員長の土屋武志・愛知県NIE推進協議会長(愛知教育大教授)は「多くの先生方に参加いただいた。学校現場に帰ったら、普段の授業から取り組めるアイデアを他の先生方に提案していってほしい」と呼び掛けた。

 

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コーディネーターを務めた分科会で登壇者の話に耳を傾ける浜松市立与進北小の山崎章成教諭(右)

 

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学校図書館を基盤とした情報活用スキルの系統的指導について考えを述べる磐田市立城山中の萩田純子司書教諭(左)=4日午前、名古屋市

ノーベル賞受賞「渡航中で知らず...」-天野浩教授講演

2017年08月04日(金)付 朝刊


 名古屋市で3日開幕したNIE全国大会の記念講演で、ノーベル物理学賞受賞者の天野浩名古屋大教授(56)=浜松市出身=が、2014年に同賞を受けた際の"秘話"を語った。受賞決定時に海外渡航中で自らの受賞を知らず「経由地ドイツで見た『おめでとう』というたくさんのメールの意味もよく分からないままフランスに到着し、現地で待っていた記者から受賞を知らされた」と苦笑した。
 帰国後にノーベル財団からメール連絡が来ていたことに気付き、読んでみると「電話やファクス、メールであなたに連絡しているが返事がない。このままだと賞を取り消す可能性がある」と記されていて、ひやひやしながら財団に連絡を入れて事なきを得た-との逸話で会場を和ませた。
 授賞式が行われたスウェーデンのストックホルムでの記者会見で海外記者から、現在の大学や研究所での基礎研究を取り巻く状況を聞かれたが「研究ばかりしていたので、全然分からなかった」と話し「新聞を読んでおけばよかったと思った」と当時を振り返った。

 

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ノーベル物理学賞受賞時の秘話を披露する天野浩・名古屋大教授=3日午後、名古屋市

NIE=新聞で世界ひらく 名古屋で大会開幕 「情報に触れ、自分の意見に」 児童ら交え座談会-教育実践報告

2017年08月04日(金)付 朝刊


 学校の授業など教育現場で新聞を活用する「NIE」(教育に新聞を)の実践報告をする第22回NIE全国大会が3日、名古屋市で始まった。「新聞を開く 世界をひらく」をスローガンに4日まで、教材としての新聞の活用に関する発表や意見交換を行う。

 県内からは県NIE推進協議会の安倍徹会長と、NIE実践指定校の教諭やNIEアドバイザー、新聞関係者ら約20人が参加した。
 初日は、2014年にノーベル物理学賞を受けた天野浩名古屋大教授(56)=浜松市出身=が「世界を照らすLED-未来を照らすことの大切さ」と題し記念講演を行った。
 天野教授は幼少期の新聞との関わりや、恩師である赤崎勇名古屋大特別教授との出会い、青色発光ダイオード(LED)実現までの試行錯誤などを振り返り「特別な才能がなくても、一心不乱に頑張れば人々のためにできることがある」などと語った。
 「頭の知識 体の知識」をテーマに据えた座談会では、大会実行委員長の土屋武志・愛知県NIE推進協議会長=愛知教育大教授=が進行役を務め、天野教授や女子レスリング五輪メダリストで至学館大副学長の吉田沙保里さん、愛知県内の高校生や小学生らが新聞に対して普段感じていることなどを述べ合った。土屋会長は「子供の頃からいろいろな記事や情報に触れ、自分の意見にしていくような、NIEがやっていることは、まさにこれから必要なこと」と議論を締めくくった。
 最終日の4日は、公開授業や実践発表、特別分科会などを行う。

 

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「頭の知識 体の知識」をテーマに議論を交わしたNIE全国大会の座談会=3日午後、名古屋市

「新聞を魅力的に」重要 実践校教諭ら意見交換-静岡

2017年07月23日(日)付 朝刊


 県NIE推進協議会(安倍徹会長)は22日、NIE実践校交流会を静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で開いた。日本新聞協会の指定を受けた実践校や元指定校の教諭、アドバイザー、新聞関係者ら約25人が出席し、実践例の報告や授業の進め方についての意見交換を行った。
 2017年度の新規指定校、県立静岡聴覚特別支援学校の山根渉教諭は「聴覚障害の子どもはテレビなど音声から情報を得ることが難しい」と指摘。「目から情報が得られる新聞を意欲的に読ませるためには、いかに新聞を魅力的に見せるかが課題」とした。ほかには「新聞作りもNIEの一環」「習慣づけには家庭の協力も必要」などの意見が出た。
 アドバイザーの静岡市立井宮小、中村都教諭は「授業以外にも、朝学習など隙間の時間で新聞を活用してほしい」などと呼び掛けた。

 

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各学校での新聞を使った取り組みを発表する教諭ら=22日午後、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=環境づくり 司書と連携 新学習指導要領に「新聞活用」 「教員無理しないで」-NIEコーディネーター関口さん講演

2017年07月01日(土)付 朝刊


 県NIE推進協議会総会がこのほど、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で開かれ、日本新聞協会NIEコーディネーターの関口修司さん(61)が「新学習指導要領とNIEの授業」と題して講演した。関口さんは「教育が変わりつつある今こそ、NIEが求められている。新聞の学力向上効果を明らかにするとともに、新聞が身近にある環境づくりを組織的に取り組むことが今後の課題」と強調した。

 文部科学省は2020年に施行する新学習指導要領に「新聞活用」を盛り込んだ。関口さんによると、背景には子どもの読解力低下などがある。近年はフェイクニュース(偽のニュース)などの問題が浮上し、調べ学習をはじめとした「主体的・対話的で深い学び」の重要性が高まっているという。
 関口さんは新学習指導要領に触れ、「NIEの存在意義はある」と指摘した。一方で教員の多忙化や教育に新聞を取り入れるノウハウが具体的に示されていないなどの理由で、NIE普及が進まない学校現場の現状を憂慮する。
 新聞を身近に感じさせる環境づくりを「新聞の日常化」と呼び、「NIE浸透の鍵になる」とみる。学校現場で長年、NIEを推進してきた経験から、学校での「日常化」に向けた方法として学校図書館の活用を挙げ、「司書といかに連携できるかがポイント。新聞に触れられるようコーナーを設けたり、複数の新聞を読み比べたりする環境づくりが必要」と訴えた。
 また、週に1、2回、15分の朝学習の時間を使って新聞をスクラップし、ワークシートに感想を記入する「NIEタイム」を紹介した。「教員が子どもの感想を褒めることで、初めは難しいとぼやく子どもたちが『楽しい』と口をそろえるようになる」と効用を説き、継続のこつを、すき間時間の活用などで「教員が無理しないこと」と強調した。
 NIEのさらなる浸透に向け、「学校内での取り組みにとどまらず、教育委員会やPTA、地域、家庭まで広げる必要がある」と述べた。

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新聞が身近にある環境づくりの取り組みを強調する日本新聞協会NIEコーディネーターの関口修司さん=静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

 

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 ■新聞記事の感想文募集 児童生徒対象、静岡新聞社
 静岡新聞社は、県内の小学生から高校生までを対象に、第10回記念「2017年度しずおか新聞感想文コンクール」(県教育委員会など後援)の作品を募集している。児童、生徒が新聞を通じて活字に親しみ読解力と表現力を養うとともに、地域や社会への関心を高めることが目的。
 課題は、①2017年1月1日~8月31日の新聞記事を読んでの感想②新聞について思うこと(小学生は①か②を選択、中学生と高校生は①のみ)。部門は、小学生、中学生、高校生の3部門。賞は、各部門で最優秀賞1点、優秀賞2~3点などを選び、応募者全員に参加賞を贈る。
 要項の請求と問い合わせは静岡新聞社読者部内「しずおか新聞感想文コンクール」事務局<電054(284)8984>へ。

 

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 ■紙面授業=社会-日常生活 環境に影響  不二聖心女子学院中・高 野村春美先生
 「環境問題」と聞くと自分の日常生活からは遠い世界のこと、と思ってしまいますが、毎日の買い物も「環境問題」に深く関係しています。
 信州大学が「生物多様性フットプリント」を利用して、日本の消費が世界の希少生物にどのくらい影響を与えているか分析した、との記事が2月、新聞に掲載されました。それによると、マレーシアなどでは日本での輸入木材の使用増加によりマレーグマの生息地が縮小し、エチオピアでは日本などへ輸出するコーヒー生産のための農地開発で、ヒョウやアフリカゾウの生息地が圧迫されています。
 ハウス栽培や生産地の多様化で季節を問わず野菜や果物が手に入れられるのは便利ですが、栽培で使われる石油ヒーターや照明、輸送用トラックのガソリンなどにより温室効果ガスである二酸化炭素が排出されています。この二酸化炭素によって温暖化が進み、自然環境の変化で絶滅危惧種となった生物もあります。またツバルなど太平洋の島国では、海面上昇や高波による浸水のため住民全員を別の島に移住させなければならない状況も生まれています。
 世界全体では、昨年11月に「パリ協定」が発効し、その直後モロッコで開かれた気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)で各国が温暖化対策の強化に取り組むことへ決意を示しました。
 日本も「パリ協定」を批准し、温室効果ガス削減に向けた計画を提出しています。一方、米国のトランプ政権は環境問題に懐疑的で、パリ協定から離脱すると6月に表明し、世界の温暖化対策に打撃を与えました。
 子どもたち、孫たちの世代も地球上の全ての生物と人々が安心して生きていけるよう、国際社会は今、「持続可能な社会」の形成に取り組んでいます。経済のグローバル化が進めば進むほど、買い物という私たちの小さな選択も世界のどこかに影響を与えます。商品がどこで作られ、どのように運ばれてきたかを考えながら買い物をすることで「持続可能な社会」をつくることに参加していきましょう。

 ※県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

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 ■NIEアドバイザーのワンポイント講座(4)=感性を磨くコラージュ
 小学校低学年では新聞を使った活動ができないと思っていませんか。語彙[ごい]が少ない子どもたちでも、新聞を使って色や形、質感の感性を磨くことができます。新聞の写真や広告などに注目し、切り貼りしていく新聞コラージュを紹介します。
 新聞紙面には、カラフルな写真や広告がたくさん掲載されています。そこには、「緑」と言っても色鉛筆や色紙にはないさまざまな「緑」が存在することに気付くでしょう。その中から、例えば自分の葉のイメージに合った色や形を連想して選び、葉の形に切り抜きます。質感を考えて探す子もいるでしょう。白黒の素材を選んでも構いません。形そのものを切り取って構成する従来のコラージュとは異なり、本来の写真や広告とは全くの別物に大変身させてしまう新聞コラージュは「創作している」意識で取り組めます。静岡新聞の「週刊YOMOっと静岡」の新聞アート欄でも挑戦できます。
 新聞の情報は文字だけではありません。多くの写真や広告の中から必要なものを取捨選択していくことも、メディアリテラシーと言えます。
 (静岡井宮小・中村都)

実践指定校に14校 助言制度導入も決定-県推進協総会

2017年06月18日(日)付 朝刊


 新聞を学校教材に活用するNIE(教育に新聞を)の普及に取り組む県NIE推進協議会は17日、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で総会を開いた。実践指定校を前年度より1校増枠し、特別支援学校を含む14校を選定した。
 安倍徹会長は「近年の教育現場は"開かれた"がキーワード。多様な立場からの協力を得ながらNIEを盛り上げたい」とあいさつした。
 実践指定校からの要望を受け、小中学生向け新聞と英字新聞をルールを定めて提供するほか、担当教諭にメールなどで助言する「実践指定校担当アドバイザー制度」の導入を正式決定した。総会後、日本新聞協会NIEコーディネーター関口修司さんが「新学習指導要領とNIEの授業」をテーマに講演した。

 実践指定校は次の通り。
 新規 浜松西都台小、富士宮西富士中、静岡観山中、川根本町本川根中、遠江総合高、静岡聴覚特別支援学校▽継続 富士宮上井出小、静岡井宮小、森小、裾野富岡中、浜松可美中、三島南高、静岡聖光学院中・高、東海大付属静岡翔洋小

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=新聞「読まない」38人→0人 苦手意識を克服 学ぶ力サポート-浜松・与進北小 教室常備1年半 

2017年06月03日(土)付 朝刊


 新聞を常時読める環境があれば、子どもたちは新聞を身近に感じるようになるか-。1年半の間、教室に毎日、新聞を置いた結果、新聞を全く読まない児童がいなくなり、新聞への苦手意識が克服されたというアンケート結果を、このほど浜松市立与進北小がまとめた。

 同校は、朝読書の時間や朝の会で新聞を活用する機会をつくってきた。そうした中で、新聞を自由に読める環境の有無が新聞の親しみやすさに影響するのではないか、ということにNIEアドバイザーの山崎章成同校教諭が着目。2015年9月から、5年生90人の全3教室に17年3月の卒業まで毎日、県紙や全国紙など複数の新聞を置き、昼休みや放課後などいつでも読めるようにして児童の意識の変化を追った。
 その結果、1年半で「週に3日以上読む」は5人から18人、「週に1、2日読む」は21人から32人と新聞に親しむ子が大きく増えた。また、「月に1、2日読む」は26人から40人に増えたものの、「読まない」は38人からゼロになり、ほとんど読まない子の総数が大きく減った。
 新聞を読む理由について(複数回答)は、「ニュースを知りたい」が18人から53人、「世の中のことが分かる」が14人から41人、「知らないことを知りたい」が13人から33人、「テレビ欄を見たい」が20人から38人と、新聞を情報収集ツールと理解して、社会への関心が広がり、情報アクセスに積極的になったことがうかがえる。その他にも、「一つのニュースが他のメディアより詳しく書いてあり分かりやすい」「広告で商品のことを知りたい」「地域であったことを知りたい」といった多様な声も出てきた。
 新聞があって良かったことは、「新聞を読んで文章を読む力がついた」「漢字や難しい言葉を覚えられた」「いろいろなニュースが分かった」「気になったことがすぐ読めた」「家族や友達に知らないことを教えることができた」「記事で友達と盛り上がった」など、話題探しから学力向上まで、子どもなりの〝収穫〟を実感していることが分かる。
 山崎教諭は「新聞を熱心に読む子もいれば、そうでない子もいたが、どの子もそれぞれに新聞から刺激を受けていたことは十分な成果。いつでも読める環境は、皆が読んでいるから自分も読んでみようという子のハードルを下げ、親しませるのに有益といえるだろう」とみる。
 新聞はただ置くだけでなく、教師が①最初は、新聞の読み方を教える②朝の会で記事を発表させるなど活用の場をつくる③習慣化してきたら、切り抜きなど子どものやりたいことに取り組ませる-よう指導すると、親しむ効果がより大きくなると山崎教諭は提案する。同校では現6年生にも5年次から教室に新聞を置き、本年度も継続して、子どもたちの学ぶ力のサポートに活用していく。

 

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朝読書の時間に新聞を読む児童ら=浜松市東区の与進北小

 

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グラフ=家や学校で新聞を読みますか?

 

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 ■静岡でNIE講演会-17日
 県NIE推進協議会(安倍徹会長)は17日、NIE講演会を静岡市駿河区登呂の静岡新聞放送会館で開く。2017年度総会後の午後3時からで、関口修司・日本新聞協会NIEコーディネーターが講師。演題は「新学習指導要領とNIEの授業」。講演会だけの一般聴講も受け付ける。問い合わせは同協議会<電054(284)9152>へ。
 

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 ■紙面授業=音楽-世界に私だけの楽器 キラリ高 河一球先生
 昨年末の国民的アイドルグループ「SMAP」の解散は芸能ニュースの枠を超え、一般紙の1面、社会面などでも報じられました。そのSMAPのヒット曲「世界に一つだけの花」は、個性の大切さを訴える内容でした。人は皆、親から多くの宝物を授けられ生まれてきます。髪の色や爪の形、気質や好みなど十人十色、人の声もそれぞれ生まれながらに異なります。きれいな声、きれいではない声と言いますが、私は皆、親から授かった「いい声」を持っていると考えます。
 しかし、歌おうとすると体が力んでしまい、自分の思うような声が出ないということはないでしょうか。歌う時に大切なことは、いかに息を自在に操れるかどうかです。声楽は体が楽器です。楽器である体全体に息を回すためには、余分な力を抜いて体をリラックスさせる必要があります。
 そして、無理のない深い息にそっと声を乗せるためには、その息を支える筋肉が必要となります。さまざまな筋肉に意識を注ぐだけでは筋肉が硬直してしまい、かえってしなやかに機能することができなくなってしまいます。そこで重要なことは、自分がどのような声を出したいのか、明確なイメージを持つことです。そうすれば、必要な筋肉がおのずと機能していきます。
 さらに歌の歌詞に込められた意味を理解し、その情景をイメージすることで歌の意味と世界が外へと広がっていきます。きれいな声と声量のみに意識が傾いた歌には、何の意味も感動も生まれません。無理のない息の流れと支え、歌の世界をイメージすること、これらがとても重要になります。柔らかくて温かい息に、思いが込められた自分の声を乗せることができれば、相手の耳と心に心地よく届けることができます。
 皆さんも時々、心を解放し、気持ちよく歌ってみてはいかがでしょうか。これまで隠れていた感情が、歌の歌詞やメロディーと共鳴し、心と体を浄化させていくこととなるでしょう。「世界に私だけの楽器」で、自分にしか描くことのできない歌声を、思いっきり響かせてみましょう。

 ※県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

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 ■NIEアドバイザーのワンポイント講座(3)=東大推薦合格を狙う
 現在、難関大でも推薦入試が実施され、進学手段の一つとなっている。
 要求されているのは受験科目以上の見識であり、共通するキーワードは基礎的学力に立脚した「自ら学ぶ意欲・幅の広さと奥深さ」。
 この入試方法を選択するならば、高校入学直後の早い段階から、己の求めるテーマに対し、問題意識の醸成を図っていかなければならない。その知見獲得と深化の対応策として、長期的な新聞記事の比較検証論文が最も有効と断言できる。
 具体的措置としては、新聞記事とキュレーションメディア(情報整理系のウェブサイト)の同時活用が欠かせない。第1回東大推薦入試に合格した本校卒業生は、紙媒体の新聞を毎日チェックするのはもちろん、テーマに関するニュースサイトの確認や論文検索サービスを利用することで、テーマについての知識や理解を深めていたそうだ。
 つまり、どのように新聞を読み、利用すれば進路実現に結びつくのか。その明確な具体策をわれわれ教員は生徒に向けて発信し続けなければならない、と痛感している。
 (静岡高・実石克巳)