静岡県NIE推進協議会

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=人思いやる大切さ学ぶ 掛川・桜が丘中 「コロナ差別」防ぐ道徳授業 新聞活用し意見交換

2020年08月01日(土)付


 NIE実践指定校の掛川市立桜が丘中で休校期間が明けた5月下旬、新聞を使い「コロナ差別」を防ぐ道徳授業が行われた。全校生徒が四つの新聞記事から差別が起きる理由を考え、人を思いやる大切さを学んだ。
 
 休校期間中に発熱者待機部屋を校内に設置した同校は、県内外で相次ぐ新型コロナウイルス感染症に対する差別が学校でも起こる可能性があると考え、授業を企画した。記事は長距離トラック運転手が差別を恐れる話、病院スタッフがタクシーの乗車拒否を受けた事例、感染者の家に落書きがされた被害、県外ナンバーの車に傷がつけられた事件の四つ。生徒はそのうち一つの記事を読み、感想を発表した。
 生徒からは「病院スタッフなど感謝しなくてはいけない人を傷つけるのはよくない」「人を傷つけているのはウイルスではなく人間だ」などの意見が上がった。さらに「自分が感染したくないから」「不安に思う気持ちがあるから」など差別が起こる仕組みも分析した。2年の鈴木煌也さん(13)は「感染した人はなりたくて感染者になったわけではない。差別をする人は相手を大切に思う気持ちが足りない。全ての人に感謝する気持ちを忘れないようにしたい」と意見を述べた。
 意見交換後、教員は生徒に空き教室に設置した発熱者待機部屋の写真を見せた。「クラスの仲間がこの部屋にいたらどうするか」という教員の問いに、生徒は「普段通りの態度をとる」「心配して嫌がるような発言は絶対にしない」と答えていた。
 NIE担当の石神克海教諭(27)は「生徒にはコロナに対する恐怖心があると思うが、怖さから人を差別してはならない。弱い心を乗り越え、他者を思いやって生活していくことを考えさせたかった」と授業を計画した狙いを語った。複数の記事を活用したことについては「生徒の視野が広がり、タイムリーな話題をさまざまな角度から考えることができたのでは」と手応えを感じたようだ。
 

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新聞記事を読み差別が起こる理由を考え、意見を共有する生徒=掛川市立桜が丘中
 

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空き教室に設置された発熱者待機部屋
 
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■紙面授業 化学 進化する単位の定義 磐田東中・高・外山昌介先生
 新型コロナウイルスが流行しなければ、ちょうど今ごろ、東京五輪・パラリンピックで盛り上がっていたことでしょう。何年もかけて鍛えた選手たちの100分の1秒や、1センチを競い合う熱い姿を早く見たいものです。
 さて、その時間や長さの定義が変更されたのはご存じでしょうか。世界では、国際的に統一された時間や長さ、質量などの七つの単位があります。2019年5月20日からその単位の定義が新しくなりました。例えば秒の定義は、「セシウム周波数Δν、すなわち、セシウム133原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を単位㎐(s-1に等しい)で表したときに、その数値を9192631770と定めることによって定義される」となりました。一度読んだだけでは、理解できないような内容です。以前の定義は、地球の自転や公転に基づくもので、1日の86400分の1を1秒とする、などでした。しかし、地球の運動周期も微妙に変動していることが判明し、もっと正確な1秒が必要となりました。今回の変更で1秒は、「セシウム133原子が91億9263万1770回振動するのにかかる時間」と新しくなりました。では、なぜセシウムが選ばれたのでしょうか? なぜ、9192631770回の振動なのでしょうか? 調べてみると面白いですよ。
 普段、何げなく使っている秒やメートル、キログラムといった単位は、不確かなものを排除して絶対的な基準を作り、細かな定義の上に成り立っているのです。今ではさらに研究が進み、300億年に1秒しかずれない時計がストロンチウムを使って開発されています。また定義が変更される日がくるかもしれませんね。

 県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。
 
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■NIEアドバイザーのワンポイント講座(41)記事読み 発想力育てる
 書く力の重要性は近年、とみに増している。それは入試ではもちろんのこと、「生きる力」にもつながる大事な力だ。しかし小論文指導をしていると、何を書いたらよいか分からないという生徒、そもそも課題文を読み取れない者などが続出である。
 そんな問題の解消のため、新聞記事を読ませ、感想を書かせている。新聞に載っている写真を見て、感想を書かせることもある。「感じる力」を引き出すためだ。「発想力」のウオーミングアップである。
 例えば、東日本大震災の「奇跡の一本松」の写真。あの写真を見て、「前の姿を知らない人からすれば、この一本松は希望の象徴に見えるかもしれない。でも、7万本もあった前の姿を知っている人からすれば、津波の威力を証明する以外の何物でもない」という感想があった。このように立場や視点を変えてみると違って見える。正解・不正解はないので自由に発想することから始め、自分なりに表現することの楽しさを味わってほしい。
 入試に使えるか否かを考えず、世の中のあらゆることに興味・関心を持たせたい。そのために新聞は有効なツールだ。
 (常葉大常葉中・高・塚本学)

 
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■NIE実践校 県内新規4校 本年度 日本新聞協会
 日本新聞協会はこのほど、2020年度のNIE実践指定校535校を決定した。新規指定校は227校で、県内からは県NIE推進協議会が推薦した新規4校と継続10校の計14校が認定された。
 県内の新規校は、三島南中、静岡大河内小中、掛川桜が丘中、清水特別支援学校。継続校は、2年目が伊豆の国韮山南小、吉田自彊小、浜松城北小、湖西白須賀小、小山中、浜松西高、常葉大橘中・高。3年目が西伊豆田子小、静岡清水飯田小、清水西高。
 実践期間は原則2年間で、新聞を活用してもらうため同協会と新聞社が購読料を補助する。

 

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■新聞感想文コンクール 児童・生徒の作品募集 来月、締め切り
 静岡新聞社・静岡放送は、児童・生徒を対象にした「しずおか新聞感想文コンクール」の作品を募集している。
 同コンクールは、児童・生徒が新聞を通じて活字に親しみ、読解力と表現力を養い、地域や社会への関心を高めることを目的に行われている。対象は小学4年生から高校生まで。小、中、高の3部門に分かれて審査し、上位入賞作品は新聞紙面に掲載する。応募者全員に参加賞を贈る。
 応募概要は次の通り。
 【課題】2020年1月1日~8月31日の新聞記事を読んでの感想
 【締め切り】9月7日必着
 【応募方法】応募要項を取り寄せて確認する。
 【問い合わせ・要項請求先】静岡新聞社読者部内コンクール事務局<電054(284)8984>へ。

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=実践4校 成果と課題

 教育に新聞を活用する取り組みを展開する県NIE推進協議会(安倍徹会長)はこのほど、2019年度NIE実践報告会を静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で開いた。実践指定校として2~3年間活動してきた県立静岡聴覚特別支援学校、川根本町立本川根中、富士宮市立西富士中、菊川市立菊川西中の4校の担当教諭が取り組みの成果や課題を説明した。

 

■プレゼン力の向上も 川根本町立本川根中 滝井玲緒教諭

 学年混合で新聞に触れる活動を展開した。全校生徒が20人の小規模校だからこそ、NIE活動でもそれぞれの生徒への丁寧な指導につながった。

 15分間の放課後学習で、新聞記事を紹介する取り組みを実施した。最初は苦戦した1年生も、上級生のプレゼンテーションを見て発表が上達した。コンビニ店の24時間営業問題の記事を題材にしたディベートではグループ内での話し合いが盛り上がりを見せ、生徒たちが自分の考えを固めていた。

 生徒と教員間でやりとりする「NIEノート」も作成。相手の価値観を理解する力が付いたほか、教員が生徒の考えを知ることにも役立った。複数の新聞を読み比べることで、一つのニュースへの異なる見方や微妙な言葉の違いを楽しむ姿勢が見られた。生徒には今後も、正しい情報収集や広い視野で考える力に身に付けてほしい。

 

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■多彩な情報得る力に 県立静岡聴覚特別支援学校 勝又一歩教諭 山根渉教諭

 自然に周囲の音が入ってこない聴覚障害児は、視覚で得られる情報で不足分を補うことが大切だ。一度に多彩な情報に触れられる一覧性や、何度も読み返せる確認性といった長所がある新聞は、非常に効果的な学習素材と考えられる。

 気になるニュースを子どもが選んで発表する学習では、初めて知る言葉を手話で説明する勉強につながった。サッカーワールドカップ(W杯)の記事を集めて結果を予想したり、紙面に出てきた地名を地図帳で調べたりする授業も行った。

 一方、子どもたちが手話でニュースを紹介し合う際、相手がニュースの文脈や意味を取り違えるケースも多かった。新聞を繰り返して読み、情報を正しく理解する力を養っていくべきだと実感した。実践を通し、指導する教員側がどのような効果を期待して新聞を取り入れるのか、明確に意識する重要性を感じた。

 

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■読解力の育成に効果 富士宮市立西富士中 大口拓真教諭 渡辺操教諭

 「読解力の育成」をテーマに文章の主題をつかみ、コンパクトに要約する力を養うことを目指した。テストでの無回答率が減少し、社会の動きに関心を持つ生徒が増える効果が出た。

 朝学習の時間では、教員が選んだ記事を題材に見出しづくりや語句探し、感想などを記入した。要約を行う際には、生徒たちが取り組みやすいように使用するキーワードを指定した。

 国語や社会だけでなく、数学や理科でも新聞を取り入れた。消費税に関する記事から、グラフを読み取る関数の学習に発展させた。リチウムイオン電池の研究で吉野彰さんがノーベル化学賞を受けた記事を使い、イオンを学ぶ授業で生徒の興味を引き出した。

 一方、記事と学習内容を関連付ける難しさなど課題も残った。新聞をさらに活用するための実践の必要性を感じた。

 

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■楽しめる活動を意識 菊川市立菊川西中 増田浩己教諭 丹所明日香教諭

 新聞を学習に取り入れる上で、生徒が興味を持ちやすいように"訓練のような雰囲気"を出さずにしたほか、教員も過度な負担なく楽しめる活動を意識した。教務主任をはじめとする7人の教員でNIE小委員会を組織し、このメンバーを核に展開した。廊下の掲示板に掲示する記事は、それぞれの個性や担当科目の話題があふれる内容になった。

 朝学習の時間には、記事を読んで質問に答えるワークシートを用意した。ニュースをテーマに自由な発想を求める取り組みも実践。若者を中心に人気が爆発したタピオカミルクティーに関する記事では、さらに売り上げを伸ばす方法を一人一人考えた。

 語彙(ごい)の増加やコミュニケーション能力の向上、知識の獲得という、読解力の素地になる三つの力が付いたと感じられた。

 

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■紙面授業 地歴 歴史を学ぶ意義は 誠恵高・木下佳也先生

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴うさまざまな動きは、新聞で連日大きく取り上げられ、一斉休校など教育界にも大きな影響が及びました。そうした中でフェイクニュースも横行し、トイレットペーパーの買い占めが行われました。しかし、このような騒動は今回が初めてではありません。1973年、第4次中東戦争の際の「オイルショック(石油危機)」がそうでした。日本ではこれを背景に、トイレットペーパーの買い占めが起こりました。

 ローマの歴史家クルチュウス・ルーフスの言葉に「歴史は繰り返す」がありますが、歴史の授業を展開していると、今回のようにかつての事象と同じような出来事に出合います。それは、私たちが歴史上の人物と同じ「人間」だからです。

 人の行動に影響を与える心理をまとめた「チャルディーニの法則」には、社会的証明(みんながしてるからOK)、権威(立場のある人の推薦)、希少性(残り○個)といったものがあります。今回われわれはフェイクニュースに引っ張られ、この原理に沿ってトイレットペーパーを買い占めました。この原理が「人間」にもともと備わっているものだからです。

 「歴史は繰り返す」。それは仕方のないことかもしれません。しかし、それでは歴史を学ぶ意味がありません。先人たちの「成功」は繰り返すために、「失敗」は繰り返さないために、「人間」は歴史を残し、歴史を学ぶのです。

 今回のトイレットペーパーの買い占め騒動はおおよそ終息しました。かつての「オイルショック」の失敗を学んだわれわれが冷静に対応できたからです。

 歴史は繰り返しますが、同じ結果にはなりません。なぜならば、われわれ「人間」は歴史を学んでいるからです。

 県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 
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■NIEアドバイザーのワンポイント講座(37)記事読み批評 小論文対策に

 筆者は、この3月に卒業生を送り出した。

 その際、小論文入試の受験指導を多く行ったが、己の進路に関連のある時事問題には常に関心を持ち続けていないと太刀打ちできない、と実感している。記事を読み、思考する。そして手を動かして「文章化する」という日々の訓練が大切だ。難関大学であればあるほど、付け焼き刃は通用しないのである。コツコツと努力する姿勢を、この4月から身に付けたい。

 では、その具体的方法はどのようなものか。 

 見出しだけで良い、毎日必ず新聞紙に目を通すのだ。まずは、紙をめくるという身体を獲得すべし。どんなに部活や課題で疲れていようとも、意地でやり続けよう。1カ月で完璧なNIEの身体を得ているはずだ。

 次に、ノートに記事内容への批判をヒタスラ展開しよう。本当はそんなに反対じゃないんだけど、と思ったとしても、とにかく、批評せよ。なぜならば、クリティカルシンキング的な記述は理由を伴わなければならないからだ。この理由がある文章こそ、論文と言えるのであり、その体得が現段階での目標なのである。

 (静岡高・実石克巳)

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=気になる記事 地域とシェア 住民と交流、世代超え意見交換 裾野高「まわしよみ新聞」

2020年03月07日(土)付 朝刊


 新聞を通じた地域との交流手段として、県立裾野高が1月下旬、新聞の切り抜きを基に意見交換する「まわしよみ新聞」を同校で開いた。1年生約200人と住民約30人がグループに分かれ、気になった記事を紹介し合って、感想や意見を共有した。

 生徒らは机に新聞を広げると、スポーツや事件、事故、コラムや読者投稿など気になった記事をチェック。身近な話題から国際問題まで自由に選んだ記事を切り抜き、思い思いに感想を語った。
 中国・武漢市で発生した新型肺炎関連の記事を取り上げる参加者が特に目立った。「人が集まる場所に行かない方がよさそう」「治療法が見つかっていないが東京五輪・パラリンピックは大丈夫だろうか」など、さらなる流行拡大や国際イベントの開催を危ぶむ声が上がった。このほか、「プロ野球選手の契約更新。年俸をたくさんもらえてすごい」「振り込み詐欺で高齢者が被害に遭っている。おばあちゃんが心配」などと率直な感想を発表した。
 本田凜さん(16)は「まわしよみ新聞は同じ記事でも人によって違う感想を持って楽しかった」と話す。普段はスマートフォンのアプリでニュースを確認していて「アプリでは興味のあるものを中心に読む。新聞はいろいろな記事が目に入るので便利」と今回の経験を通じてそれぞれの媒体の長所、短所を実感した様子だった。
 裾野市の会社員菊池勇一さん(55)は「新聞は世代間の交流のツールになる。自分は生徒の親世代。新聞の面白さを伝えたい」と述べた。
 同校の大端大教諭は「生徒と地域の方が記事を読んで思ったことを言い合うことで、地域との親密度を高めたい」と活動の意義を説明。若者の新聞離れにも触れ、「大人がどのように新聞を読むかを学び、手に取るきっかけになれば」と期待を寄せる。

 

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切り抜いた記事を紹介し、感想などを話す生徒=裾野市の裾野高

 

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机に新聞を広げ記事に目を通す生徒

 
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■紙面授業 商業 近未来都市への道 浜松啓陽高 増田正一先生

 浜松市のゆるキャラ、出世大名家康くんと出世法師直虎ちゃんは今も大活躍です。徳川家康は浜松発展の礎を築き、井伊直虎は大河ドラマで脚光を浴びて、観光客が多数訪れました。観光面では浜松ギョーザも名物になっています。残念ながら、2019年の世帯当たりギョーザ購入額は2位で、宇都宮市に首位を明け渡したことは新聞でも取り上げられました。浜松地域の温暖な気候は綿花栽培に適し、「織機」から「機械」の発展につながりました。繊維、オートバイ、自動車、楽器、光学など高度な技術力は、世界に名だたる企業を誕生させています。
 温暖な気候と長い日照は、お茶、ミカンなどの農作物だけでなく水産物にも恵みをもたらしています。こうした恵まれた環境の中で、地域経済は進化、発展を遂げてきました。
 今後、都市構想を練る中で、浜松が近未来型都市として一層の発展を遂げるには、人と人、人とモノ、人と企業などの「つながり」が、緊密で円滑に機能することが一層必要になります。それは発電エネルギー事業、農林水産・自然環境開発、水質保全、AIとロボット技術の融合であり、さらには市内周遊周回無人モノレール、シェアカー輸送、ドローン輸送などに必要な法律やインフラの整備です。そして、ポテンシャル相応の着想と創意工夫が不可欠になります。
 人々が暮らしやすく、それぞれが関わりを深め合える社会の構築を期したいという思いがあります。そこで大切なことは、「経済は経世済民」ということです。常に経済は、生活の基盤として「人のため」のものであることが第一条件なのです。
 さて、家康くん、直虎ちゃんに続く、「近未来型主要都市#浜松」の創生に登場する令和の創造者の一人は、あなたかもしれませんね。

 県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

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■NIEアドバイザーのワンポイント講座(36)「自分の個性」新聞で発見

 私の学校では、「個性輝く人」を目指しています。子どもたちには、「個性を輝かせ、新たな道をつくる人になろう」と言い続けています。
 ところで、どうしたら自分の個性を発見できるでしょうか。そんなとき、役立つのが新聞です。新聞は「社会の現実を知らせる窓口」であると同時に、「新たな生き方」を示し「未来を照らす希望」を伝える意義を持つと考えます。
 暗い記事が多いと思われがちな新聞ですが、実は未来を開く発見や個性的で魅力的な生き方がたくさん紹介されています。「新たな生き方に出合う」「自分の可能性に気付く」など、自分の個性を発見するチャンスが詰まっているのが新聞です。
 最近の記事でも、イモリ研究に情熱を注ぐ中学生「イモリ博士」、フランスで日本人初のミシュラン三つ星獲得など、「初めて」「挑戦」「個性」などを紹介した記事には魅力があります。自分にも新しい世界や新たな道を開く人になれそうな勇気が湧いてきます。
 そんな記事と出合い、「個性を輝かせて未来をつくる人」が次々と登場してくれることを心から願っています。
 (焼津豊田中・矢沢和宏)

「新聞で社会に関心」 県内実践4校 成果発表

2020年02月23日(日)付 朝刊


 教育に新聞を活用する取り組みを展開する県NIE推進協議会(安倍徹会長)は22日、県内の実践指定校による報告会を静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で開いた。中学校と特別支援学校計4校の教諭が2~3年間の活動内容を発表し「子どもが社会への関心を広げる学習に活用できた」などと成果を語った。
 発表したのは県立静岡聴覚特別支援学校と、川根本町立本川根、富士宮市立西富士、菊川市立菊川西の3中学校。各校の教諭は記事への意見を交換した討論会や、数学や国語など教科を横断して新聞を活用した学習を紹介。「子どもがニュースに対する自らの考えを持った」と手応えを語った一方、「授業内容に合った記事を探すのは大変だった」と課題も挙げた。
 県内各地の学校関係者ら約70人が出席。安倍会長は「発表内容を各校での取り組みに反映させてもらえたら」と呼び掛けた。
 

 4月4日付静岡新聞朝刊「一緒にNIE」面に詳報

 

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教育に新聞を活用した取り組みを報告する教諭=22日午後、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=記事基に考察、議論 現代文授業で新聞活用 受験多様化に対応 星陵高(富士宮)

2020年02月01日(土)付 朝刊


 富士宮市の星陵高で、現代文の授業に新聞記事を取り入れた実践的な試みが進められている。AO入試をはじめ受験形態が多様化し、大学が求める力も変化する昨今。記事を基に生徒が意見を交わし、問題を理解することで、小論文などに必要な考える力や社会への関心を養う場となっている。

 同校で行われた1月中旬の授業。英数科総合コースの文系2年生が、本紙に掲載された記事を基に考察を始めた。題材は「男性の美容への関心の高まり」。男性がメークをし、外見の印象を良くすることでビジネスや就職活動に生かす動きをまとめた記事だ。論文問題が添えられていて、各自がどう思うか賛成・反対の立場でまとめるのが終着点となる。
 生徒は早速、グループに分かれて議論を始めた。タブレット端末を活用し、裏付けとなる資料や文献を探していく。議論が進むと、各グループの代表が自身の考察に対して根拠となる情報を交えて発表し、クラス全体で共有する。
 議論は週に計4コマある現代文の授業時間を使う。賛否が分かれる題材を扱い、議論の途中で生徒の立場が変わる場合もある。
 この取り組みは5~6年前、現在は大学進学指導課長を務める奥村裕樹教諭が始めた。当初は生徒が新聞記事の要約や感想などを書き、奥村教諭が添削して返信する一対一のスタイル。そのやりとりを発展させ、クラス全体で議論を深める形式を確立した。
 取り組みを開始してから、難関とされる大学にAO入試や推薦で合格する生徒の率が上昇してきているという。2年の芦沢真優さん(17)は「視野や見聞が広がり、自然と力が伸びている」と手応えを語る。奥村教諭は「取り組みは畑を耕しているようなもの。新しい常識をつくっていく世代の生徒たちが今に対する疑問を持ってもらいたい」と話す。
 (富士宮支局・白柳一樹)

 

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新聞記事を基に議論を深める生徒たち=1月、富士宮市の星陵高

 

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自身の意見を述べる生徒

  
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■紙面授業 地歴・公民 入試 公平性保って 常葉大橘中・高 塚本学先生

 大学受験が本格的になり、受験生はラストスパートの時期です。昨年は大学入学共通テストの「英語民間試験導入」で、学校現場は混乱しました。文部科学大臣の「身の丈」発言により、導入が延期されたことは新聞でも大きく報道されました。
 私は地歴・公民の教師ですから、この件で中国の「科挙制」を連想しました。科挙制は、隋の時代の587年に始められ、清代の1905年まで継続された役人選抜試験です。その目的は、貴族の子弟の役人世襲を防ぐことです。科挙が万民に門戸を開放した制度であったことは画期的でした。家柄も血筋も問わず、誰でも科挙を受けることができるという精神だけでも、当時の世界では、類をみない制度といえましょう。それが極めて公平に行なわれたことも利点に挙げられます。答案審査は姓名を見ずに、座席番号だけで行われました。ペーパーテストで「公平」な選抜を行い、人民の中の最も賢明な者を登用しようとしたのです。
 今日の英語民間試験導入は、まさに「公平」という点が問題の一つではないでしょうか。経済力や住んでいる場所という、本人の努力だけではどうにもならない要素が結果の差に結び付きかねないことが問題なのです。
 科挙がかくも長く行われ、周辺地域にも影響を与え続けたことに注目する必要があります。この制度の永続を可能ならしめた中国の社会文化の基盤を著名な歴史家、宮崎市定は、「科挙なるものは本来、文を重んずる精神の上に成立した」と述べています。
 なるべく公平であり、また受験がゴールではなく、入学した大学で学問をスタートするんだという意欲がわく入試であってほしいものです。なぜなら大学こそが、文を重んじる世界の入り口になるのですから。

 県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

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■NIEアドバイザーのワンポイント講座(35)チバニアン 地球史身近に

 理科の教科書にある、ただ一言で表現される結論を紡ぎ出すために、科学者は日夜研究に勤[いそ]しんでいる。研究が深まり、新しい言葉が生まれ、認められる。理科授業で、最新の科学成果を紹介すると、生徒たちは、目を輝かせて熱心に学ぶ。科学研究の最前線の話題を分かりやすく伝える新聞記事を探してみよう。関連する記事を読ませた後、生徒の理解に応じた補足説明を行うとよい。
 地球史の学習で、欧米の地名に由来するなじみのない名称を覚えるのに苦労する生徒もいるが、彼らに紹介したい記事が「地球史に『チバニアン』 千葉の地層から」(1月18日付静岡新聞)だ。国際地質科学連合が、約77万年前~約12万年前の地質時代を千葉県の地層から「チバニアン(千葉時代)」と命名することが正式に決定したのだ。
 記事の見出しに大きく「チバニアン」とあり、ユニークな名称なので、思わず声に出して読む生徒がいる。行政や地元の人々が一丸となって協力した命名に至るまでの過程やその他のエピソードも興味深い。
 地質分野の学習を、「覚えにくく暗記しなければならない学習」ではなく、「多数の人が関わる創造的な研究の成果を学ぶこと」と感じてもらえるのではないだろうか。
 (清水西高・吉川契子)

  
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■指定校が実践事例を報告 22日、静岡で県推進協

 県NIE推進協議会は22日午後2時から、実践報告会を静岡市駿河区登呂の静岡新聞放送会館で開く。
 実践指定校としてNIEに取り組んできた富士宮市立西富士中、川根本町立本川根中、菊川市立菊川西中、県立静岡聴覚特別支援学校の担当教諭が、2~3年間の取り組みの成果や課題を発表する。
 参加希望者は14日までに、県NIE推進協議会事務局<電054(284)9152>へ申し込む。参加無料。

  
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■全国大会は11月都内で

 教育現場で新聞を活用する「NIE」の実践報告や情報交換をする「第25回NIE全国大会東京大会」(日本新聞協会主催)が11月22、23の両日、都内で開かれる。
 例年、全国大会は7月下旬~8月上旬に開かれるが、今年は東京五輪・パラリンピック開催と重なることから、時期をずらした。
 会場は、初日が日本大学文理学部百周年記念館(東京都世田谷区)、2日目が十文字中学・高校(同豊島区)。詳細は追って発表される。

 
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■19年、写真で振り返り 横浜、来月29日まで

 2019年の国内外の報道写真を集めた「報道写真展」(ニュースパーク、東京写真記者協会主催)が3月29日まで、横浜市のニュースパーク(日本新聞博物館)で開かれている。
 新聞、通信、放送の同協会加盟35社の写真記者が撮影した膨大な報道写真から300点を厳選。天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」やラグビーワールドカップ日本大会、台風19号の被災現場など、19年の時代をとらえた写真を、「一般ニュース」「企画」「スポーツ」「文化芸能」と多様な分野で紹介している。昨年8月に本紙夕刊で連載した「県鳥サンコウチョウ」の写真も展示している。
 開館時間は午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)。月曜休館。入館料は一般400円、大学生300円、高校生200円、中学生以下無料。
 問い合わせはニュースパーク<電045(661)2040>へ。

月刊一緒にNIE@しずおか=読解、発信力 新聞で育成 社会に目を向ける契機に 常葉大橘高「タチバナクエスト」

2020年01月11日(土)付 朝刊


 NIE実践指定校の常葉大橘高(静岡市葵区)では、英数科の1、2年生を対象に、新聞を使った選択授業「タチバナクエスト」を毎週実施している。テーマに沿った新聞記事を読んで、自分の意見を他者に伝えることで、社会への興味関心を持つとともに、読解力や発信力を育むことが狙いだ。

 この日は大学入学共通テストの「英語民間試験導入延期」をテーマに授業を実施。生徒12人は3グループに分かれ、記事を読む前に自分の意見をワークシートに記入。その後、グループごとに英語民間試験の導入について論じた社説や記事を読み込んだ。分からない単語や面白いと感じた部分に線を引きながら内容を確認し、生徒同士で意見を共有。「英語新入試の問題点は」「英語力とは」など教諭が用意した設問を考え、代表生徒が他のグループの生徒に記事の内容をプレゼンした。
 生徒からは「試験費用を考えると所得によって格差が生まれる」「テストの種類が多いので評価が曖昧になるのでは」などの意見が上がった。その上で、テーマに対する自分の意見を再度、ワークシートにまとめ、記事を読んで考えを深めることができたかを確認した。同校2年の福井千晴さん(16)は「授業を通じて、自分の意見を自信を持って伝えられるようになった」と成長を語る。
 タチバナクエストは、NIE担当の塚本学教諭を中心に3年前から始めた。併せて、スクラップノートも作成し、タチバナクエストや他科目の授業でも活用している。生徒がテーマ設定し、自由に新聞記事を選択してノートに自分の意見を記す。
 「いずれも社会に目を向けるきっかけづくりに非常に有効」と評価する塚本教諭。社会の出来事に触れ、視野を広げることは「興味関心の域を大きく広げ、生徒の成長を後押しする力になっている」と強調した。

 

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新聞記事を活用して意見交換する生徒ら=2019年11月中旬、静岡市葵区の常葉大橘高

 

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生徒が新聞記事をまとめたスクラップノート

  
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■紙面授業 地理・歴史 世相を読み解く鍵 静岡大成中・高 山本翔生先生

 昨年6月から長期間続く「香港デモ」。新聞紙面でもたびたび大きく取り上げられました。6月、「逃亡犯条例」改正案に反対する抗議活動としてデモは始まりました。9月の香港政府による法案撤回表明後、大規模デモはより大きな民主化を求めるものへと変化し、現在も続いています。
 なぜ香港がこのような状況になってしまったのか歴史を見てみましょう。
 1840年に起こったアヘン戦争が大きく関わっています。当時の清国を破ったイギリスは、南京条約で香港島を譲り渡すことや貿易の拡大を認めさせました。さらに、1898年に残りの香港を99年間の期限付きで借りることを認めさせたのです。その後、1997年7月1日に香港はイギリス植民地から、中国の特別行政区になりました。長い年月をかけて香港は中国とは全く異なる形で経済発展を遂げ、今ではアジアNIES(新興工業国・地域)としてアジア最大の金融センター、かつ重要な港湾都市となりました。このように、香港は中国でありながら中国とは違う政治・経済政策が行われ、「高度な自治」が認められた「一国二制度」の状態にあるのです。
 では、中国はどのような政治・経済政策のもと建国70年を迎えたのでしょう。また、香港を長らく植民地支配してきたイギリスの議会制度はどのようなもので、EU(欧州連合)からの離脱問題(BREXIT=ブレグジット)は世界経済にどれほどの影響があるのでしょう。
 こうした世相を読み解く鍵を見つけたり身の回りで起きていることを解決したりするために、社会科目があります。地理分野と歴史分野の土台の上に公民的分野が存在し、土台部分をしっかりと身に付けることで、今後求められる「思考力」がより豊かになるのではないでしょうか。

 県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

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■NIEアドバイザーのワンポイント講座(34)SDGs 付箋で「見える化」

 皆さんは、SDGsを知っていますか。2030年までに地球の問題を解決する取り組みのことで、未来を変える17のゴール(目標)を設定しています。そのゴールに向かって、一人一人ができることを見いだし、行動を起こそうというものです。そのためには、まず地球の問題を理解するところから始めなければなりません。
 そこで、新聞を使ったSDGsの「見える化」を紹介します。これは、神奈川県NIE推進協議会の公開セミナーで行われたものです。新聞には、この17のゴールと関連する記事が多数掲載されています。ゴールを意識し読み込むことで、おのずと課題が見えてくるので、それらを色分けして見える化していきます。SDGsのゴールには、全世界共通のアイコン(色とマーク)が決められています。そのアイコンを17種類のSDGs付箋として記事に貼るのです。
 同じ記事でも個々の読み方や問題の捉え方が異なると、同じ色の付箋が付くとは限りません。付けられた付箋の意味を皆で共有し、問題解決に向けて行動していくことは、物事を自分ごととして考えるきっかけとなるはずです。
 (静岡井宮小・中村都)

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=世界の問題 新聞と実験で「自分ごと」に 身近な体験とつなぐ 静岡・清水飯田小 「海洋プラごみ」テーマに公開授業

2019年12月07日(土)付 朝刊


 NIE実践指定校の静岡市立清水飯田小(同市清水区)でこのほど行われた、新聞記事を使った総合学習の公開授業。5年生27人が海洋プラスチックごみに関する新聞記事を通し、身近な環境問題を考えた。

 担任の小川訓靖教諭の狙いは、地球レベルで進む環境汚染を子どもたちに自分の問題として考えてもらうこと。新聞記事は、社会情勢に目を向け多角的な観点で考えるきっかけと位置付ける。
 小川教諭はまず、海洋ごみの影響で死んだジュゴンの記事や、マイクロプラスチックが人体に与える影響を説いた論説記事など3種類の記事をグループごとに配布、子どもたちは7分で読み込んだ。
 「分からない漢字は飛ばして、大体の内容をつかもう」。小川教諭の助言で、子どもたちは気になる部分に線を引きながら概要把握に取り組んだ。3人一組で記事に見出しを付ける場面では、なかなか答えを出せないグループも見られたが、子どもたちから「見出しに入れたい言葉に丸をつけよう」といった言葉も飛びだした。
 「記事をただ読ませるだけでなく、いかに自分ごととして考えさせられるかが重要」と言う小川教諭。子どもたちに「マイクロプラスチックって目に見える?」「私たちに関係あるかな?」と問い掛けた。最初はけげんそうな表情を見せた子どもたちも、以前、地元の山原川で自然探索を行ったワークシートを取り出すと「山原川にもごみが落ちていた気がする」との声が上がった。
 さらに、海洋ごみを子どもたちに身近な問題として捉えてもらうために、小川教諭が取り出したのは地元三保松原の海岸の砂。砂を入れたビーカーに水を入れてかき混ぜると赤や緑色のプラスチック片が浮かび上がった。子どもたちは「三保の海岸全部で考えたらすごい量」などと素直な驚きの声を上げ、海洋ごみが身近にも存在することを実感した。
 小川教諭は「新聞記事を通し、世界の話題と身の回りのことがつながる喜びを味わってほしい」と話した。
 

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児童が考えた見出し

 

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三保海岸の砂に水を混ぜる実験を行う児童=静岡市清水区の清水飯田小

  
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■紙面授業-美術 自分だけの表現を 藤枝順心中・高 佐藤滋先生

 新聞を開くと見開き2㌻に、SNS(会員制交流サイト)などインターネット関連の記事がありました。トランプ米大統領の投稿の半数以上が攻撃的内容であるという記事、その隣には時の人、環境活動家グレタ・トゥンベリさんの呼び掛けに援助の手を差し伸べる人々の記事、そしてその左側のページには文化芸術欄があり、美術雑誌出版社の新しいネット配信に関する記事が掲載されていました。こうした記事を比べてみると、SNSは一瞬で情報を発信し良くも悪くも変化を生みだすことが分かります。
 新聞記事はその配置によってもいろいろなアイデアにたどり着くきっかけになります。
 また、私が静岡新聞でよく読んでいるコーナーが「窓辺」という夕刊コラムです。以前、浜松アーツ&クリエイションディレクター菱沼妙子さんのコラムを読んで感銘を受け、実際に会いに行きました。それは「今なぜ芸術教育が必要なのか」という見出しがつき、自ら課題を見つけ、答えを生み出せる力を芸術によって強化できるのでは? という提案でした。切り取って今も手帳に挟んでいます。
 皆さんには、自分なりの表現方法がありますか? 美術デザインであったり、文芸であったり得意な分野で良いのです。自らの手でじっくりと作る姿勢を忘れず、スピード社会に押し流されないよう、しっかりと立ち行動するクリエイティブな力(創造力)をつけてください。これからの芸術教育は他の教科との共有性を持ち、実社会に問い掛けのできる教科になっていかなければならないと思っています。作品制作に頑張る生徒を見ていつも励まし、励まされている日々です。学ぶこと、創作することのすてきさ、素晴らしさをぜひ伝えていきたいと思っています。
 県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 

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■NIEアドバイザーのワンポイント講座(33)「地域欄」進路切り開く種

 年末が近づくにつれ、高校3年生の進路にさまざまに関わる場面が増えてきます。筆者は生徒に対し、社会に目を向ける重要性から新聞記事の活用を薦めてきました。
 最近、自ら進路を決めていった生徒たちの中で印象に残っているのが、将来、地域に関わる公務員などの仕事に就きたいという生徒に対し、地元の問題になっている記事を継続的に読み取り、スクラップすることを薦めた場面でした。
 読者は見出しの大きさなどから新聞の一面に目を奪われがちですが、地域欄の地元の行事などの記事が将来の進路につながっているということに気付かせることも大切な関わり方だと考えています。
 2019年はラグビーワールドカップが本県でも行われましたが、官民がさまざまな形で協力する記事が連日、報道されていました。直接関わっていなくても、その事実を知ることが地域社会との関わりの大切な一つだとも思います。
 志望する大学に合格した喜びの笑顔の土台には、自身の生きてきた地域社会とのつながりがあることを、これからも記事の事実を通して伝えていきたいと思います。
 (静岡聖光学院中・高・伊藤大介)

菅野さん(菊川西中3)神谷さん(静岡雙葉高1)優秀賞 新聞記事感想コンクール

2019年11月26日(火)付 朝刊


 日本新聞協会は25日、第10回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の入賞者を発表した。県内からは優秀賞に菅野遥日さん(菊川西中3)、神谷咲良さん(静岡雙葉高1)、奨励賞に藤原勝太さん(菊川西中3)、植松明日香さん(沼津市立高1)、学校奨励賞に菊川西中、静岡聖光学院中・高、沼津市立高が選ばれた。
 小中高生が家族や友人と新聞記事を読み、感想や意見を書いた。国内外から5万7561点の応募があり、最優秀賞3点、審査員特別賞1点、優秀賞30点、奨励賞118点を選び、団体応募441校の中から、優秀学校賞15校、学校奨励賞182校を選定した。
 看護師や助産師を目指しているという菅野さんは、静岡新聞に掲載された「新出生前診断」に関する記事を題材に選んだ。「自分の将来に関わるテーマで、道徳の授業でも意見が分かれたことから興味を持った。命の大切さを伝えられる看護師になりたい」と語った。
 左足に障害がある神谷さんは、静岡新聞に載った「れいわ新選組議員の国会初登院」の記事をテーマに、「重い障害のある2人が国政に選ばれ、障害で差別される時代は終わった。障害者と健常者が共存していく社会をつくりたい」と意見をつづった。
 最優秀賞には福岡県粕屋町立粕屋中央小5年の清武琳君(10)、富山県高岡市立高岡西部中3年の上坂大空さん(15)、大分県立大分舞鶴高2年の遠藤はなさん(16)が選ばれた。

海洋ごみ 理解深く 新聞活用し公開授業 静岡・清水飯田小

2019年11月21日(木)付 朝刊


 NIE(教育に新聞を)実践指定校の静岡市立清水飯田小(同市清水区)で20日、新聞記事を使った総合学習の公開授業が行われた。5年生の児童が「新聞を活用して環境問題について考えよう!」をテーマに海洋プラスチックごみの問題点について学んだ。
 子どもたちは海洋ごみの影響で死んだジュゴンの記事や、マイクロプラスチックの危険性を説いた社説などを読み、気になるところを3人一組で共有。「ほかのグループに読んでみたいと思わせる見出し」をつけ、記事の理解を深めた。
 小川訓靖教諭が採取し、ビーカーに分けた三保海岸の砂に水を加えると、緑や赤色のプラスチック片が浮かんだ。子どもたちは「すごい」と驚く声を上げ、海洋ごみが身近な問題となっていることを実感した。
 小川教諭は「世界の話題をあらゆる角度から知ることができるのが新聞の良さ。子どもたちにいかに自分ごととして捉えてもらえるかが大切」と話した。

 

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記事の見出しを考える児童=20日午後、静岡市清水区の市立清水飯田小

新聞活用の授業を公開 来月静岡・清水飯田小、参観募集

2019年10月24日(木)付 朝刊


 県NIE推進協議会は11月20日午後1時45分から、静岡市清水区下野中の市立清水飯田小(小野昌伸校長)で新聞活用の公開授業を行う。小川訓靖教諭が「新聞記事を活用して、環境問題について考えよう!」をテーマに、5年の総合的な学習の時間の授業を披露する。授業後に意見交換会も開く。
 同校は日本新聞協会NIE実践校指定2年目。11月のNIE月間行事として行う。
 参観希望者は11月11日までに、県NIE推進協議会事務局<電054(284)9152>に申し込む。

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=新聞通じ表現力向上 新規実践校が抱負

2019年08月03日(土)付 朝刊


 日本新聞協会はこのほど、2019年度のNIE実践指定校を全国で545校決定した。県内では、県NIE推進協議会が推薦した新規7校、継続7校が決まった。実践校には一定期間、県内で発行される7紙が無料提供され、NIE活動で活用される。新規7校に活動への抱負を寄せてもらった。

 

■多角的に物事捉える力育む 伊豆の国韮山南小 山本順也教諭
 読書好きな子が多く、休み時間になると、図書室前に行列ができている姿をよく目にします。活字に慣れ親しむことはよくできていますが、新聞はというと、読んでいる子どもはほとんどいません。
 だから、新聞をすぐ手にとって見られるようにしたり、新聞を見て考えたことを、朝の会でスピーチする時間を設けたりするなどして、新聞を身近に感じられるような環境を整えていきたいと思います。
 新聞を読むことで、世間に目を向けられるようになり、物事をいろいろな角度から考えてみる力が高まることを期待しています。また、新聞を身近なアイテムとして活用できるようになればと考えています。

  

■社会とつながる効果に期待 吉田自彊小 三津山一世教諭

 NIEの実践を始め、強く感じていることは、児童の新聞への興味の高まりです。本校は、18学級ありますが、全学級で、新聞コーナーを作り、日常的に新聞を読む環境を整えています。
 また、毎週金曜日の朝活動では、新聞ワークシートを活用し、社会で起きている出来事について、自分の考えを持ち、伝え合う活動に全校で取り組んでいます。児童は、毎週楽しみにしています。
 さらに、道徳の授業で新聞を活用することにも全教員で取り組んでいます。教員自らが多くの新聞記事から児童の実態に合う記事を選び、教材化することは、労力が要ります。しかし、社会と児童をつなぐ効果があるのではないかと、全職員で研修しています。これから、よりよい実践で、児童の学びの充実感を育んでいきたいと思っています。

 

■多くの言葉や考えと出合う 湖西白須賀小 加藤健太郎教諭
 「次の日、桃太郎が鬼を倒したことが村中に広まりました。中には、桃太郎とむすめを結婚させたいという人も少なくありません。~中略~年老いた両親に代わり、およめさんがくるくると働きました。~中略~それはそれは、かわいい赤ちゃんでした。~中略~」
 これは、6年生の家庭学習の一つで、児童が昔話の続きを考えたものです。「少なくありません」「くるくると」「それはそれは」など、一つ一つ言葉を選んで使っており、言い回しが見事です。
 本校では、朝活動に「言葉の時間」を新設しました。NIEの実践を通して、児童が多くの言葉や考えと出合い、新たな気付きにつながる取り組みをしていきたいと思います。

 

■役割に着目し生活で生かす 浜松城北小 稲田晴彦教諭
 本校は、新規校として2学期から本格的に始動できるように、現在取り組む内容を検討、準備しています。児童の中にも、新聞を定期購読していない家庭が増えていて、新聞離れが感じられます。
 そこで、中心的に進めていきたい内容は、新聞がこれまで果たしてきた役割を見つめ直す取り組みです。新聞が配達されるところから着目し、新聞がもたらす豊かな情報やその情報がもたらす効果はもちろん、読み終わった後の新聞が再利用されるところまで学習できればと思います。
 日本人の生活に溶け込んできた新聞がこれまで果たしてきた役割をクローズアップするとともに、今後も新聞を生活の中で生かす手立てを見つけだすことができればと願っています。

 

■五輪・パラ後の課題考える 小山中 寺田公紀教諭
 本校がある小山町は、来年開催される東京五輪・パラリンピックのロードレースの会場となっています。しかし、本校の生徒の様子を見ると、まだまだ盛り上がりに欠けているような現状があります。
 そのような現状の中で、今回、実践指定校となったことは本校にとってはチャンスだと捉えております。毎日の新聞に五輪・パラの記事が載っており、それを授業で扱うことで生徒の五輪・パラへの興味・関心を高め、五輪・パラ開催後の問題点などを考える機会になるのではないかと考えております。
 また、たくさんの新聞記事に触れ、生徒たちがその記事から自分たちが解決しなければならない課題を見つけ、自分たちで解決策を考える姿勢を養っていけることを期待しています。

 

■情報リテラシー身に付ける 浜松西高 吉田忠弘教諭
 公立小中高校の学校図書館への新聞配備に財政措置が採られるなど、教育現場における新聞の重要性がますます高まってきております。本校でも、新聞閲覧台に6紙を用意し、生徒・教職員に提供されています。
 現在では、さまざまなメディアが普及しており、それらが提供する情報に対して、その信ぴょう性や有益性などを判断し活用する力、いわゆる情報リテラシーを身に付けていくことがますます強く求められています。
 「ネットのニュースだけで十分」といった意見も聞かれますが、新聞を使って、「記事を正確に読み取り、その内容を要約し、それに対する自分の意見を持ち、他者に伝えていく」を繰り返すことによって、前述の能力を育む一助となればと考えております。

 

■世の動きに自分の意見持つ 常葉大付属橘中・高 塚本学教諭
 2020年のビッグイベントといえば東京オリンピック。その熱狂が通り過ぎたころ、大学入試が大きく変わります。1990年から30年にわたって受験生の学力を"測定"してきたセンター試験から、「思考力・判断力・表現力」中心の新テストへ変更します。
 生徒が置かれている環境もこのように変わるのですから、これを機会に生徒たちに、新聞を通じて社会や世の中の動きに関心を持たせたいと考えています。そして、調べ考えることで自分の意見を持ち、それを表現できるようにしていきたいと思っています。
 他者の意見を知り、自分の考えを深化させる喜びを味わい、生徒も教員も楽しくNIE活動を行っていきたいと思っています。

 

■2019年度NIE実践指定校
 【新規】伊豆の国市立韮山南小、吉田町立自彊小、湖西市立白須賀小、浜松市立城北小、小山町立小山中、浜松西高、常葉大学付属橘中・高
 【継続】(2年目)西伊豆町立田子小、静岡市立清水飯田小、菊川市立菊川西中、清水西高(3年目)富士宮市立西富士中、川根本町立本川根中、静岡聴覚特別支援学校

 

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県NIE推進協議会総会でNIE活動の抱負を語る新規実践指定校の教諭=6月、静岡新聞放送会館

 
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■紙面授業-日本史 国司に重要 神社参拝 富士見中・高 宮原一将先生

 先月下旬、参議院選挙が行われ、連日新聞で大きく報道されました。現代の日本では、議員や首長は選挙で決まります。でも、選挙でリーダーが選ばれるようになったのは明治になってからです。奈良時代以降、地方を治めるために六十余りの「国」が置かれていました。今の静岡県には伊豆国[いずのくに]・駿河国[するがのくに]・遠江国[とおとうみのくに]の三つの国がありました。国のリーダーは「国司[こくし]」といい、朝廷から派遣されていました。
 では、その国司にとって最優先の仕事とは何だったでしょうか。それは「神社への参拝」です。国司は赴任後、まずその国の神社に参拝するのが慣例でした。「政」は「まつりごと」とも読みます。当時のリーダーにとっては、神様をおまつりし、豊作や世の平安を祈ることが大切な仕事でした。私の趣味は神社巡りですが、国司にとってはそんな気楽なものではなかったようです。
 では、国司が参拝するのはどのような神社だったのでしょうか。答えは「国内の有力な神社全て」です。最も有力な神社を「一宮[いちのみや]」といい、国司はそこから順番に二宮[にのみや]、三宮[さんのみや]...と巡っていきます。富士見中・高がある駿河国の場合、一宮は富士宮の浅間大社、二宮は由比の豊積[とよづみ]神社、三宮は清水の御穂[みほ]神社です。平安初期の駿河には22の有力な神社がありました。万一これらを全て巡るとなれば、車も電車もない時代ですから、ほかの仕事ができなくなってしまったことでしょう。
 そこで登場したのが「総社[そうじゃ]」です。総社は国の全ての神様を集めた神社で、参拝すれば全ての神社を回ったことになりました。駿河国では、平安時代に静岡浅間神社(の中の神部[かんべ]神社)を総社としました。
 では、最後に宿題です。伊豆と遠江の一宮・総社はどこでしょうか。調べてみてください。

※県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 
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■NIEアドバイザーのワンポイント講座(29)一覧性がもたらす効果

 「小さな子どもたちには、NIEはできない」という概念を打ち破るべく、新聞コラージュを推進するきっかけとなったのが、現在、本紙夕刊「窓辺」を執筆中の新聞切り抜き作家マスダカルシさんとの出会いです。
 本紙日曜別刷り「週刊YOMOっと静岡」に、マスダさんの「見つけたチョキチョキ新聞アート」が掲載されています。それは、1枚の紙面に詰まっている情報の中から必要なものを取り出し構築する活動です。アートなので、本来は「考える図工・美術」として大変価値のあるものです。しかし、色・形・質感などの情報リテラシーとして捉えると、NIEの考えに基づき新聞アートの技法を取り入れた新聞コラージュは、語彙[ごい]が少ない子どもたちにとって学びの手法となります。
 新聞には文字だけでなく、写真・広告などもカラフルに紙面を飾っています。漢字が読めなくても、言葉の意味が分からなくても、小さなころから新聞に触れ、慣れ親しんでいくことで視野が広がり、自身で情報を取捨選択していく素地となります。
 これは、新聞の一覧性がもたらす大きな効果だと言えます。
 (静岡井宮小・中村都)

文章力に手応え 実践校教諭ら成果語る 静岡

2019年07月21日(日)付 朝刊


 NIE(教育に新聞を)の取り組みの活性化を図る県NIE推進協議会(安倍徹会長)は20日、本年度の実践校交流会を静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で開いた。実践校10校の担当教諭や新聞関係者ら約30人が出席し、活動の成果や課題を共有した。
 富士宮市立西富士中の渡辺操教諭は、生徒に新聞記事の要約や感想を書いてもらう取り組みを報告。「文章を書く力やまとめる力が付く生徒が増えてきた」と手応えを語った。
 別の担当教諭からは「小学校低学年の学習で新聞を有効に活用するのが難しい」「教諭の間でも新聞活用に温度差がある」などの課題も出た。
 NIEアドバイザーを務める焼津市立豊田中の矢沢和宏校長は「新聞は子どもの関心を広げていくツール。実践校同士で意見を交わし、授業での活用に生かしてほしい」と呼び掛けた。
 

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取り組み成果や課題を報告するNIE実践校の担当教諭ら=20日午後、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載="学びに向かう力"新聞で 「感性揺さぶるツール」 帝京大・古家正暢教授 講演-県NIE推進協議会総会

2019年07月06日(土)付 朝刊


 県NIE推進協議会の2019年度総会がこのほど、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で開かれ、帝京大経済学部の古家正暢教授が「今、ここにある現実と向き合うNIE」と題して講演した。古家教授は37年間の教員経験から得た実践事例や反省点を紹介。「学びを人生や社会に生かそうとする"学びに向かう力"を養うため、新聞の活用法を再考すべき」と主張した。

 東京都の中学や高校で社会科を指導してきた古家教授は、授業に新聞を取り入れ始めたきっかけとして、宗教に関する授業で新聞記事を用いたエピソードを披露した。生徒に配布した記事は、ヒンズー教徒の列車運転手が、神聖とされる牛を避けようと鉄橋の上で急ブレーキをかけ、列車が橋から転落した内容。生徒は記事を通し、ヒンズー教徒の宗教観や戒律は日本人とは異なることを実感したといい、新聞の有用性を説いた。
 古家教授は、生徒の自己主張を促そうと、新聞に意見を投稿することを推奨したという。その上で「実名を出して公の場に投稿することは、批判の対象になる可能性がある。そのことも生徒に伝えなければならない」と注意を促した。
 小学4年生の児童が作った新聞スクラップの作品も紹介。プラスチックごみをテーマに選んだ児童は新聞記事の読み込みから学習を発展させ、実際にリサイクル工場を見学したという。工場へ運ばれなかったごみは海外へ輸出されて海に投棄される恐れがある一方、工場に持ち込まれれば全てリサイクルされることを知り、工場の増設とプラスチックに頼りすぎない生活を提言した。古家教授は「新聞スクラップを契機に、より深い学びにつながることがある」と強調した。
 自らの経験を踏まえ、「授業で学んだことをより深く考えたり、その結果を発信したりと、感性を揺さぶる授業のツールとして新聞は有効」とNIEのさらなる発展を呼び掛けた。
 

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学びに向かう力を養うための新聞活用法を話す古家正暢教授=静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

 
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■紙面授業-国語 思考実験のススメ 浜松学院高 仲手川裕史先生

 「先生、さっきの化学、実験とても面白かった」。私の現代文の授業が始まった時、生徒が開口一番に言った言葉です。理科の先生たちは、広い特別教室に豊富な実験器具、試薬、そして彼らの幅広い知識で、知的好奇心をくすぐるさまざまな実験を行っています。
 その生徒が「国語には実験ないからなぁ」なんて言っていたので、「実験もするよ」「本当に!?」―ということで、実験を行いました。実験と言っても「思考実験」というものです。「もし、こうだったら」と仮定し考える実験です。
 「水槽の中の脳」や「トロッコ問題」などを紹介し、生徒にテーマを設定してもらい、グループワークをしてもらいました。
 この思考実験。もちろん、国語だけでなく、他教科でも行っています。例えば、理科で出てくる「理想気体」や「摩擦のない水平な直線のレール」も、実際には存在しません。これら存在しない物体が「ある」と仮定して、科学の基本的な原理にのっとって「思考実験」を行い、それらを基にPV=nRTやx=vtなどの公式を導き出しています。仮定から理論を組み立てる能力は、さまざまな場面で役立ちます。
 最近、米中貿易摩擦や日韓関係などに関する記事が新聞に載らない日はありません。こうした国際情勢を考えるときに、「なぜこうしないのか」「もう、こうすればいいじゃん」と、思うことがたくさんあると思います。しかし、その選択肢をとった時に、「その後どうなる?」「さらにその後は?」と考えることが必要だと思います。
 安易で短絡的な結論に至らないためにも、常に考え続け、より良い「選択」や「結論」を導き出す能力。そんな能力を育ててくれる思考実験。ぜひ、皆さんもしてみてください。

 ※県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 
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■NIEアドバイザーのワンポイント講座(28)新聞情報 常に感度高く

 日々の授業で新聞を取り入れていく場合、さまざまな活用方法があるかと思います。「主体的・対話的で深い学び」を実践していくために、筆者が心掛けていることは、まず常に新聞記事に関する情報にアンテナを張っていることです。
 昨年NIEの公開授業を行う際、外国人労働者の問題が国会で議論になっていました。関連する新聞記事で授業計画を練っていたところ、就職氷河期世代に関する別の記事が目に留まりました。この時、新聞を読み比べたことで、労働者の問題を国内・国外の広い視点で考えることの大切さに筆者も気付くことができました。その結果、複数の記事で生徒が多角的な視点を得て、学びを深める授業づくりにつながったと思います。
 また、新聞記事の後追いも意識しています。先日の高1の政治経済の授業で氷河期世代雇用30万人増という政府の骨太方針案の記事を扱いました。公開授業で扱った記事のその後を生徒に示すことで、学びのつながりを意識することができたと思います。
 多角的な視点に立つことができる新聞記事を、これからも活用していきたいと思います。
 (静岡聖光学院中・高・伊藤大介)

新聞の読み方学習 6年生80人が受講 NIE実践指定校の自彊小 吉田

2019年07月05日(金)付 朝刊


 NIE(教育に新聞を)実践指定校の吉田町立自彊小は4日、新聞の読み方講座を同校で開いた。6年生約80人が受講し、新聞の魅力や効率的な読み方を学んだ。
 静岡新聞社読者プロモーション局の担当者が講師を務めた。「(インターネットよりも)新たな出会いや発見がある」と新聞を読む楽しさを伝えた。実際に新聞を開きながら、見出しやリード文の役割なども教えた。
 児童は新聞記事を題材にした感想文の書き方も学習。記事を一つ選び、読んで強く感じたことや伝えたいことを書き出すなどして、感想文を仕上げるこつを学んだ。
 毎朝、一面を部分的に読んでいるという甲賀愛実さん(11)は「リード文を中心に読むなど、これからは工夫し、読むページを増やしたい」と意欲を見せた。

 

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6年生が新聞の効率的な読み方などを学習した講座=吉田町立自彊小

実践指定校に14校 報告書配布を継続-推進協総会

2019年06月23日(日)付 朝刊


 新聞を学校教材に活用するNIE(教育に新聞を)の普及に取り組む県NIE推進協議会は22日、2019年度の総会を静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で開き、実践指定校14校を選定した。
 安倍徹会長は「自分の行動によって相手がどのような気持ちになるか想像する力を、NIEを通して養っていかなければならない。本年度も協力を仰ぎたい」とあいさつした。取り組みなどをまとめた報告書の県内全小中高への配布は、昨年度に続き本年度も実施することを決めた。11月にはNIE教育の公開授業も行う予定。
 実践指定校の担当教諭は「子どもたちにとって新聞をより身近なものにしていく」などと抱負を述べた。
 実践指定校は次の通り。
 新規 伊豆の国韮山南小、吉田自彊小、湖西白須賀小、浜松城北小、小山中、浜松西高、常葉大付属橘高▽継続 西伊豆田子小、静岡清水飯田小、菊川西中、清水西高、富士宮西富士中、川根本町本川根中、静岡聴覚特別支援学校

 

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抱負を述べる実践指定校の教諭ら=22日午後、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館