一緒にNIE

「一緒にNIE」は静岡新聞の「教育」欄で2011年4月にスタートし、2015年4月から「月刊 一緒にNIE」で連載しています。 日本新聞協会認定の県内のNIEアドバイザーたちが教諭や保護者に NIEをやさしく解説し、授業活用のヒントを示しています。NIEへの理解を広げるため、ご活用ください。

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載

2022年09月03日(土)付 朝刊


■紙面授業 英語 国際交流で知る世界 加藤学園暁秀中・高 宮地峻英先生

 7月1日、各国に対する感染症危険情報レベルが更新され、多くの国が「レベル1(十分注意してください)」、または「レベル2(不要不急の渡航はやめてください)」に引き下げられました。このニュースは「感染症危険度引き下げ」などの見出しで新聞でも報じられました。新型コロナ流行以降、ほとんどの国に対して「海外への渡航中止勧告(レベル3)」が発令されていましたが、各国・地域の実情を総合的に勘案した上でレベルを見直したとのことです。
 こうした中、本校でも3年ぶりに海外への短期・中期留学を再開する予定です。説明会には多くの家庭が参加され、生徒の海外留学に対する関心の高さを感じました。昔の私もそんな子どもの一人でした。
 私が初めて海外留学を経験したのは小学6年生の夏休みのアメリカホームステイプログラムでした。もちろん当時の私は英語をほとんどしゃべることができず、言いたいことは「This!」と言いながら辞書の該当ページを指さして伝えるほどでした。それでもホストファミリーは親切に接してくれて、ロデオを見せて文化に触れさせてくれたり、キャンプでアメリカの歌を歌ったりしました。ホームステイの最後にはそれまでの思い出をまとめたアルバムをサプライズでプレゼントされ、うれしさのあまり泣いてしまったのを覚えています。
 留学をきっかけにその国の文化を知り、歴史を知り、人を知ることで、広い視野で物事を捉える力を養うことができる、と私は信じています。さまざまな国際情報があふれる社会ですが、物事の一面を捉えた情報だけで判断するのではなく、国際交流を通じてその国の人たちと触れ合って、理解しようと努力を続けていきませんか。

※県内の中学・高校の先生が、時事のニュースや話題を切り口にした授業を紙面で展開します。

 
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■NIEアドバイザーのワンポイント講座(63)「楽しみながら継続」が鍵

 宮崎県で開催されたNIE全国大会に参加し、新聞スクラップが基本活動の一つであると改めて感じました。効果としては、①新聞に触れる習慣を身に付けさせる②新聞を通じて興味・関心の幅を広げさせる③(中学生や高校生ならば)進路決定の一助にさせる―ことが挙げられます。
 私も、主に地歴公民の授業内で、週1回のペースで、新聞記事スクラップに取り組みました。約束事は、新聞名と日付を記入させ、感想を書かせる(字数は自由)だけです。ふと目にとまった話題を取り上げている者、好きなスポーツを一貫して選ぶ者もいました。記事をきっかけにさらに調べたりする者もいました。学期の終了ごとに、どのようなテーマの記事を選んだか集計させます。そうすることで自分の興味・関心が確認できます。よく書けた感想の記事は、みんなでも話し合い、違う視点からの感想を聞き、考えを深めます。
 スクラップ活動に継続的に取り組むのは大変かもしれません。学校現場では、NIEの他にもやらなくてはならない日常の業務が山積だからです。しかし、宮崎大会で、生き生きと活動する生徒たちを見て、実践にあたってのポイントは、「楽しく長続きさせる」ことだと再認識しました。
 (常葉大常葉中・高・塚本学)