命守る「お守り」に老朽化の影…県内100基超「津波避難タワー」維持管理の課題浮き彫りに【わたしの防災】

「お守り」のタワーに不具合

静岡県内には現在、100基以上の津波避難タワーが設置されています。想定される南海トラフ巨大地震では、津波から命を守る手段のひとつとして期待されていますが、いま、管理の面で課題を抱えています。

地域防災の日に行われた訓練。浜松市の馬郡町会場となった津波避難タワーは、普段は人が立ち入ることができません。完成したのは東日本大震災の3年後。海に近い地域にとっては待望の施設でした。

<馬郡町 藤田博辞・元自治会長>
「(当時は町内に)避難する場所もなかった。避難訓練もできなかった。民間の人が『いいよ』と(土地を)提供してくれた。たった1個(の避難タワー)だけどお守りさんみたいなもの」

「ONにすればいい」
「ONにしても充電しない」

訓練にあわせた点検では、太陽光発電の不具合が見つかりました。

「点検をしていないのでここは初めて開けたかも。スイッチがあるけど...」

千葉では「10年で使用禁止」の衝撃

いま、各地で設置から10年を過ぎた施設の不具合が相次いでいます。2025年の夏、千葉県匝瑳市(そうさ・し)では、塩害が原因であちこちが錆びつき、設置からわずか10年で津波避難タワーが使用禁止となりました。

静岡県内には、全国で最も多いあわせて107の津波避難タワーがあります。その8割近くが建設から10年を超えています。

「修繕の補助金はない」自治体の重荷

専門家は、施設管理の難しさを指摘します。

<静岡大学防災総合センター 原田賢治准教授>
「津波避難タワーの設置時には、国の方、または県の方からも補助が出るが、管理、修繕についての補助給付金が基本的にはないので、各自治体が自分の財源で修繕しなければいけない」

遠州灘と浜名湖に面した湖西市の津波避難タワーです。

<湖西市危機管理課 加藤敬課長補佐>
Q. こちらのタワーは?
「湖西市としては初めて作った」
Q. 築何年ですか?
「2025年で10年目」
Q. これは経年劣化ですか?
「表面の塗装が剥げているのかとは思うが、その下から錆が浮いてこないかとか毎年様子をみている」

年に1回、職員が点検していますが、万一の時に備え、しっかり管理していくには、専門的なチェックや補修が必要でコスト面の課題もあるといいます。

求められる国や県の支援

<湖西市危機管理課 加藤敬課長補佐>
「(耐用年数は)設計段階では長い期間を見込んでいるが(タワーを)維持していくうえで技術的な面も含め県や国の支援があるといい」

<静岡大学防災総合センター 原田賢治准教授>
最初に(津波避難タワーが)作られた際には、かなり緊急的な対応として作られていったという状況があったが、時間が経過してくる中で、単一の機能だけでなく長期的な視点で見て、必要な機能を維持していく視点も踏まえて、避難タワーの位置付けというものを考えておく必要がある」

東日本大震災からまもなく15年。命を守るための施設をどう維持管理していくのか、いま、あらためて問われています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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