
静岡県伊東市の田久保真紀市長を巡り、市議会の百条委員会は7月29日、4回目の会合を開き、市長の知人が証人として呼ばれました。知人は過去に田久保市長から「卒業はしていないと聞いた」と証言しました。
田久保市長の疑惑について調査する百条委員会の4回目の会合。田久保市長本人から東洋大学を卒業していないと聞いたとする知人が証人として出席しました。
<田久保市長の知人>
「行政の長として広報の発行をはじめとするすべて市政の責任を負わない事、これに大きな疑問を持っています。このような事を踏まえ、証人になる決断をいたしました」
知人は田久保市長の学歴について過去に話の中で聞いた事を証言しました。
<田久保市長の知人>
「『アルバイトに夢中になって、大学へは行かなくなった』というような発言をしたことがありました。卒業はしていないけれども、(卒業式が)終わったあとの飲み会には朝まで参加したというような発言を聞きました」
会合を終え、市議会の議長らは改めて田久保市長の姿勢を厳しく批判しました。
<伊東市 中島弘道議長>
「本来市長は、一番最初に市民の生活を守るべき人、そして部下である職員を守るべき人、結局自分しか守っていない、もう自分ファースト、そんな人間は政治家になるべきではないと思います。なってはいけない人が市長になってしまった」
百条委員会は今後、東洋大学から文書照会の返事を待ち、田久保市長に対して再度、「卒業証書」の提出と出頭を求めていく方針です。
影響は市の職員の通常業務にも及んでいます。
<東部総局 竹川知佳記者>
「今回の騒動で、これまでに伊東市には、メールや電話での問い合わせが2800件に及んでいるということで、職員は疲弊しています」
市に寄せられた苦情などの問い合わせは電話とメール計約2800件。この異常事態を受け、静岡県伊東市職員の労働組合は、市役所で働く職員を対象にアンケートを実施しました。
「トイレにも行けず、昼休みも電話を取りながらの食事だった」
アンケートでは職員から▼食事や睡眠の時間を削らざるを得ず心身ともに不調をきたしている、▼精神的にまいってしまいこのままでは仕事を続けられない、などの声が上がっているといいます。
労働組合からの要望を受けて田久保市長は28日、苦情などに後援会で対応する窓口として電話番号とメールフォームをSNSに投稿しました。市によりますと周知されていないこともあり、市への問い合わせの劇的な減少はみられないということです。
田久保市長は自身の進退について7月31日の午後8時から会見を開く予定です。