2025年4月で就任から2年を迎える静岡市の難波喬司市長。任期の折り返しを迎える市長にスタジオにお越しいただき、人口減少対策の一貫として掲げられている大型事業について聞きました。
<県政担当 植田麻瑚記者>
人口減少対策の一環としても掲げられている事業があります。まず、JR東静岡駅のアリーナ計画、清水港周辺のまちづくり、そして東名高速の日本平久能山スマートインター付近の大規模開発などがあります。まず、東静岡のアリーナ計画についてお伺いしたいと思います。
2025年度に事業者を決めまして、2030年度の春に開業を予定しています。建設費として、2025年度の当初予算300億円が計上されていますけれども、先日市民文化会館の入札不調もありました。この額を超えるんじゃないかという声も上がっているんですが、今後の進め方、また市長が目指すアリーナ像について教えてください。
<静岡市 難波喬司市長>
金額についてはまだわかりません。どのくらいになるかですね。ただ、そんなに300億が例えば1.5倍になるとか、そんなことにはならないと思っていますので、今のところ300億でできるのではないかなと考えてます。このアリーナはこれは人口減少対策でやっているわけではなくてですね、やはり静岡市はこういう投資不足なんですよね。
だから収益が上がる施設をどんどんつくるということを今までやってきてこなかったので、それが経済の活性化につながっていかないということですね。したがって、アリーナはこれはもう完全に投資と捉えてます。
建設費は確かに静岡市が出しますが、その後の運営については事業者がずっと運営をしていて、利益を上げていってもらうということになりますので、これは投資と見ていただければ、経済を回すための投資と見ていただければいいと思います。
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
そして寄附金の募集を始めたという情報もあります。アリーナの建設についての寄附金の募集ということで、寄附をした方には、アリーナ内への企業名の掲示、見学会の招待という特典もあるということです。こういう寄附金については、どういう狙いがあるんでしょうか。
<難波市長>
これは寄附金に頼るということじゃなくて、やっぱり市民の皆さんに愛されるアリーナ、自分も加わってあのアリーナをつくったよ、ということになると愛着が湧きますしね。
ですから、私は「共創」、共に創るというのをすごく大事にしていますけど、まさにアリーナも市民の皆さん、あるいは企業の皆さんも少しでも寄附をいただいて、それでみんなの力で作ったよというアリーナにして、そして今度は運営をする時もみんなの力で盛り上げていくというそういうアリーナになったらいいなということで、こういう寄附を始めたところです。
<滝澤キャスター>
輪を広げていきたいという狙いがあるわけですね。
<植田記者>
そして、東名高速道路の日本平久能山、スマートインター付近の大規模開発についてです。難波市長は以前から「あれだけの面積でまちづくりができるのは最後のチャンスだ」と力強い言葉で語っていますが、この最後のチャンスとおっしゃった意図を教えていただけますか。
<難波市長>
やはり先ほど申しましたように、投資不足です。新しい企業立地だったり、新規の投資が静岡市はあまり入っていないんですね。だから新しい仕事が生まれていないので、人口が減っていくっていう。
特に若者の新しい仕事が生まれてこないということですね。こうやって新規の立地が入ってくると、若い人たちの仕事が出てきますので、そうすると学校を卒業した後、静岡市に残っていけるような仕事があるということですね。それが非常に大事だと思います。
<植田記者>
大規模な商業施設の誘致というのを市民かなり期待が高まっている中だと思うんですが、実際、今進出の意思を示している企業はあるんでしょうか。
<難波市長>
これは再開発事業でやっていますので、実際の企業誘致や再開発の組合がいろいろ交渉をしています。全部言うわけにいかないですけれども、聞いたところによると、もう全て土地は希望者はいるということですので、全然心配はないということですね。問題はやはりできるだけ集客力の大きい施設。
とりわけ市内ではなくて市外から。あるいは県外からも来てもらえるような施設にするのが大事ですので、今、そういったところでどういう会社に来てもらうのか。企業に来てもらうのがいいのかなということを一生懸命組合でやっているところです。
<滝澤キャスター>
さまざまな課題などがある中で、既存の企業を守っていきつつ、こういう新しい土地に企業を誘致する上で制限も設けつつ、魅力的な企業を巻き込むっていうところも大事だと思うんですが、その辺バランスはどのようにお考えたらいいでしょうか。
<難波市長>
そうですね。一番注意しておかないといけないのは、この中心市街地です。ここの商店街がある。いわゆるお町と言われていますけれども、静岡市の一番の強みはこのお町が残っていることですね。
この人口70万人規模の都市で、これだけの商店街が残っているというのは非常に珍しいので、それに影響を与えないような形でああいう大規模な商業施設をまたそこにつくるというのが大事で、両立させないといけないというそこに一番気を使っています。
<滝澤キャスター>
既存の魅力を守りつつ、新たな魅力も広げていきたいという考えがよくわかりました。ここまで静岡市の難波喬司市長にお話を伺いました。ありがとうございました。
<難波市長>
ありがとうございました。