
「せり」と呼ばれる住居間にある共有スペースを縁側に置き換え、屋外や室内の利用者が自由に利用できるように設計した。駿府城の城下町にみられた町割りから着想を得た。
コンペの対象としたのは市が発掘した駿府城跡天守台の遺構近くに配置し、遺構を見学したり、出土遺物を展示したりするガイダンス施設。中園さんは「駿府城の歴史を多くの人に知ってもらうのに役立てば」と受賞を喜んだ。
2月から約1カ月応募し、県内の学生から9点の応募があった。世界的建築家の長谷川逸子さん(焼津市出身)が審査アドバイザーを務めた。難波喬司市長は表彰式で「短い応募期間にもかかわらず、アイデアあふれる作品ばかりで感動した」と述べ、設計業務に反映させていくとした。
ガイダンス施設は2025、26年度に設計、建築工事を行い、27年度当初に供用開始予定。概算事業費2億円。市は施設で放映用に駿府城天守の高精細再現画像を制作するほか、遺構を間近で見学できるよう基盤整備も進める。