【第173回直木賞、芥川賞、27年ぶり該当作なし】 直木賞候補6作、こんな作品でした。レビューをまとめて読めます

第173回直木賞は7月16日に都内で行われた選考の結果、該当作なしと決まった。午後4時に始まった選考から発表まで3時間50分を超えた。同日発表の第173回芥川賞も該当作なし。芥川賞と直木賞がいずれも該当なしとなったのは1998年の第118回以来、27年ぶりという。

候補6作のレビューを以下に再掲。

(は)

【(1) 逢坂冬馬さん「ブレイクショットの軌跡」】不幸の種を内包したSUV「ブレイクショット」。魅力的なエピソードをギュッと結束

【(2) 芦沢央さん「嘘と隣人」】 引退した刑事が直面する、ともすると見えない「悪意」。「捜査権なき捜査」が行き着く場所は

【(3) 夏木志朋さん「Nの逸脱」】 一見地味な人物たちが、じわじわと「モンスター化」。本性ダダ漏れの過程がスリリング

【(4) 青柳碧人さん「乱歩と千畝」】森下雨村、黒岩涙香、木々高太郎、小栗虫太郎、大下宇陀児、横溝正史…。「新青年」関係者が次々登場!

【(5) 塩田武士さん「踊りつかれて」】 義憤に駆られた誹謗中傷がもたらすものとは。SNS時代の被害と加害の反転をリアルに描く

【(6)完 柚月裕子さん「逃亡者は北へ向かう」】東日本大震災で検察がくだした苦渋の決断を物語に昇華。現実とフィクションの境目が見えない予言的小説


 

静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。

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