藤枝MYFC、アウェーで徳島ヴォルティスと対戦し2-0で勝利!須藤大輔監督、岡沢昂星、北村海チディ、久富良輔のコメント

J2藤枝MYFCは5日、アウェーで徳島ヴォルティスと対戦し、2-0で勝利を収めました。前半16分にMF岡沢昂星選手の豪快なミドルシュートが決まり先制。さらに後半35分、DF久富良輔選手がダメ押しのヘディングシュートを決めました。守ってはGK北村海チディ選手がビッグセーブを連発するなど、全員が体を張って相手の猛攻を阻止。2戦連続のクリーンシートで上位撃破を達成しました。須藤大輔監督、選手が試合を振り返りました。

須藤監督

―試合の総括を。
徳島はボールを保持して攻撃するチームだという認識で臨みました。ただやはり今シーズンはこの試合までは失点11ということで非常に堅い守備があるので、早く攻めきること、今日の1点目のようなミドルを打ちましょうと。そこはしっかりできたのかなと思います。相手のプレッシャーは、そこまでハイプレスではなかったのかな。ただミドルで構えながらいける時にはいく。そこでギャップは見つけてはいたのですが、上手く入る時と入らない時があったと感じます。入る時はチャンスになっていたので、もう少しクオリティーを上げていきたいです。

今日は難しい試合でした。やはりあれだけの個人のスキルで立ち位置を取ってこられると、なかなかハイプレスにいけない。ということでロックで構えて応戦をしました。そんな中で、やはり決定的な場面は何度も演出されました。でも、もしかすると相手のミスも、こちらが最後まで抗うことで生まれたり、最後に足音を聞かせることでシュートが外れたり、ということがあったのかもしれない。最後まで足を止めないことが大事だなと思いました。しかし、あれだけボックス内にボールが入ってくると、決定的な場面は多くなる。おそらく相手のゴール期待値は相当高いと思いますので、そこをさせないような守備をしたい。ミドルサードで奪ってカウンターというところをやっていきたいなと思っています。
でも、こういった難しい試合で、本当に最後まで体を張って勝てたということは自信にもなります。われわれはハイプレスだけ、攻撃的だけではなく、クリーンシートで終われるチームになってきた。引き続き攻守ともに精度を上げて、もう一度準備をして仙台戦に向かいたいと思います。

―決めきるという課題の中で、早い段階で先制。後半にもダメ押し点と、攻撃でも結果を残した。
本当にそこですね。しっかり決めきって、クリーンシートで終えられたということは評価できると思います。修正ポイントとしては、もっとCBとGKのところから慌てずにライン間だったり、スペースは狙えたのかなというのはありますので、そこはもう一つゴール期待値を上げる上では必要なビルドアップかなと感じます。ただゴール前でのアイデアや湧いてくる攻撃はできているので、こうして2点取れたのかなというのはあります。

―上位、また開幕戦で負けていた相手にアウェーで勝ちきることができた。後半戦初勝利で乗っていけるのでは。
乗っていけると思います。前半戦の僕の感想ですが、完敗した試合はなく、今日の徳島のような試合をしてしまっていました。決めきれずにワンチャンスを入れられて負けるというのが多かった。ですから、やはり決めきると、こうして最後にしっかり守りきって勝つということにつながります。決めきるという前節の反省点を修正できたので、これを継続していかなければいけない。一発屋にならないように次の仙台戦でも決めきる、守りきるという際(きわ)の部分の精度を上げていきたいと思っています。

―徳島はハイプレスではなかったように感じたのは、何が良くてそうなったのか。
われわれの狙いは相手をピン留めすることと、プラスワンをつくること。GKなのかボランチなのかというところで、うまくプラスワンができて、前にいくとその人の背後が空いてしまう。だから来られない。じゃあCBで持ち上がりながら大きな展開を入れていくというのができたのかなと。だから渡選手やバルセロス選手が来られなかった。逆に来る時には、そこの背後を取れたというところは非常にうまく立ち振る舞えた。できない時は相手のプレスにはまった部分もありますけれど、ほぼ狙い通りにできたと思っています。

―FKでの狙いは、スカウティングによって徳島に効く要素があったから実践したのか。
そこはコーチに任せています。スカウティングによって、トレーニングから非常にいろんなパターンを練習しています。相手の立ち位置に特徴がありますから、そこのウイークポイント、空いている部分を踏まえ、われわれのストロングの部分を掛け合わせて、入る位置やボールの質は変えています。コーチのスカウティングが非常に良くできていたのかなと思いますし、それに応えた選手たちの質も良かった。ゴールを決めた人がフォーカスされがちですが、ブロックする選手やおとりになる選手がいるからこそあのようなゴールが生まれたと思います。何よりセットプレーのトレーニングの強度がある。実戦をしっかり意識してトレーニングしているところが、まさにこの試合に出たので、引き続きセットプレーでゴールを生む、セットプレーでゴールさせないという部分をやっていきたいと思います。

豪快ミドルで先制ゴールを奪った岡沢選手


―ゴールシーンを振り返って。

チームとしてセットプレーを武器にしています。日ごろから須藤さんに「足を止めない選手のところにボールが転がってくる」と言われています。あの時は来るなと思っていて足を止めなかったら本当に来たので、あとは当てるだけというか、力まずに当てられたことが良いシュートにつながりました。相手よりも先に前に入ろうと思っていたので、良い準備がゴールという結果に表れました。

―決めきるという課題がある中で、早い段階で得点できたのは大きかったのでは。
本当に大きかったと思います。前節はあれだけのチャンスがあった中でゼロで終わってしまったので、今週は決めきることをチームの課題としていました。どんな形であれ決めきれたことは収穫だと感じます。

―弾道を抑えての強烈なシュートだった。
昨年も同様のゴールを決めていて、自分としてはあのような形の方が力まずに良いシュートが打てるので、一つの自分の形として継続できれば相手の脅威にもなるのかなと思います。

―今季初得点だった。
長かったなと思います。これだけ信じて須藤さんが使ってくれて、スタッフからもそろそろゴールやアシストがほしいなと言われていたので、このタイミングで取れたことは非常に大きいと感じます。

―上位撃破も大きな収穫だった。
大きいですし、徳島さんは守備が堅いチームなので、その相手に複数得点、無失点で勝てたことが良かったです。試合内容は褒められるものではないとしても、あれだけ全員がタフに戦えた。結果に対しては褒めても良いのかなと。あとは内容を突き詰めていかないと、今後も難しい試合が増えてくると思うので、勝って修正というのをしていければと思います。

ダメ押しとなる貴重な追加点を奪った久富選手


―得点シーンを振り返って。

前節に決められなかったシーンがあったので改善をしました。広範囲で、いくつかの選択肢を持ちながら待ってしまった反省があったので、今回は相手の一個前に入るということを決めていました。意識をその一点に絞っていった結果、(浅倉)廉がめちゃくちゃ良いボールを入れてくれてゴールできました。

―かなり押し込まれた中で、相当大きな得点だった。
みんなが、あの1点で楽になったと言ってくれました。僕自身ももう1点がほしかったので、追加点が取れて良かったです。

―守備では多くの決定機をつくられながら全員でブロック。手応えは。
かなり決定機をつくられたと思いますし、互角にできたかと言われたらそうではない試合でした。勝ったことを喜びつつも、守備の面をもう一度見直していきたいです。

―際(きわ)の部分で強さを発揮した。
後半はある程度守備が整理された部分もあって、狙いたい部分でボールにいけていた場面もあったので、それを前半からできればというのはありました。

数々のビッグセーブでチームを救った北村選手


―相手の多くの決定機を止めた。

バルセロス選手の裏抜けが危ないということを言われていましたし、このような展開になるのは分かっていました。1対1の場面は相手が真っすぐ入ってくれたから慌てずに対応できました。その他の場面は味方がうまくコースを限定してくれました。自分が止めたように見えていたと思いますが、フィールドの選手が限定してくれたおかげで止めることができました。

―バルセロス選手との1対1は角度がついていなかったから止めやすかったのか。
ループをやられないようにしていたら真っすぐ来てくれたので、あとは自分が向かえば面が広くなるだけでした。(試合を通し)味方がコースを限定してくれたので自分もプレーの整理が付いて、うまく連係して抑えられたと思います。

―2戦連続のクリーンシートとなった。
シーズン前にJ2最少失点という目標を掲げましたが、前半戦を終えて失点を重ねてしまいました。自分のせいで負けてしまった試合も何試合もあったので、今回はその分を取り返せたのかなと思います。でもこれで満足せずに、DF陣としっかりコミュニケーションを取っていきたいです。

―個人的にも手応えを得られた試合だったのでは。
〈ここで中川風希選手が登場。その姿を確認して〉風くんが1対1についてを教えてくれたので、今日は風くんのおかげで止められたと思います(笑)。キーパーをやった方が良いんじゃないかというぐらいアドバイスをしてくれます。

―どのようなアドバイスを。
風希選手→シュートを打つ側の気持ちとして、GKにこういうことをされたら嫌だよというのをチディに伝えています。
北村選手→それがインプットされて、今日の試合に出たと思います。陰のMVPです!
風希選手→トラップした瞬間に詰めたらこちらは焦るよと伝えていて、今日はそれができていましたね。実行したのは彼なので、彼の努力のたまものです。はい。〈ここで陰のMVPはバスへ移動〉

―ゼロに抑えられた要因は。
一本止めて満足するのではなく90分終わってゼロにするのが大事なので、何本シュートが来ても止めて後ろの選手を鼓舞し、集中力を切らさずにやった結果だと思います。
シズサカ シズサカ

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