藤枝MYFCの須藤大輔監督「ロアッソ熊本戦は原理原則が問われる」スコアレスドローの秋田戦も総括


J2藤枝MYFCは8月9日、敵地でブラウブリッツ秋田と対戦し、0-0で引き分けました。前節2失点した反省を生かし、守備では球際の強さを発揮し無失点。しかし、攻撃では押し込んだ面もありながらゴールを割ることができませんでした。

ただ、アウエーで勝ち点1は死守。チームはこの引き分けを次節につなげ、勝利をもぎ取る意気込みです。須藤大輔監督が試合を振り返り、次節への展望を語りました。

―試合の総括を。
一番は勝ちたかったです。前節は、われわれらしい戦いができなかった。守備で受けに回るのではなく剥ぎ取りに行く、寄せきって奪いきってショートカウンターを打つというところを修正する中で、秋田は発揮するにはうってつけの相手でした。

その通りに選手たちはゴール前の攻防、特にわれわれのボックス内での守備は果敢にアタックできていました。秋田もアーリークロスやセットプレーで進入してきましたが、それをしっかりはね返すことができ、そこからわれわれらしい攻撃もできました。

ただそこで満足していたらこの先はないとロッカールームで話しました。目指しているのはどんな相手でもアウェーでも常に勝ち点3を狙って攻守でアグレッシブに戦っていくこと。その姿勢を見せてなおかつ勝つという、決めきる力、通しきる力、クロスを上げきる力をもう一つ上げていきたいです。

基準はどんどん上がってきています。今J2で3年目、満足している人は誰ひとりいないと思います。プレーオフ圏内を目指しているので、相手が怖がるプレーがまだまだ圧倒的に足りない。何が何でも勝ち点3を狙うわれわれらしい攻撃的なスタイルを見せて勝っていきたいです。

―無得点に終わった一番の要素は。
秋田は守備の堅いチームですから、整った状況で攻めても厳しかったと感じました。コンパクトで統率が取れているので、なかなかボールが入らないシーンもありましたが、しっかり前線3枚が立ち位置を取ったときには入っていけて、そこから加速してシュートまでというシーンが何度かありました。

ただ、回数が少ないと感じます。決定的な場面は何度か生み出せていましたが、その数が少ない。そして失い方が悪くて相手のカウンターの脅威にさらされ、あわやというシーンをつくられてしまいました。やはり失わずにボックス内に進入してやりきって終わるという回数を増やすことが次節以降のテーマかなと思います。

ディフェンスにおいては粘り強く体を張って、寄せきるところや防ぎきるところの際の戦いは勝てていました。だからこそクリーンシートで終われたということを評価しつつ、勝ち点3をつかむための攻撃を修正していきたいです。

―試合運びは狙い通りだったか。
狙い通りではありました。前半の序盤に少し押し込まれましたがコントロールできました。ただ得点が欲しかった。耐えるときには耐えて、良いリズムの時にもっとやりきって終わることができていれば結果も変わったのかなと思います。J2は一瞬の隙も見せられない相手ばかりです。その中でアウェーで勝ち点1を拾ったことは評価しつつ、もっと際の部分、勝負どころを感じて攻撃する回数を増やしていきたいです。

―前半の戦いを踏まえ、後半で変えたことは。
われわれのプレス回避の出どころを狙われていたので、相手が来られない立ち位置を取ろうと話しました。あとは攻めている時のポジショニングが少し低かったので、勇気を持ってもう1ラインぐらい上げようという話をして送り出しました。

―クリーンシートは収穫に。中川創選手が、山口戦後にかけられた監督からの言葉が響いたといっていた。
創とは個別で話しました。大人の守備になってしまっていたので。J1の守備は余裕を持って自分のところに来たらやるという感じ。であれば絶対にやらせてはいけないし、はね返さないといけない。

われわれは前で奪ってショートカウンターをしたい。点を取るための守備という話をしています。創も藤枝に来たときはおとなしい守備でした。そして荒々しくなってきていたのですが、最近は創も全体的にもなくなっていた。秋田戦はCBを中心に全体的に期待に応えてくれました。

―熊本戦でのテーマは。
互いに分かりきっているチームなので、ストロングポイントでも負けないこと。選手のところをしっかり抑えてウイークポイントを突いていきたいです。組織対組織の戦いになると思いますが、特に攻撃は個ではがすことが大事になる。守備もつぶしきること。攻撃においても守備においても原理原則が問われる試合だと思っています。

―3試合連続のドロー。もう一つ殻を破るには。
まず点を取った後の立ち居振る舞い。1点を守り切ろうとするところ。2点目を取れないんじゃないかという幻影に惑わされないように、3点でも取れるというマインドを持ちたいです。

1点取っても0-0、もしくは0-1の気分が必要かなと思います。どうしてもおとなしくなってしまうので、1点取った後によりギアを上げていきたいと。そのメンタル的な部分だけだと思います。

ゼロで終わってしまう時も「この拮抗した試合で1点取られてしまうと負けてしまう」というので思い切ったことができないというのもあると思います。しかしこちらが攻めれば相手は引くので、もっと強気にいっても良いと思います。
シズサカ シズサカ

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