藤枝MYFCの須藤大輔監督が語る「スプリントプレス」。完敗の水戸ホーリーホック戦はどうすれば失点を防げたか


J2藤枝MYFCは9月28日、アウェーで首位の水戸ホーリーホックと対戦し、0−2で敗れました。ロングボールを通されて前半に先制を許し、後半にはセットプレーで失点。前節、ジュビロ磐田に対してできた自分たちのサッカーを、どの相手にも発揮しようと気持ち新たに臨みましたが、連勝とはなりませんでした。
須藤大輔監督が試合を振り返りました。

須藤大輔監督「良い時は良い、悪い時は悪いではダメ」


ー総括を。
首位にいるチームらしい戦いをされました。われわれのビルドアップに対してしっかりブロックを組んで入れさせない。その中で何度か良いシーンがありましたが、(課題は)われわれの守備というかプレス。最終ラインの選手に対するプレッシャーで、行くのか行かないのかをはっきりせず相手のリズムに惑わされた。それで攻撃にも良いリズムができない前半を過ごしてしまいました。行くときには行く、行けば必ずスペースが空くので、そこはしっかりカバーするというところ。そこのメリハリ、ポジショニング、スライドの遅さが垣間見えた前半でした。

それを誘発したのが水戸のうまい動きだったのかもしれませんが、私から見るともっと前からはめて、しっかり前の選手がスプリントして規制をかけて後ろが狙いやすい状況をつくり、高い位置でショートカウンターを打ちたかった。そこは悔いが残りますので、次節はその守備の圧力のかけ方、相手に呼吸をさせない守備の構築をトレーニングしていきたいです。

セットプレーからの失点は私のせいだと思います。メンバー交代をしたかった。高さのあるアデ(アンデルソン)を入れてセットプレーをクリアにしようと思ったが、あの間を与えてしまったことが失点につながった要因かと。あのような状況で、もう少し違う選択もあったのかなと思います。あの1点が痛かった。1点と2点では違う。最後も相手が余裕を持って対応できたと思います。もっとレベルの高いものにしたい。自分自身に矢印を向けて今できる最大値を出せる強い集団になっていきたいです。

―背後を狙われる中、どうすれば失点を防げたか。
相手のサイドバックに対してWBが出て、相手のサイドハーフに対してはCBがいきましょうと。すると、おのずとスペースが生まれると思います。じゃあそこで誰が埋めるのかといえば、スライドして逆サイドで絞って押し出すような形でカバーリングしなければいけない。そこがまずあやふやだったのかなと思います。

あとはボールホルダーに対してプレッシャーにいけていなかった。そうなると食いつく形になって背後を取られることになります。われわれは「スプリントプレス」といっていますが、まずは前の迫力、圧力のスピード感を上げていきたいです。それでも背後を取られることはありますから、それぞれのマークに対してどこから守り出すのか、それぞれのポジショニング、ボールがどこにあるのかからスタートしないと一発背後を取られます。

でも、取られても逆サイドは捨ててしっかりカバーリング、スライドできれば防げるしくみでやっているので、全てが後手に回ってしまったのかなと思います。前節の磐田戦は奪ってショートカウンターからゴールを奪った。あれがなかなか出せなかった。そこを修正していかないとどんな相手にもハイプレスは効かないということを改めて感じた試合でした。

―攻撃は相手の堅守をこじ開けるために何が必要だったか。
前半は、ここからカウンターを打つという奪ったボールをすぐに失う局面が多すぎました。だからカウンターも打てなかった。また守備かとなって疲弊してしまったと思います。

あとは相手が中間ポジションを取ってきた時に、相手の嫌なところにボールを差し込めなかったというのが散見されました。そこを見つける目、認知する目が必要になるのかなと思います。

そして、相手のアタッキングサードに入ったときに、少し動きの幅が少なかったと感じます。(シマブク)カズや(川上)エドが持った瞬間に大きく速く動き出さないと、あの強固な守備ではギャップが生まれないと思います。今回は量とスピードと質がテーマでした。そこを上げないと、首位にいるような強固な守備を構築する相手には到底シュートまでいけないです。もっと基準を上げないといけないです。

―磐田戦同様の試合をどんな相手にもできるようにというのが大きなテーマだった。
まさにそこです。あの試合は良かったけれど、この試合は全然ダメだったということが今シーズンは何度も続いています。ですからそれが実力になってしまいます。プロですので良い時は良い、悪い時は悪いではダメです。悪い時こそ何ができるか、耐えなければいけない。そこのマインドを含めてもっと精進していかなければいけないと感じています。

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シズサカ シズサカ

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