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富士市立が県総体初の4強入り 肉弾戦で一歩も引かず浜松開誠館を2−0撃破【静岡県高校総体サッカー準々決勝】

>>>静岡県高校総体サッカー準々決勝結果 静岡学園、富士市立、聖隷、藤枝東が4強進出


本来なら足元の技術でかわしていく富士市立が、この日は鍛え抜かれた浜松開誠館との肉弾戦に挑み、一歩も引かなかった。泥くさく、がむしゃらに。テクニシャンたちは最後まで必死に体をぶつけ続け、創部初の県総体4強入りを決めた。

策士の杉山秀幸監督は言った。「本当はもう少し攻撃的にやれればいいが、『今日は勝とう』と。勝つためにはどうしたらいいかを考えてきた」

浜松開誠館対策を徹底

この1週間は浜松開誠館の分析と対策に時間を費やしてきたという。

今の富士市立の目には、浜松開誠館のプレスは脅威に映った。中盤でボールをつないでも、相手の鋭い寄せをかわすのは難しいー。簡単に奪われてショートカウンターを浴びるリスクを避け、シンプルに相手の背後を狙っていく戦い方を選択した。

練習では、相手のロングボールへの対応を整理した。ボランチとセンターバックがこぼれ球をしっかり回収することを何度も確認したという。

先制ゴールを決めて喜ぶ富士市立の小山(19)


押し込まれても耐え、待望の先制点が生まれたのは後半17分だった。トップ下の伊藤隼麿が相手の最終ラインの隙間を狙って浮き球パス。エースの山﨑絢心からボールを引き取ったMF小山慶がドリブルで1人をかわし、GKの股間を抜くシュートでネットを揺らした。

残りの時間は防戦一方だった。それでも最後まで集中力を切らさずに体を張り、終了間際にロングカウンターを発動。途中出場の大石汐恩が抜け出してダメ押し点を挙げた。

終了間際に追加点を挙げ、ベンチに飛び込む富士市立の大石


プリンスリーグ東海では現在5試合で1分け4敗。決して前評判の高くなかった“東部の雄”が、また新しい歴史を刻んだ。

主将のDF桶川陸は満足げだ。「浜松開誠館はすごく体が大きくて、自分たちは…。だから全員で声を掛け合って跳ね返そうと思っていた。こういう戦い方でも勝てることが分かった」

準決勝は同じ足元の技術を大切にする静岡学園とぶつかる。杉山監督は「思いっきり勝負を楽しんでもいいかなと思いますけど…」と笑って言った後、言葉を濁した。

最大の難敵を前に、県東部のテクニシャン集団は今度はどんな戦い方を選択するか。

最終ラインを統率した富士市立の桶川主将

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