5月15日放送「静岡発そこ知り」のテーマは『復活グルメ』。
皆さんには、忘れられない思い出の味はありますか?様々な事情で一度は閉店してしまったけれど多くの人たちの支えで見事復活を遂げた愛されグルメをご紹介します。
江戸時代より受け継がれる静岡伝統の味が復活。こちらの「野櫻山葵漬(のざくらわさびづけ」です。その名の通り静岡の名産わさび漬を作るお店ですが、創業160年を翌年に控えた2019年に閉店しました。
6代目の野櫻喜裕さんに閉店の理由を尋ねると、原材料わさびをめぐる環境の変化を聞かせてくれました。わさび農家の人手不足などが理由でわさびの収穫量が減少。さらに海外でわさび人気が高まったため、国内での流通量も減り、ここ数年で値段が2倍以上になっているとのこと。
一般的な農作物とは違い、わさびは収穫までに1年半から2年ほどかかり、その間、台風や獣害などのリスクもあって育て上げるのが非常に大変。そういったことから作り手の数も減ってきているといいます。
ところが、工場など全てを処分したそのわずか9か月後に、6代目は新しい場所で今のお店をオープン。従業員を一切雇わず、たった一人でのリスタートさせています。
閉店を決めた後、最後の在庫処分で百貨店に出店すると、商品は瞬く間に完売。
「伝統の味を残してほしい」というお客さんの声を直に聞いた6代目は、たった一人でも店を続ける方法を考えたのでした。

この伝統のわさび漬けに、レシピは存在しないのだそう。わさびによって味が異なるから、塩と砂糖の調味料で調整しているそうです。シンプルが故に奥が深い世界なんですね。
6代目の誰にも負けない「わさび漬け作り愛」。素敵です!
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■野櫻山葵漬
住所:静岡市葵区宮ヶ崎町8-2
時間:10:00〜12:00、13:00〜18:00
休み:日曜・水曜