亡きお母さんの味を受け継いで頑張る、伝統の味

静岡市の浅間通りに店を構える第二美濃屋に、チャンさんが前回訪れたのは、2022年8月10日放送「そこ知り」の取材時でした。
第二美濃屋は、大正時代に創業した美濃屋の流れを受け継いでいる老舗の町中華です。

前回の取材時に、優しい笑顔で話をしてくれたのは、おかみさんの吉田弘恵さん。ラーメンが豚骨スープだと知って驚くチャンさんに、「微笑むような温度でゆっくり煮ているとそうなるんですよ」と教えてくれました。
そんなおかみさんが、今年の2月に病気で亡くなったそうで、現在お店を継いでいる忠弘さんにお話をうかがいました。
先代のおかみさんの優しさを感じるラーメン

忠弘さんは若い頃に店を手伝っていましたが、その後10年ほど店を離れていたそうです。店を継ぐことになってからは、おかみさんと一緒に味を守ってきた従業員の方と、ラーメンスープの仕込みから手がけるようになりました。
忠弘さん:以前と変わらない作り方なんですが、同じ味を食べても、みんな先代の母の方が味が良かったと言うんです。
チャンさん:そうか、食べる人の気持ちということですかね。町中華だからこそ、そこは深いんだろうな。

第二美濃屋のラーメンスープの秘訣は、おかみさんが言っていた“微笑むような優しい火加減”。
忠弘さん:弱火で煮てゆらゆら揺れることを、母なりに“微笑むように”と表現したと解釈しているんです。今はその加減がわかるようになってきました。

それではチャンさんも思い出のあるラーメンをいただきましょう。
チャンさん:うまいなぁ〜。優しさ健在ですよ。麺伝いに、スープの優しさが伝わってくる。前回、これはお母さんの人柄からくる味だと思って噛み締めていたんです。
そう話すチャンさんの目には涙が浮かんでいました。
祖父の代から続く伝統の味、冷やしラーメンの味は?

そしてもう1つ。おかみさんがつゆのおいしさを自慢していたのが「冷やしラーメン」。祖父の代から続く味で古くからのファンも多いとのこと。

おかみさんと一緒に働いていた従業員の方に教えてもらいながら完成した冷やしラーメン、チャンさんも食べさせてもらいました。

チャンさん:うん、麺はしっかり歯ごたえがあり、つゆは酸味がちゃんと効いていておいしい。なんか安心しました。
食べる前は少し緊張していたというチャンさんですが、あまりのおいしさにつゆも全て飲み干してしまったほど。
チャンさん:100年の歴史、そしてお母さんを背負って、自分自身の味を作っていく。これが町中華の使命なんですね。
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■第二美濃屋
住所:静岡市葵区馬場町97-2
時間:7:00〜17:00
休み:なし