
【三宅玲子さんの「本屋のない人生なんて」】古くて新しい「ロマン」充満

読んで落涙した。たった9坪の高久書店のたたずまい、集まる人、支える人の顔つきがはっきり浮かぶ。それは三宅さんの筆力に加えて、店主高木久直さんの、書店と書籍とお客さんに向けた尽きせぬ愛と情熱によるものだ。経営者としての冷徹な計算はありつつ、高木さんのたどった道、発言には古くて新しい「ロマン」が充満している。その源にある「反骨心」にも心打たれる。章タイトルは「本屋を植える」。なんて素敵な言葉だろう。(は)
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