
【町田康さんの「くるぶし」】いらだちと諦念と「衣食住」

日本語のゆかしさ、おかしさ、けたたましさ、たけだけしさ、たおやかさが同時に感じられる歌集。「諦めろおまえは神の残置物祈りとしての恥を楽しめ」などと、どうしようもないいらだちを爆発させたかと思えば、「もはやもうなにもしないでただ単に猫を眺めて死んでいきたい」と諦念を口にする。すべての根源に「衣食住」がある点も好ましい。 「実直に生きた男の純情は実家の壁に描いた草餅」。神が地べたに降りてきたかのようだ。(は)
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