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静岡新聞教育文化部

【浜松市秋野不矩美術館の「上村松篁が描く万葉の世界 『額田女王』挿絵原画展」】 有間皇子の表情に注目

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、浜松市天竜区の市秋野不矩美術館で3月24日まで開催中の「上村松篁が描く万葉の世界 『額田女王』挿絵原画展」。秋野不矩とともに美術団体「創造美術」(現創画会)の創立メンバーに名を連ねた上村松篁が描く、歴史小説「額田女王」の挿絵原画。

1968~69年の井上靖による「サンデー毎日」連載の挿絵。静岡に縁の深い二人の芸術家と親交を結んだ松篁の作品が、秋野生誕の地に並んでいることが感動的。墨の濃淡で描く歴史絵巻に深く引き込まれた。特に、謀反のかどで討たれる有間皇子が「辞世の歌」を松の枝に結ぶ場面を描いた一葉はさまざまな感情がこみ上げる。磐代の浜松が枝を引き結び真幸くあらばまた還り見む/家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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