【川崎誠二のちいさな木彫り展】恐るべき二律背反的空間

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は7月15 日に静岡市葵区の駿府博物館で開幕した木彫り作家川崎誠二さん(沼津市出身)の個展。開催は9月3日まで。

トースト、アスパラガス、ジャガイモ、菓子の「パイの実」…。卓越した観察眼と高度な彫り込み、着色の技術で「木彫のスーパーリアリズム」的な世界を提示。一方で、バンドウイルカ、スナメリ、皇帝ペンギンなどいわゆる「カワイイ」要素満載の戯画的な作品も多数。こちらはざっくりと面を取り、黒点二つで目を、線1本で口を表現するなど、極限まで作家としての営為を抑え込んでいる。二律背反的な作品論が一つの空間で共存。

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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