【ひばりブックスの井出静佳展】 「ことの成り行き」再構築

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市葵区のひばりブックスで3月31日まで開催中のイラストレーター井出静佳さん(富士市)の個展。

「見えないもののなつかしさ」と題した、作家蒜山目賀田さんの散文を出発点にした平面作品6点が中心。内在化された過去のあれこれはたいてい形のないものだが、井出さんはそれに輪郭と色調を与え、「ことの成り行き」を再構築している。ノスタルジックな感情は、慎重に排除されている。多くはペンと筆で描かれているが、その重なりが木々のざわめきや空気の動きを伝えてくる。葉を落とした木が並ぶ暗い森に、なぜかほっとさせられる。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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