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ChatGPTは優秀なアシスタント! ビジネスでの活用法は?

ChatGPTの活用が企業や自治体でも進んでいます。今回は、ChatGPTをビジネスで上手に活用するコツについて、フリーライター・ジャーナリストの西田宗千佳さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※2023年5月29日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

文章で質問(指示) → 文章で回答

牧野あらためて、ChatGPTはどのようなサービスですか?

西田:ChatGPTは、知りたいことや作ってほしいものを文章で指示すると、AIが回答してくれるサービスです。インターネット検索とは違って、情報を探してきてくれるわけではなく、ChatGPTが知っていることについて回答を出してきます。その回答が正しいかどうか、最新のものかは別の話です。

今のAIはなめらかな文章で返すようになりました。また、日本語だけでなく英語やドイツ語など、他の言語で書かれた情報についても調べてくれて、それを日本語にして回答してくれます。言語の壁をある程度は越えているんですね。

文章の再構成、大づかみのリサーチが得意

牧野ChatGPTが得意なことや、ビジネスでの使い方を教えてください。

西田:AIは文章をなめらかに構成して書き直すのが得意です。ビジネス文書を一から書くのは大変なので、内容を箇条書きで書いて「これをきれいなビジネス文書に変えて」とお願いすると、ちゃんとした文章にしてくれます。

また、なんとなく全体の傾向を知りたい時に「今、この業界はどういう傾向にあるのか教えて」と指示を出すと、簡単な文章で教えてくれます。正しい内容なのかはしっかりと調べる必要はありますが、そういう使い方もできます。

牧野一方で、苦手なことはありますか?

西田:「正しい回答」や「間違ってはいけないもの」を期待してはいけないと思います。それから、ChatGPTは2021年9月より前の情報で作られているので、最新の情報を知らない可能性があります。

牧野そのあたりは、バージョンアップしていくと改善される可能性はありますか?

西田:そうですね。インターネットにある情報をどう集めて、AIが読みやすい文章に変えてくれるかという機能の問題でもあります。MicrosoftのBingという検索エンジンは、AIを使って最新の情報をまとめ直しています。

判断は人間 ChatGPTを秘書として使う

牧野西田さんはChatGPTをどのように活用していますか?

西田:取材依頼書のラフを作ってもらっています。また、本格的なリサーチの前に大づかみするための検索に使っています。インターネット検索や本で調べて考えるという前段階のアシスタントのような使い方です。ChatGPTの回答を最終結果とするのではなく、秘書や仕事のパートナーとして使って、最終的な判断は自分が行うというのが、今はベストなのではないかと思います。

牧野私はExcelやスプレッドシートの表を作るのが苦手なんです。ChatGPTはパソコンの使い方を教えてくれたりしますか?

西田:パソコンやスマホの使い方はインターネットに大量に上がっていますよね。そこから学習したChatGPTに教えてもらうというのは、意外と便利だと思います。

機密情報・個人情報は入力しない

牧野企業や自治体がChatGPTのような生成AIを導入する際に注意すべき点、ルールを決めておいたほうがよい点はありますか?

西田:回答が正しいとは限らないので、そのまま使うのではなく、人間が確認することが必要です。またインターネット上に公開されているオープンなサービスなので、機密情報や個人情報を入力すると、AIに学習されて別の人に伝わってしまう可能性があります。機密情報を扱う場合は、企業や自治体が独自にAIを作ってクローズドな中で使うといった配慮が必要です。すでに大手企業では始まっています。

牧野ChatGPTと組み合わせることで便利なツールやおすすめのサービスはありますか?

西田:「○人で△△のようなものを食べたい」といったふんわりとした検索をしたい場合、ChatGPTと組み合わせて情報を出してくれる食べログのサービスがあります。

また、ChatGPT以外にGoogleのBardやMicrosoftのBing検索など同じようなサービスがあるので、複数のサービスにあえて同じ質問を投げて、それぞれの回答の違いを見るのもよいと思います。文章を入力すればよいという誰でも使えるサービスなので、あまり気負わずに使ってみるのがベストかなと思います。
今回お話をうかがったのは……西田宗千佳さん
1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など。取材・解説記事を中心に、各媒体に寄稿する他、書籍も多数執筆。テレビ番組の監修なども手がける。著書に「メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略」(SBクリエイティブ)、「ネットフリックスの時代」(講談社)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)などがある。

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