楓浜はどんなパンダ?

1歳のお誕生日。プレゼントの積み木と楓浜/ 画像提供:二木繁美
牧野:今回ひとり立ちした楓浜は、どんなパンダですか?二木:生まれたときにアドベンチャーワールドが動画を配信しているのですが、元気すぎて飼育員さんの手から落ちてしまわないか心配なくらいだったんです。最初はやんちゃで、性別もはじめは誤ってオスと発表されたほどでした(実際はメス)。
牧野:そんなに分からないものですか?
二木:パンダの性別は判別が難しいらしく、過去に上野動物園でもトントンというパンダがオスと発表されていましたが、そろそろ繁殖をというときに、よく調べたらメスだったということがあったんです。

わんぱくなお尻/ 画像提供:二木繁美
牧野:そうなんですね。楓浜というと、アイドル的な感じですよね。二木:コロナ禍で生まれたので、生まれた時からいろいろ撮影や配信されてきているので、カメラを怖がりません。目のまわりのアイパッチの下が少しはねていて、お母さんの良浜に似て、目がクリクリで大きいところもかわいいですね。

竹で遊ぶ楓浜(2021.8月撮影)/ 画像提供:二木繁美
牧野:今も性格はやんちゃなんですか?二木:今も好奇心旺盛だと聞いています。
牧野:力が強いでしょうから、飼育員の方も大変でしょうね。
二木:だいぶ大きくなって力も強くなっていると思いますが、飼育員さんにじゃれるときはソフトな感じで、ちょっと控えめみたいです。1歳の誕生日(2021年11月22日)に現地へ取材に行ったとき、プレゼントにもらった積み木をかなりソフトに倒していたので、そういうところはおとなしいのかなと思いました。
「パンダラブ」とはどんな施設?
牧野:気持ちが通じ合ってきたのかもしれませんね。その楓浜ちゃんがこれから生活していく「パンダラブ」という施設はどんなところですか?二木:2013年に完成した希少動物の繁殖・育成を目的とした繁殖センターです。夏でもしっかり温度管理されていて、暑さに弱いパンダが過ごしやすい環境です。夏は寒いくらいしっかりとクーラーが効いています。屋内運動場が2つ、屋外運動場が1つあり、どちらもガラスを通さずにパンダを見ることができるので、耳を澄ませばパンダが竹をかじる音なども聞こえます。上野動物園などでガラス越しに見ていた人からすると、かなり近く感じるみたいです。
牧野:「パンダラブ」は一般の人でも入ることができますか?
二木:大丈夫です。アドベンチャーワールドに入ったらそのまま入場することができるので、一般の人も見ることができます。
牧野:今、「パンダラブ」にはどんなパンダがいますか?
二木:こちらには現在「楓浜」のほかに、お姉ちゃんになるふたごのパンダ「桜浜」と「桃浜」、もう一頭のお姉ちゃん「結浜」が暮らしています。
最近気になるパンダ情報

タンタン/ 画像提供:二木繁美
二木:話は変わりますが、神戸の王子動物園のタンタンが、現在体調管理のため観覧中止になっているのが気になっています。牧野:体調が悪いんですかね。
二木:心臓に疾患が見つかり、手厚い健康管理を受けているので心配することはないかと思いますが、タンタンは26歳でけっこうなお年なので。
牧野:3倍かけると、まあまあの年齢ですね。
二木:人間でいえば70歳代くらいなので、のんびり過ごしてほしいです。
牧野:そのタンタンというと、ぼちぼち帰国するのかという話があるそうですね。
二木:そうですね。返還期限は実は過去にも2度ほど延長され、2020年7月15日までになりましたが、コロナ禍で飛行機が飛ばずさらに1年延長。2021年3月に心疾患が見つかり、さらに2022年12月末まで延長となっています。心臓疾患がある上での移動は厳しいので延長されると思っているのですが......。
牧野:中国に帰るときは船ですか?
二木:飛行機ですね。飼育員さんがついていくと思いますが、飛行機に乗っている間は様子が見れないと思うので、長旅は体力的にもキツいのではないでしょうか。
牧野:今回はパンダの知らない話をたくさん聞けて面白かったです!
今回お話をうかがったのは……二木繁美さん
パンダのうんこを嗅ぎ、パンダ団子を食べた、変態と呼ばれるほどのパンダ好き。和歌山アドベンチャーワールドのパンダ「明浜(めいひん)」と「優浜(ゆうひん)」の名付け親。デザイナーを経て、ライター・イラストレーターとしてフリーで活動。現代ビジネスで、パンダのタンタンの日常を伝える「水曜日のお嬢様」を連載中。