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頼るべきは保湿クリームだけじゃない!食べ物で体の内側から乾燥を予防するには?

体の内側から肌の乾燥を防ぐには?

寒くなってくると、放っておいたら肌がカサカサしてきますよね。保湿クリームなどで対策をしている人は多いと思いますが、今回は体の内側から肌の乾燥を防いでいこうという話です。詳しい話を、管理栄養士の小原水月さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がうかがいました。
※11月10日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。
乾燥肌

なぜ、秋冬になると肌は乾燥するの?

小原:秋冬に肌が乾燥しやすいといわれる理由は、大きく分けて3つあります。

1. 湿度の低下

水分は多いところから少ないところへ移動する性質があります。空気が乾燥すると肌の水分が空気中に移動しやすくなってしまい、肌の水分が少なくなってしまいます。

2. 新陳代謝の低下

夏から秋にかけて気温が下がると、新陳代謝が下がってしまいます。新陳代謝というのはよく聞く言葉だと思いますが、古いものを捨てて、栄養を取り込んで、新しいものを生み出すという働きのことです。うまく新陳代謝が行われないと、肌の潤いを生み出す力と保つ力の両方が弱まってしまいます。その結果、肌の潤いが少なくなって乾燥肌になりやすくなるんです。

3. 夏に受けた紫外線のダメージ

夏に浴びた紫外線によるダメージは、秋まで続くといわれています。紫外線のダメージというと、シミやシワを思い浮かべる人が多いと思いますが、実は乾燥の原因にもなっているんです。

牧野:さまざまな肌トラブルのもとになりやすいんですね。それを食で内側から防ぐことができるんですか?

小原:はい、私たちの体は食べた物だけで作られています。食べる物をきちんと選ぶことで、乾燥しにくい体を目指すことができます。それに加えて、漢方医学では体を潤したり、血行を促したりする働きがある食べ物があると考えられています。このような漢方医学の考え方を食卓に取り入れることでも乾燥肌対策に有効だと思います。

牧野:具体的に何を食べることを心がければいいのか教えてください!

小原:今回は3つご紹介したいと思います。

乾燥肌対策に効く3つの食べ物

1. 米

小原:漢方医学でも、お米は力をつけて、胃腸を整え、消化吸収を助ける働きがあるとされています。胃腸を整えることは、栄養をしっかり体に取り込むことに繋がりますし、新陳代謝を活発にして、常に新しい肌の細胞を生みだすために大切なことなんです。糖質制限ダイエットでお米を控えていた人が、しっかりお米を食べるようにしただけで肌に潤いがでたり、くすみがなくなったという声はよく聞きます。

牧野:そうなんですか!?  今、糖質制限している人が非常に多く「ごはんは食べません、おかずだけ」という話を聞いたりするのですが、それによって肌の乾燥具合が進んでしまうこともあり得るんですか?

小原:あり得ます。

2. 鮭

小原:漢方医学で鮭は、体を温めて潤す働きがあるとされています。栄養学的にみても、鮭に含まれるビタミンEは、血管を広げて血流をスムーズにする作用があることが知られていますので、肌対策にも有効です。

牧野:鮭は今が旬ですので、旬の物を食べるといいというのは、昔の人はよく知っていたのかなと思いますね。3つ目はどうでしょうか?

3. 梨

小原:漢方医学で梨は、乾燥した体を潤し、血液循環をよくする働きがあるとされています。ただ体を冷やす性質もあるので、冷え性の人は控えめにした方がいいと思います。おいしい梨は、適度に硬く、手に持ったときにずっしり重くて軸がしっかりしています。選ぶときに気をつけてみてください。

牧野:米・鮭・梨という3つのキーワードをいただきました。

生活習慣では気をつけるべきは?

小原:乾燥肌対策には潤いを与えるだけでなく、バリア機能を保つことと新陳代謝を促すことも大切です。肌のバリア機能は摩擦に弱い性質があるので、ゴシゴシこするのは厳禁です。入浴や洗顔のときは、せっけんやボディソープを十分に泡立てて、手やタオルなどが肌に直接当たらないようにしてください。

細胞が作られるのは、主に寝ている間なので、睡眠時間が短いと肌細胞を生み出す時間が確保できなくなります。ですので、十分に睡眠をとることが肌細胞の新陳代謝を促し、肌の乾燥予防にも繋がります。

牧野:結局、食事と睡眠が非常に大事ということですよね。

小原:本当にそうですね!

食事も睡眠も気を付けているのに、肌が乾燥する。さらにおすすめの予防法は?

小原:漢方薬を飲む方法も、選択肢のひとつに入れてほしいです。漢方薬は、カサカサ肌や肌荒れなどの症状に対して、体の内側から回復を目的として皮膚科でも使われています。また、症状を抑えるだけでなく、体と心のバランスを整えて、自然治癒力を高めることも目指せるんです。

例えば、当帰飲子(とうきいんし)という漢方薬は、肌を作るための栄養を補い、新陳代謝を高め、乾燥肌の治療の定番ともいえる薬です。もうひとつ、四物湯(しもつとう)は、さまざまな組織に栄養を与えるのを助ける漢方薬で、疲れやすいとか冷えを感じるといった不調にも用いられています。

牧野:こうしたものは、どこで手に入れているのですか?

小原:近くの漢方薬局へ行ったり、オンラインでも自分の体にあった漢方薬を処方してくれるサービスがあるので、そういったものも活用しています。

牧野:食事、睡眠、攻めの乾燥肌対策としては漢方と、3つの視点から教えていただきました。

最後に、メッセージをお願いします!

小原:食べ物は薬ではないので、即効性は期待できません。ただ、今回お伝えした米・鮭・梨を普段から食事に取り入れることで、気候の変化にもゆらぎにくい体にアップデートできます。ぜひ試してみてください!

牧野:健康食育シニアマスターの資格をお持ちだったり、健康のためにお米生活を実践されているとTwitterで拝見しました。健康のためのお米生活とは、簡単にいうとどういうものなんですか?

小原:お米を中心とした食生活で、一汁一菜のかたちを整えましょう。全体の割合をお米6割、おかず4割に調整しましょうという提案です。お米を中心にすることで、エネルギーを十分に摂りながら、体に負担をかけない、老廃物を出しやすいという食事のパターンなので、実践することですごく元気になったり、不調が出にくくなるのを感じていただけると思います。

牧野:ぜひまたこれも教えてください! ありがとうございました。


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今回お話をうかがったのは……小原水月さん
管理栄養士・健康食育シニアマスター。個別の食事相談や食と健康の分野で執筆。専門学校を卒業後、社員食堂に就業し300種以上の料理を習得。管理栄養士免許取得後は600人以上の食事と生活習慣改善をサポート。簡単でおいしく楽しい食事で、きれいでご機嫌に過ごそう!と発信を続ける。

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